検索順位ごとのクリック率|CTRとSEOの関係は?キーワードの傾向と改善方法

SEOを考える場合、検索結果の上位表示ばかりが目的と捉えられがちです。しかし実際は、サイトや広告がユーザーからクリックされ、閲覧されるかどうかも重要なポイントです。

それを測る指標として重要視されるのがクリック率(CTR)。広告や検索結果の、表示回数におけるクリック回数の割合を示した数値です。

本記事では、検索順位ごとのクリック率について取り上げます。クリック率の概要をはじめ、改善するための対策や考え方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

検索順位のクリック率(CTR)とは?

検索順位のクリック率(CTR=Click Through Rate)とは、広告や検索結果が表示された回数のうち、実際にユーザーがクリックした割合を数値として表したものです。

計算方法は「クリック回数÷ページの表示回数」で示されます。例えば、10,000回表示された広告・検索結果が、100回クリックされた場合、クリック率は1.0%と算出されます。

ここでは実際のクリック率を参照しながら、その状況や傾向について見てみましょう。

2021年の検索順位別のクリック率

下記は、seoClarity(SEOクラリティ)の大規模な調査による、2021年11月時点の検索順位別のクリック率を表したものです。

スクロールできます
検索順位クリック率
1位13.94%
2位7.52%
3位4.68%
4位3.91%
5位2.98%
6位2.42%
7位2.06%
8位1.78%
9位1.46%
10位1.32%
2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO

こちらの調査はさまざまな国を対象に行われ、上記のデータは日本の結果を表したものです。実に170億以上のキーワード、7,500億以上のインプレッションを対象に調査が行われました。

この結果を考察し、検索順位とクリック率の関係について分析してみましょう。

検索順位1位と2位のクリック率の差

検索順位1位のクリック率が13.94%、検索順位2位のクリック率が7.52%となっており、この数値は海外の国と比べても高い傾向にあります。

さらに1位と2位の差は6.42%もの乖離があり、これは2位と3位の差(2.84%)と比べても顕著な数値です。それほど、検索結果において1位に表示されることが、クリック率にも大きな影響を与えることがわかります。

順位間の差に違いこそあれ、すべての国に共通することは、検索順位が上がれば上がるほど、クリック率も上昇するということです。

ただし、支持を集めるサイト・広告を構築するには、上位表示の大切さを知るだけでなく、ユーザーからクリックされる要因についても理解しておく必要があるでしょう。

検索のクリック率には傾向がある

ここでは検索のクリック率に見られる傾向について説明します。

この傾向を把握していれば、記事や動画などのコンテンツ制作や、ネット広告を作成する場合などに、クリック率を意識した施策が加えられるはずです。

キーワードの種類や性質でクリック率は変化する

検索されるキーワードの種類や性質によっても、クリック率は変化します。

一概にキーワードといっても、当然それぞれの言葉の持つ意味合いや、ユーザーが求めている情報の性質は異なります。

例えば、「Amazon」「iPhone」のような特定のサービスやブランドを指名したキーワード(ブランドキーワード)は、非ブランドキーワードよりも1位、2位表示のクリック率が高い傾向が見られます。

あるいは検索クエリによってもクリック率は変わります。「パソコン 購入」といったBuyクエリ(買いたいという検索ワード)は高いクリック率を記録したのに対して、「SEOとは」のようなKnowクエリ(知りたいという検索ワード)の場合、クリック率は低い傾向が見られます。

これは検索結果の表示画面で、強調スニペット(ページの内容を示す抜粋表示)などを通し、サイトへアクセスしなくても情報収集できてしまうことなどが理由としてうかがえます。

ロングテールはクリック率が高い

ロングテールキーワードとは、複数のワードが組み合わされたキーワードを指し、検索ボリュームが少ないことが特徴です。このロングテールキーワードにはクリック率が高く、かつ検索順位が下がっても、クリック率の下がり具合が緩やかな傾向が見られます。

検索ワードが少ない場合、当然表示される検索結果には幅広い情報が表示されます。それに対し、複数語を組み合わせたロングテールキーワードでは、表示結果はよりユーザーの求める情報に絞られ、クリックされる可能性が高まります。

購買や契約に関わるキーワードはクリック率が高い

ユーザーの検索意図やニーズによってもクリック率は変化します。例えば、「PC 購入」や「SEOツール 申し込み」「自動車保険 比較」のような購入・契約を意図した検索ワードはクリック率が高い傾向が見られます。

コンテンツ制作などでクリック率を意識する場合は、ユーザーの検索意図にも注目する必要があるでしょう。

ジャンルによってもバラつきがある

サイトや広告のジャンル・業界によっても、クリック率にバラつきが見られます。

例えば教育系のジャンルは、ビジネス系ジャンルよりもクリック率が高い傾向が見られます。あるいはリスティング広告などにおいては、恋愛・出会い系のジャンルが高いクリック率を記録しました。

自社サイトのクリック率を評価する場合は、該当するジャンル・業界の平均的なクリック率について理解しておく必要があります。

クリック率を確認する方法

クリック率の確認には、Google Search Consoleを使用します。Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」を選択すれば「平均CTR」が表示されるはずです。

このページでは「クエリ」「ページ」「国」「デバイス」などについてもチェックが可能。平均クリック率だけでなく、キーワードやページ、ユーザーの国、使用したデバイスごとのクリック率を分析できます。

クリックされたのが、モバイル上かデスクトップ(PC)上かといった点は、広告配信などにたいへん参考になるはずです。調査期間も指定できるため、クリック率の変遷などについても確認するとよいでしょう。

クリック率を向上させるためには、Google Search Consoleのグラフなどの資料を細かく分析し、調査結果を踏まえ、的確な改善策を判断することが大切です。

検索クリック率を上げる施策

ここでは、具体的なクリック率を上げるための施策を紹介します。

これらの項目は、ユーザーが検索エンジンを利用する際の心理を考慮したものであるため、さほど大きな労力を必要とせずとも、改善が期待できるでしょう。

タイトル・メタディスクリプションの変更 

タイトルやメタディスクリプション(記事の概要文)を変更することで、クリック率のアップが狙えます。

タイトルやメタディスクリプションは、ユーザーがサイトや広告を選定する際の基本的な要素。それがユーザーの知りたい情報、検索意図に合致しているかどうかがカギです。

ユーザーにとってのベネフィットを探り、それをタイトルやメタディスクリプションに含めることは効果的な対策です。ユーザーが何を知りたいのか、情報を得た結果どのような状態を得たいのかなどの意図を予想し、それをタイトルに込めます。

あるいは「○○が500%改善!」「今人気の○○が無料!」「○○を叶えるたった3つの方法!」など印象的・魅力的なフレーズを加えることもクリック率の改善が見込めます。(当然その内容は吟味が必要です。)メインのキーワードに類する関連語を含めるのもよいでしょう。

強調スニペットに採用されるように最適化する

強調スニペットに採用されれば、クリック率は大幅に向上するでしょう。

強調スニペットとは、検索キーワードへの端的な回答を、検索結果画面上段の特別な枠に生成する仕組みのこと。ユーザーにとっては、オーガニック検索(通常の検索結果)よりも先に、強調スニペットが目に留まります。

強調スニペットに表示されるためには、ユーザーの疑問点への簡潔な回答を文頭に配置し、適切なテキスト量で記述するなどの対策が必要です。HTMLタグでの答えのマークアップや、そもそも強調スニペットが生成されやすいキーワードを狙うなどの工夫も効果的です。

強調スニペットに採用されるのは簡単ではありませんが、クリック率改善のために、コンテンツの構造を見直すのは有効です。

更新日を最新にする

サイトの更新日を最新にすることも、クリック率を上げる重要な施策です。

更新日はURLなどと一緒に検索結果画面にも表示され、ユーザーがサイトを選ぶ際の基準になります。

特に内容が時間経過とともに更新されるようなキーワードの場合、ユーザーは最新情報を求めるでしょう。結果的に更新日が最近のものが、クリック率が高まります。

ただし、中身を変えずに更新日だけ最新にして公開するのはNG。かえって検索順位が落ちる場合があるので注意が必要です。

検索クリック率(CTR)が上がるとSEO効果はある? 

GoogleのSERPs(サープス=検索結果ページ)は、独自のアルゴリズムにより表示ランキングが決定されていますが、クリック率と検索順位の関連性について、Googleは明確な回答を示していません。ただし、クリック率のアップは、検索順位にも影響があることが想定されます。

その大きな要因とされるのがユーザー行動。クリック、スクロール、滞在時間など、ユーザーがWebサイト上で実施した行動が、Googleのアルゴリズムに組み込まれているのではないかという意見がSEO専門家より挙がっています。

いずれにしても、クリック率の改善施策を行うことにデメリットはないため、対策を講じることをおすすめします。

クリック率を改善してトラフィックを稼ごう

本記事では、検索順位ごとのクリック率の傾向や、それを上げるためのポイントなどについて解説しました。

SEO対策や流入数対策を考える場合、上位表示やコンテンツの拡充などが目標となることが多いですが、クリック率もサイトや広告の精度を測る重要な指標といえます。

クリック率への対策を講じるにあたっては、Google検索を行うユーザーの意図を的確にとらえる必要があり、それは結果的にサイトや広告全体の品質アップにつながります。

ぜひ自社のサイトや広告のクリック率を改善し、トラフィックの増加、コンバージョン率の改善を図りましょう。

記事スナイパーはオウンドメディア構築の経験も豊富。

ただ記事を大量生産するだけではなく、マーケティング分析とSEOの知見をかけ合わせ、ターゲットに「刺さる」オウンドメディアの構築をおこないます。

もちろん、記事執筆のご依頼もお受けしますので、1記事からでもご相談ください。

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