カニバリゼーションにSEO的な影響は?問題点は?特定方法から対策までまるっと解説!

検索結果の順位を下げる原因にもなるカニバリゼーションは、同じWebサイト内で同じキーワードや内容のコンテンツが重複していることで起こります。

今回は、このカニバリゼーションの問題点と原因の特定方法を解説します。

目次

カニバリゼーションのSEO的な影響

同じWebサイト内のコンテンツ同士で潰し合ってしまい、共食いという意味も持つカニバリゼーションは、SEOにも悪影響を及ぼします。

では、具体的にどのような影響が出てしまうのでしょうか?

検索順位が安定しない

同じWebサイト内で、キーワードや内容が重複したコンテンツを扱うカニバリゼーションが起こると、Googleなどの検索エンジンが正しく評価できなくなってしまいます。

それによって検索結果の順位が著しく低下したり、圏外になるといった、順位が不安定な状態になってしまうのです。

ほかにも、検索結果に複数の同じページが表示されたり、検索するタイミングによって表示されるページが異なるなどのアクシデントが発生します。

狙っている記事が上位表示されなくなる

順位が安定しないということは、検索結果の上位を狙って制作した記事が、上位から外されてしまう可能性もあります。

1つの記事はSEO的に高く評価される内容でも、内容が似通っているなどのカニバリゼーションが起こっていると、評価がもう1つの記事と分散されてしまいます。

評価が分散されることで、本来それぞれの記事が表示されるはずだった順位も、下位になったり圏外になったりしてしまうのです。

被リンクの分散

カニバリゼーションは、評価の分散だけではなく、被リンクの分散の原因にもなります。

被リンクとは、外部サイトに貼られた自社サイトへのリンクのことです。被リンクの数や質は、SEOの評価につながるので重要です。

しかし、カニバリゼーションが起きてしまうと、この被リンクの数なども分散されてしまうので本来得られるはずの評価が得られなくなってしまいます。

例えば、コンテンツAへの被リンクが本来6あるにも関わらず、コンテンツBと内容が似通ってしまったためにカニバリゼーションを起こしたとします。

コンテンツAの被リンクは分散されて、コンテンツAに3、コンテンツBに3と本来よりも少なくなってしまうのです。

こうした被リンクの分散も検索結果の順位を下げてしまう原因になります。

CVの損失機会がある

Webサイト内でユーザーがどのようなアクションをしたかを表すCV(コンバージョン)は、自社サイトをユーザーに見つけてもらうことが大前提です。

しかし、カニバリゼーションが起こって検索結果の順位が低下し、2ページ以降の表示や圏外になればユーザーの目に留まりにくくなります。

そもそもサイト自体を見てもらえないので、CVの損失にもつながります。

ユーザーの混乱を招く

カニバリゼーションが原因で、検索エンジンが評価に迷い検索結果の順位が不安定になると、検索するタイミングで表示されるページが異なるなどのトラブルが発生します。

Webサイトを管理する企業側にもデメリットがありますが、検索したユーザーも見ていて混乱してしまいます。

また、似た内容のページが複数出てくることでどの記事を見ればいいかもわからず困惑するうえに、それぞれの内容が違ったらWebサイト自体の信頼にも関わるのです。

工数の無駄が生じる

同じWebサイト内で、取り上げている内容がほとんど同じコンテンツを作成しても、工数の無駄になってしまいます。

そのコンテンツ作成の時間を、ほかのコンテンツマーケティング業務や新規記事作成に回せた可能性を考えると、もったいなく感じます。

1つのコンテンツ作成には多くの人材や手間・時間がかかっていることを考えると、カニバリゼーションは工数の無駄を生み出す現象といえるでしょう。

カニバリゼーションを引き起こす要因

カニバリゼーションは、SEOへの悪影響や工数の無駄を生み出してしまう現象です。発生しないように予防するためには、まず何が原因で起こるのかを知っておきましょう。

検索意図が近いキーワードを選定している

検索意図とは、ユーザーが何を調べたくてその検索キーワードを使ったのかを表します。
キーワード選定のときに、この検索意図が近いキーワードを複数選んでしまっていると、カニバリゼーションの原因になるので注意しましょう。

例えば、「今年の秋服の流行が知りたい」と思ったユーザーが、検索するときに使うキーワードとしては「秋服 流行」などが多いでしょう。

この場合、コンテンツAに「秋服 流行」のキーワードを選定し、コンテンツBに「秋服 人気」と設定してしまうとカニバリゼーションを起こす可能性があります。

まったく同じキーワードを使っていなくても、近い意味のキーワードだと内容も自然と似通ってしまいます。

キーワード選定時には、こうした検索意図にも注意が必要です。

ページタイトルが似ている

内容が違っていても、ページタイトルが似ているとカニバリゼーションが起こるケースがあります。

「内容が違っていれば問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、SEOにおいてページタイトルは重要なポイントです。

ページタイトルは、記事の内容のダイジェスト版といっても過言ではないので、SEOの評価でもタイトルページはとくに重要視してチェックされます。

似たタイトルページが重複していると、記事の内容と同様に検索エンジンが評価に迷って、評価が分散されるなどの現象が起こってしまうのです。

ページタイトルがSEOに与える影響や検索エンジンに効果的な決め方について、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

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内容の同じ見出しの記事がある

記事全体ではなくても、内容が同じ見出しの記事があっても、カニバリゼーションは起こってしまいます。

同じ内容の見出しがあるということは、記事の傾向が似通っている可能性が高いといえます。

カニバリゼーションは、記事の内容だけではなく、検索意図が似ている場合も起こるので「一部似ているだけなら大丈夫」というわけにはいかないのです。

アンカーテキストやalt属性でキーワードの使い回し

リンク先を説明するテキストであるアンカーテキストやalt属性のようなHTMLタグを使いまわすことも、同じコンテンツとして扱われる原因になります。

検索エンジンは、本文の内容だけではなく、URL内のキーワードや画像の説明テキストを設定するalt属性も評価対象として見ています。

多少同じキーワードがある程度なら問題ありませんが、類似したキーワードがあまりにも多いとカニバリゼーションが起こってしまうので注意しましょう。

カニバリゼーションの確認方法

SEOにも影響するので、カニバリゼーションが起こっていたら、早めに対処することが大切です。

そこで、カニバリゼーションの確認方法をご紹介します。

Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソールとは、サイト名を登録しておくことで、自社サイトのインデックス数などの状況を簡単にチェックできる無料ツールです。

Googleのアカウントがあれば気軽に使用可能なので、新しくアカウント登録などをする必要がありません。

Googleサーチコンソールの検索パフォーマンスから、検索結果を選択し、カニバリゼーションの疑いがあるキーワードを設定します。

結果に複数のページが表示されたり、表示回数が似ていたりしたら、カニバリゼーションが起こっていると思ってよいでしょう。

site:コマンド

検索フォームで「site:調べたいサイトのドメイン名 カニバリゼーションの疑いがあるキーワード」と入力して検索しても、カニバリゼーションが起こっているかどうかの確認ができます。

検索エンジンを使うので、無料で利用でき、指定したドメインのサイトの全ページが調べられます。

目的のページが検索結果の上位に出てこなければカニバリゼーションを疑いましょう。

ただし、あくまでも簡易的な調べ方なので、より詳細な情報を調べるならGoogleサーチコンソールがおすすめです。

GRC

GRCは、有料の順位計測ツールです。確認したい記事のURLと日付ごとの順位が確認できます。

順位を表すグラフが極端に低下していたり、計測対象のURLが変わっている部分がある場合はカニバリゼーションの可能性が高いです。

GRCは、カニバリゼーションの調査以外にも、キーワードや競合サイトの分析などもできるので、コンテンツマーケティングで大いに活躍します。

Ahrefs

Ahrefsは、Googleスプレッドシートのテンプレートにデータを貼りつけるだけで使える有料ツールです。

データを入力するとキーワードやページのURLが表示されますが、カニバリゼーションが起こっている場合、統一性のないURLが混ざっています。

目視する必要があるので、量が多いと大変ですが、効率的にカニバリゼーションの発生を見定められます。

カニバリゼーションの対処法

カニバリゼーションが起こっていることが分かったら、どのように対処したらよいのでしょうか?ここでは、対処法について解説します。

重複コンテンツの削除

カニバリゼーションが起こっていたら、まず重複コンテンツを削除しましょう。

重複コンテンツがカニバリゼーションの原因なので、削除しないことには順位の不安定などの解決ができません。

削除するときは、順位やアクセス数・CV率などの高さをそれぞれ確認して、どのコンテンツを残すのかを決めておきましょう。

301リダイレクトでコンテンツを統合する

301リダイレクトは、重要度の低いコンテンツを重要度が高いコンテンツに移植することをいいます。

記事の内容がそっくりそのまま重複しているわけではないのなら、削除してしまうよりも1つのコンテンツにまとめてしまう方がベターです。

301リダイレクトすれば、それぞれの評価もまとめられるので、可能な限り削除ではなく301リダイレクトを選択する方がおすすめです。

canonicalタグで正規化を行う

canonicalタグは、検索エンジンに評価対象にしてほしい記事を知らせるためのものです。

複数あるコンテンツのなかで1つだけcanonicalタグを設定することで、「この記事は上位表示してほしい記事」と、重複したほかのコンテンツと差別化ができます。

ほかのコンテンツを削除したり、移植させたりする必要がないので、上位表示させた記事以外もユーザーに見てもらえるのです。

「1つの記事を上位表示させたいけど、ほかのコンテンツも削除したくない」というときに使いましょう。

noindexで対応する

noindexタグを設定しておくと、設定された記事は検索エンジンにクロール(SEO評価のために内容をチェックすること)されなくなります。

canonicalタグが評価してほしい記事に設定するのに対して、noindexタグは、逆に評価から外してほしい記事に設定します。

noindexタグが設定された記事は削除しなくても、検索エンジンにもユーザーにも認識されない透明人間のような存在になるのです。

対策キーワードで評価されるようにリライト

対策キーワードではなく、自社サイトへの流入を促したキーワードが重複してカニバリゼーションを起こしている場合は、対策キーワードで高く評価されるように記事をリライトしましょう。

キーワードの選定や検索意図の分析をやり直して、コンテンツの修正やほかのコンテンツとの差別化を図りましょう。

カニバリゼーションを予防する方法はある?

そもそもカニバリゼーションが起こらないように、予防できるのであれば、それに越したことはありません。

ここでは、カニバリゼーションを予防する方法をご紹介します。

制作前のキーワード戦略

制作前のキーワード選定を適切に行うことが、カニバリゼーションを防ぐうえで非常に有効です。

ユーザーの検索意図がほかの記事と被らないように、絞り込みましょう。

例えば、「カレー レシピ」と「カレー 材料」では「カレーを作りたい」というユーザーの検索意図が重複してしまいます。

しかし、「カレー レシピ」と「カレー お店」であれば、「カレーを作りたい」と「お店のカレーが食べたい」という意図にそれぞれ違いが出ます。

このように、あらかじめキーワードや検索意図が重複しない戦略を立てておきましょう。

内部リンクの最適化

アンカーテキストや画像リンクのalt属性タグを、適切に設定することも重要です。

とくにアンカーテキストには対策キーワードなどを盛り込むと、検索エンジンにキーワードとの関連性の強さをアピールできます。

ただし、アンカーテキスト・alt属性タグともに、ほかのコンテンツと似たキーワードを含めないように注意しましょう。

SEOカニバリゼーションと重複コンテンツの違いは?

SEOカニバリゼーションは、たまたま同じサイト内のコンテンツの内容が酷似してしまった場合をいいます。

それに対して重複コンテンツは、意図的に同じ内容のコンテンツを掲載している場合をさし、カニバリゼーションよりも重いペナルティが課されることもあるのです。

一見同じ意味にも思えますが、実際は似た記事か、そっくりそのまま同じ記事かで大きく異なります。

カニバリゼーションを解消して評価を高めよう

カニバリゼーションは、検索結果の順位を不安定にしたり、ユーザーからの信頼を損ねたりとSEOの効果に悪影響を及ぼします。

GoogleサーチコンソールやGRCなどのツールを活用して、早めにカニバリゼーションを見つけましょう。

解消方法には「重複コンテンツを削除する」「重複コンテンツと本命のコンテンツを合体させる」「それぞれのコンテンツを残す」など、目的によって適した方法が変わってきます。あらかじめ方針を決めておきましょう。

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