自社のWebサイトへの集客を最大化したいと考えているなら、流入キーワードの調査は必須です。
訪問者がどのキーワードで自社サイトを訪れているのか、集客の質と量の両方を向上させるための調査の手法が、ビジネスの成長を左右します。
本記事では、流入キーワードの正確な調べ方から、それを活用する集客アップのポイントまでを徹底的に解説します。
流入キーワードとは
流入KW(キーワード)とは、ユーザーがあるサイトやページ、URLにアクセスする際に、検索エンジンに入力したキーワードを意味します。
このキーワードを正確に把握することで、Webサイトやブログがどのような検索クエリ(検索窓にユーザーが入力した語句)に応答しているのか、またどのようなユーザーニーズに答えられる内容を提供しているのかを理解できるため、SEM(検索エンジンマーケティング)にとって重要な要素です。
この流入キーワードの分析は、WebマーケティングやSEO対策において非常に重要な役割を果たします。
なぜなら、これをもとにコンテンツの制作や改善を行うことで、ターゲットとするユーザーに適切な情報を提供し、オーガニックな(自然流入による)アクセスの増加やコンバージョン率の向上に繋げられるためです。
特に自社のサイトやブログ運営者、オウンドメディア担当者、SNS運用者、そして新人ライターやその背景のコンテンツ管理者にとって、流入キーワードの把握は、適切なコンテンツ戦略を立てるうえでの基本中の基本ともいえるでしょう。
そのため、この調査や分析を日常的に行うことで、サイトのパフォーマンスやユーザーエンゲージメントを継続的に向上させることが期待できます。
流入キーワードの調べ方
Webサイトの効果的な運営やSEO対策を行ううえで、流入キーワードの調査は欠かせません。どのキーワードでユーザーがサイトを訪れているのかを知ることで、コンテンツ戦略や改善ポイントを明確にする手助けとなります。
流入キーワードを調べるためには、いくつかのツールやサービスが利用可能です。ここでは、主要なツールとその活用方法を紹介します。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、サイト訪問者の行動を詳細に把握できるアクセス解析ツールです。Webサイトやリスティング広告など多くのサービスと連携できます。
特に、サーチコンソールとの連携により、検索クエリや流入キーワードの詳細なデータの取得が可能です。
サーチコンソールと連携することで、どのキーワードでどれだけのユーザーがサイトに訪れたか、そしてそのクリックスルー率(CTR:クリック率と同義)や平均掲載順位などの情報を確認できます。これにより、SEO対策の方向性やキーワード戦略の見直しを的確に行えるでしょう。
Googleサーチコンソール
Google Search Consoleは、Google検索との連携を深化させるためのツールです。サイトの健全性や検索クエリ、表示順位などの情報を確認可能です。
これを活用することで、どのキーワードでの表示順位が上がっているのか、またどのキーワードでの表示順位を上げるべきなのかを判断できます。さらに、Googleアナリティクスとの連携を通じて、より深い流入キーワードの分析が行えます。
Ahrefs
Ahrefs(エイチレフス)は、SEOのプロフェッショナルに多く利用されている有料の分析ツールです。このツールを導入することで、サイトのリンク状況やキーワードランキング、競合サイトの状況などを詳しく把握できます。
特に流入キーワードの分析機能は高度で、自社サイトや競合サイトのどのキーワードでどれだけのトラフィックを獲得しているか確認可能です。これにより、キーワード戦略の再構築やコンテンツの最適化が行いやすくなります。
Ubersuggest
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、キーワードリサーチやコンテンツのアイデア出しに役立つ無料ツールです。このツールを活用することで、検索ボリュームやサジェストキーワード、競合サイトの情報などを手軽に取得できます。
初心者でも使いやすいインターフェースと、豊富なデータが提供される点が魅力です。流入キーワードのリサーチや新しいコンテンツのアイデアを求める際に、Ubersuggestの利用は非常に有益です。
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの違い
サイト運営者やマーケターとして、集客や売上向上を目指すうえでSEOの知識は不可欠です。その際に頼りになるのが、Googleアナリティクス(GA)とGoogleサーチコンソールです。それぞれがどのような目的・機能を持っているのか解説します。
Googleサーチコンソールは、かつては「ウェブマスターツール」と呼ばれていましたが、サイトのパフォーマンスを分析するためのツールです。
名称が「サーチコンソール」に変更されてからも、多くのサイト運営者に利用され続けています。サーチコンソールの主な機能は以下のとおりです。
- キーワードの分析: サイトへの流入キーワードや掲載順位を知ることができます。
- サイトの可視性: 検索結果上でのCTR(クリック率)やインプレッション数を把握する。
- サイトの健全性: インデックスの状況やエラー、問題点を確認し、SEO対策の参考とする。
これらの情報をもとに、サイトの露出度を上げるための対策を計画・実施することが可能となります。
Googleアナリティクスの特徴
Googleアナリティクスは、サイトへの訪問者の動向を詳しく分析するためのツールです。具体的には以下のようなデータの収集・分析が行えます。Googleアナリティクスの主な機能は以下のとおりです。
- 属性データ: 訪問者のデモグラフィック(属性)や興味を知る。
- 行動データ: どのページがどれだけの時間見られているのか、どのページから離脱しているのかを分析。
注意として、ユニバーサルアナリティクス(UA)は2023年7月にサポートが終了するため、現在もUAを使用している運営者はGoogleアナリティクスへの移行が必要です。
以上のように、サーチコンソールとアナリティクスは、それぞれ異なる段階のユーザー行動を捉えるツールです。
サーチコンソールはサイトに訪問する前のユーザー行動やサイトの問題を捉え、主にSEO対策の情報を提供するのに対し、Googleアナリティクスはサイト訪問後のユーザーの動きを分析し、コンバージョンを向上させるデータを提供します。
これらのツールを組み合わせることで、ユーザーが検索からコンバージョンに至るまでの動向を全体的に理解し、サイトを最適化する際の貴重な情報を得られるでしょう。
流入キーワードで確認すべきポイント
流入キーワードは、サイトやブログの訪問者がどのようなキーワードでアクセスしてきたのかを知る手がかりとなります。そのキーワードを知ることで、サイトの内容やSEO対策をより適切に行えるのです。
しかし、流入キーワードを調べただけでは十分ではありません。それらのキーワードがどれだけの効果をもたらしているのか、以下の4つのポイントをもとに詳しく見ていきましょう。
検索順位
検索順位は、特定のキーワードに関連する検索結果での表示位置のことです。高い検索順位は、そのキーワードがサイトへの流入を増加させる可能性が高いことを示しています。
順位をチェックすることで、どのキーワードが最も効果的であるかや、どのキーワードで順位向上の余地があるかを知ることができます。
アクセス数
アクセス数は、特定のキーワードでのサイトへの訪問回数を示しています。多くのアクセス数はそのキーワードの人気や関連性を示す重要な指標です。
アクセス数が少ないキーワードは、競合が少ないニッチな分野を示す可能性があるため、注意深く取り組む価値があるでしょう。
滞在時間
滞在時間は、訪問者がサイトにどれだけの時間を費やしているかを示す指標です。この時間が長ければ長いほど、コンテンツが訪問者の関心を引きつけていることを示しています。
短い滞在時間は、コンテンツが訪問者の期待に合っていない可能性が考えられるため、そのキーワードに関連するコンテンツの見直しが必要かもしれません。
コンバージョン率
コンバージョン率は、サイト訪問者が目的のアクション(例:購入、問い合わせ、登録など)を完了する割合を示しています。高いコンバージョン率は、流入キーワードが質の高いトラフィックをサイトにもたらしている証明です。
コンバージョン率を分析することで、どのキーワードが実際のビジネス目的に貢献しているかを明確にできます。
流入キーワードを自社サイトに活用するコツ
流入キーワードは、ユーザーがサイトを訪れるきっかけとなるものです。適切に活用することで、集客効果を高めることが可能です。
しかし、単に流入キーワードを調べるだけでなく、どのように活用するかが成功の鍵となります。ここでは、流入キーワードを最大限に活用するための3つのコツを紹介します。
カスタマージャーニーの「認知」の段階のキーワードを増やす
カスタマージャーニーとは、ユーザーが製品やサービスを購入するまでの一連のプロセスを示すものです。その初期段階である「認知」の段階では、ユーザーは自分の問題やニーズに気づき、情報を求めて検索を行います。
この段階のキーワードは、一般的な情報を提供するものや問題意識を喚起するものが中心です。こうしたキーワードを増やすことで、サイトを訪れるユーザーの幅を広げ、より多くのユーザーに自社の存在を知ってもらえます。
具体的には、業界のトレンドや基礎知識を解説するコンテンツを充実させることで、「認知」の段階での流入を促進できるのです。
対策キーワードが上位表示されているかを確認する
SEO対策を行ううえで、重要なのは自社サイトが検索結果の上位に表示されているかどうかを確認することです。特定のキーワードに対してのランキングをチェックすることで、現在のSEO対策の効果を把握できます。
また、上位表示されていない場合、その理由を探ることで、今後の対策の方向性を見極めることが可能です。定期的にランキングチェックを行い、必要に応じてコンテンツの更新や改善を行うことで、より多くのユーザーにコンテンツを届けられます。
指名検索されているかを確認する
指名検索とは、ブランド名やサービス名を直接検索キーワードとして入力を行うことです。指名検索されることは、ブランドへの認知度や信頼度が高いことを示すため、非常に重要な指標です。
Googleアナリティクスなどの解析ツールを用いて、どれだけのユーザーが指名検索でアクセスしてきたのかを確認しましょう。もし指名検索の数が少ない場合、ブランド力の向上やPR活動を強化する必要があります。
一方、指名検索が多い場合は、そのキーワードに特化したコンテンツを提供することで、より高いコンバージョンを目指せるでしょう。
競合サイトの流入キーワード調査も重要
自社サイトの流入キーワードを調べることは非常に重要ですが、同じくらい価値があるのが競合サイトの流入キーワード調査です。
競合サイトの動向を把握することで、市場の傾向や自社サイトの弱点、そして新しい機会を発見できます。ここでは、競合サイトの流入キーワード調査の重要性と、その活用方法について解説します。
有効度の高いキーワードやコンテンツが発見できる
競合サイトの流入キーワードを調査することで、現在の市場で有効度の高いキーワードやコンテンツが何かを発見できます。
特に競合が上位表示されているキーワードは、多くのユーザーが関心を持っていることを示しており、これらのキーワードを自社サイトでも活用することで、より多くの流入を得られるのです。
また、競合が提供しているコンテンツの中で、特に人気が高いものやリンクが多いものを分析することで、その成功の要因を学び、自社の施策にフィードバックできます。
差別化できるポイントの発見につながる
競合との差別化は、ビジネスの成功にとって重要です。競合サイトの流入キーワードを分析することで、他社がまだ取り組んでいないキーワードや、他社のコンテンツに比べて独自性を持たせられるポイントを発見できます。
例えば、競合が特定のキーワードでの情報提供が不足している場合、そのキーワードに関連する独自のコンテンツを作成することで、訪問者に新しい価値を提供できるのです。
また、競合のコンテンツのアプローチやスタイルを分析することで、自社のコンテンツがどのように差別化できるかのヒントを得られるでしょう。
流入キーワード調査で安定した上位表示を実現しよう
流入キーワード調査は、オンライン集客の成功への第一歩です。この調査を通じて、ユーザーの検索動向や競合の動きを理解できます。
獲得できる情報を最大限に活用し、サイトのコンテンツやSEO対策を最適化することで、安定した上位表示を目指すことが可能です。
適切なキーワードの選定とその効果的な活用が、サイトのトラフィック増加やビジネス成果に直結することを忘れずに、日々の運営や戦略の策定に取り組むことをおすすめします。