h1タグは、記事の大見出しとしてサイトに訪れた読者が最初に見る最も重要な要素の一つです。
SEOにも影響を与えるとされるh1タグですが、その正しい使い方や本当の役割などはあまり知られていません。
そこで今回は、h1タグの使い方や注意点、またSEOとの関係やどういう役割があるのかなどについて詳しく解説します。
h1タグを使わないとどうなる?
SEO対策の一つとして、h1タグは各ページの先頭に配置し、各ページに一度だけ使用するのが適切だと考えられています。
一方で、h1タグをまったく使用しなくてもSEOに大きな影響はないという意見も。
果たして、h1タグを使わないとSEOにどういう影響があるのでしょうか?
コンテンツの構造を体系化するのが理想的
見出しを構成するhタグには「h1~h6」まであります。
数字が小さいh1が最も階層が高く、h2からh6までを数字の小さい順に、入れ子構造で設定するのがルール。
その結果、ページの構造を整理することができます。
適切な順序でhタグを配置し、構造を体系的に整理することで、検索エンジンのクローラーがページ全体の階層構造を的確に把握しやすくなります。
また読者視点から見ると、見出しの箇所が大きなサイズのフォントで書かれた記事は、何が書かれているかをスムーズに理解しやすくなります。
つまり、コンテンツの構造を正しく体系化した順序でhタグを記述することが、検索エンジンにとっても読者にとっても理想的なのです。
細かく拘らなくても問題ない
Googleの著名なスタッフであり、Webマスタートレンドアナリスト(Google Search Advocate)でもあるジョン・ミューラー氏(John Mueller)が、Webマスター向けの動画で語った内容を要約してみましょう。
h1タグは1ページ内で何度でも好きなだけ使うことができます。制限はありません。上限も下限もないのです。
ただ、h1タグはページの構造を明確にしてくれます。そのため読者や検索エンジンがページのどの部分がどの見出しの下に記載されているかを判断しやすくなるので、私ならページ内で適切に使います。
ユーザビリティの観点では適切に使われているほうが理にかなっているといえます。
しかし、検索エンジンの点から見ると、ページ内にh1要素がゼロだろうが、5つあろうが大した問題ではありません。
English Google Webmaster Central office-hours from September 27, 2019
意外かもしれませんが、検索エンジンにとっては、h1タグの場所や数にはそれほど細かく拘らなくても問題はありません。
Googleの分析能力は大変、優れています。h1タグがどこでどれだけ使われていても、あるいは使われていなくても、検索エンジンはページ内に書かれている内容を把握し、重要な部分を的確に判別できるように進化してきました。
しかしミューラー氏が語るように、ページの構造を明確化し、ユーザビリティを向上させる点ではh1タグを適切に使うことが推奨されています。
また、Googleはページの先頭に冒頭に大きく表示されたh1には、そのページにとって重要なキーワードが含まれていると判断します。
つまり、適切にh1を使うことで検索エンジンや読者が内容を判断しやすくなるため、間接的にSEOとしても有効となるのです。
特別な目的や意味もなくh1を使わなかったり、複数回使ったりしてもメリットがないため、基本的にはh1タグは各ページの先頭にだけ配置しましょう。
h1タグとは
では、ユーザビリティの観点から見たh1タグの役割とは何でしょうか?
「titleタグ」との違いを含めて解説します。
h1タグの役割
h1タグの役割の一つは、記事の内容をひと目で理解できるように、分かりやすく簡潔に要約して伝えることです。
ユーザビリティの高いページは、SEOでも高く評価されます。
また、h1タグは検索エンジンのクローラに対して、どういうテーマに関するページなのかを伝えたり、ページ構造を正しく伝える役割もあります。
クローラーはh1タグに記述された語句には、そのページに書かれている内容を示す重要なキーワードが含まれていると認識するため、SEOにも一定の影響を与えることになります。
h1タグとタイトルタグの違い
記事のタイトルを記述する「titleタグ」と記事の大見出しとなる「h1タグ」とは、どちらも結果的にタイトルとして同じ文言が入ることが多いため、その違いが分かりにくいのではないでしょうか?
SEOの観点から両者の本質的な違いを理解しておくといいでしょう。HTMLではtitleタグはタグ内に、h1タグはタグ内に記述します。
記述場所が異なるため表示される場所も違ってきます。titleタグに記述した文言は検索結果画面でタイトルとして大きく表示され、h1タグの文言はWebページにアクセスした後のページの先頭で大見出しとして表示されることになります。
しかし、どちらもページ内容を端的に分かりやすく伝えるという目的は同じ。そのため、どちらにも全く同じ内容が書かれていても問題ありません。
h1タグの使い方
SEOの観点では直接的な影響はないものの、構造の明確化やユーザビリティの点では重要なh1タグ。
ここからは、h1タグの適切な使い方を詳しく解説しましょう。
hタグの中で最初に記述する
hタグ(h1~h6)は数字の小さいものから順番に、入れ子の構造で設置するのがルールなので、h1タグを一番最初に設置します。
参考例
<h1>○○○○○○</h1>
<h2>●●●●●</h2>
<h3>□□□</h3>
<h3>□□□</h3>
<h4>■■■</h4>
<h4>■■■</h4>
<h2>●●●●●</h2>
<h3>h□□□</h3>
ページの大見出しにh1タグ、小見出しにはh2、その次の見出しにh3のように正しい順序で使うことで、読者にも検索エンジンにも分かりやすい階層構造を作成することができます。
対策キーワードを含める
h1タグには、上位表示を狙う対策キーワードを含めて、ページ内容が簡潔に伝わる文章を記述することが大切です。
そうすることで検索エンジンが内容を把握したうえで、重要なキーワードを理解し、クローラーに伝えることができるからです。
もしh1に対策キーワードが含まれていないと、h1内の別の語句やそのほかのhタグに書かれた語句が重要なキーワードと判断されてしまう可能性もあります。
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ページごとに独自のh1タグを記述する
またh1タグに書く文章はほかのページに流用せずに、各ページごとに違った内容にすることを徹底してください。
別々のページで、まったく同じh1の文章を使ってしまうと、Googleがそれらを重複したコンテンツと誤解する危険性があります。
Googleにページ内容を正しく判断してもらうためには、ページごとに独自の内容を記述しましょう。
h1タグを使うときの注意点
h1タグの使い方が分かったところで、次はh1タグを使うときの注意点をいくつか紹介します。
h1タグの書き方次第ではSEOに悪い影響を及ぼす危険性があるため、注意してください。
h1タグを過度に使わない
hタグを正しいルールで適切な構造で使用するなら、h1タグが複数あっても問題はありません。
しかし、あれもこれも重要だからという理由で、構造を無視してh1タグを過度に使ってしまうと、読者もクローラーもどれが最も重要なのか判断しにくくなります。
またh1タグが増えるほど、対策キーワードの重要性があいまいになります。
SEOの施策としてh1タグを最適化するなら、基本的に1ページに使用するh1タグは1つにすることをおすすめします。
キーワードを過度に詰め込まない
またh1タグに複数のキーワードを盛り込んだり、1つのキーワードをh1内に無理やり何度も使うことは避けましょう。
複数の対策キーワードをh1に盛り込むと、Googleはどのキーワードに関する記事なのかが分からなくなるためです。
また、キーワードを過度に詰め込むと、Googleから「キーワードの乱用」とみなされ、スパム行為と判断されるため注意が必要です。
見出しのテキストを長くしない
h1の文章が長すぎるのも問題です。
見出しに書くテキストは、できるだけ短く端的で分かりやすい文章にするのがポイント。
h1タグには「何文字以内に収めなければいけない」というルールはありませんが、長過ぎる文章ではキーワードの重要性も薄くなり、何より読者が読みにくくなってしまいます。
伝わりやすさ、読みやすさの観点からも、30~50文字程度に収まるように意識するといいでしょう。
デザインはCSSで整える
「hタグ」はコンテンツの構造を明確にし、キーワードの重要性を伝えるために使用すべきもの。
しかしhタグの役割を理解していないと、本文の文章を強調するために、文字修飾としてhタグを使うケースが見られます。
見出しとは関係のないところでhタグが使われてると、文章構造が壊れてしまいSEOにも悪い影響を及ぼします。
見た目のデザインを変更したい場合は、hタグではなくCSSで整えるようにしてください。
ページの内容と無関係なテキストをh1タグで使用しない
また、本文の内容とh1に書かれた内容とがくい違っていたり、ページの内容と関係のない文言をh1に記述しないようにしてください。
例えば、h1では「ダイエットに運動は欠かせない」と書かれているのに、本文は「運動はダイエットに効果がない」という内容では読者は混乱します。
Googleからは検索順位を上げるためにわざと無関係なテキストをh1に記述したとみなされ、ペナルティを受けるかもしれません。
検索結果に表示される前提にしておく
titleタグを設定しなかった場合、Googleは検索結果の画面に表示するタイトルとして、h1に記述されたテキストを用いることが多くあります。
あるいはtitleタグをわざわざ記述しなくても、使っているCMSによっては、h1タグに記述した内容をそのままtitleタグにも反映する設定になっているケースもあるでしょう。
そのため、h1タグの内容がそのままタイトルとして検索結果に表示されることを前提に、h1タグには端的で分かりやすく、目を引く文章を書くようにしましょう。
h1タグにSEO的な影響はある?
h1タグを設置したからといって、直接的にSEOの効果が出るというわけではありません。
しかし、h1タグを適切に設定することで構造が最適化され、ユーザビリティが上がるため、間接的にSEOに影響を与える効果はあります。
では具体的にどういう効果があるのかを詳しく見ていきます。
クローラーが要素を認識しやすくなる
クローラーとは検索エンジンが検索順位を決定するための要素をWebサイトから集めてくるロボットのことで、Googleの場合はGooglebotと呼ばれます。
クローラーはWebサイトや各コンテンツのどこが重要な部分なのかを判断するために、本文や画像などさまざまな要素をチェックします。
中でも重要視しているのがh1タグ。
h1タグに書くテキストや設置場所などを適切に設定することで、クローラーはそのページの内容や構造を正しく認識しやすくなり、結果的にSEOにもいい影響を与えることにつながるのです。
読者が記事の内容を理解しやすくなる
またh1タグを先頭に配置し、内容を端的に分かりやすく表示することで、読者はひと目で、そのページに何が書かれているのかを理解しやすくなります。
分かりやすいタイトルや読みやすいページは、読者の滞在時間を長くし、離脱を防ぐなど満足度アップを後押しします。
読者の満足度が高いコンテンツは、検索エンジンからも高く評価されるためSEOにも有効です。
h1タグに関するよくある質問
最後にh1タグについてのよくある質問にお答えしましょう。
h1タグの確認方法はある?
コンテンツ内で使用されているh1タグはソースコードで確認できます。
キーボードの「Ctrl+U」でソースコードを表示し、「Ctrl+F」で「h1」と検索すれば見つかります。
「ラッコツールズ」(登録不要・無料)の「見出し(hタグ)抽出」なら、調べたいサイトのURLを入力するだけで、hタグをすべて表示してくれるので便利です。
さらに文字数やアクセス数、ディスクリプションなども確認でき、抽出されたデータはCSV形式でダウンロードも可能です。
h1タグを非表示にすることはできる?
h1タグに「class」などの属性をつけ、CSSの「visibility hidden」や「display none」などのプロパティを使えば非表示にできます。
ただし、何か特別な目的がある場合は非表示にしてもいいですが、その結果、読者にとってページのタイトルや内容が分かりにくくならないような配慮も必要になるでしょう。
h1タグに画像を使っても大丈夫?
HTMLのルールとしてはh1タグに画像を指定しても問題はありませんし、SEOの観点から何かのペナルティを受けることもありません。
画像をh1タグに入れる場合は、alt属性を記述しておきましょう。
Googleのアルゴリズムでは画像から内容を正確に把握することはできず、画像につけられたalt属性から内容を判断するためです。
ただ、h1タグに入れられた画像のalt属性を、Googleがh1の内容として認識するのか、あるいは通常の画像のalt属性と同一と認識するのかは分かりません。
HTMLのルールでは可能ですが、hタグの本来の役割は文章の構造を示すことなので、画像よりテキストのほうが適切といえます。
SEOの点から見れば、h1タグにはテキストを入れたほうがいいでしょう。
h1タグを適切に設置してSEOの悪影響を避けよう
今回紹介したh1タグの適切な使用方法は以下のとおり。
- 原則として記事の冒頭でのみ使用する
- hタグ(h1~h6)の最初に使用する
- 対策キーワードを含める
- 各ページ独自の内容にする
- キーワードを過度に詰め込まない
- 分かりやすく簡潔に書く
- 内容と無関係な記述をしない
h1タグの使用回数や場所がSEOに直接的な影響を与えることはありません。
しかしページの構造を体系化し、読者や検索エンジンがコンテンツの文章構造や内容を正確に理解しやすくするためには、h1タグを適切に使用することが大切です。
その結果、間接的にSEO評価にいい影響を与えることになります。
逆にh1タグの使い方を間違えると、SEOに悪い影響を及ぼすことになるため、特別な目的がない限りは、適切に設置することを意識しましょう。