SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、Webサイトやコンテンツの可視性を高め、検索エンジンからのアクセスを増やすための重要な戦略です。
そして、成功するには適切なキーワード選定が必要です。
本記事では、SEOキーワード選定のコツを解説し、アクセスを最大化するための5つの手順やおすすめツールなどを紹介します。
SEOにおけるキーワード選定の重要性
SEOにおけるキーワード選定はオンラインプレゼンス(Web上での存在感)を築き、Webサイトやコンテンツを検索エンジン経由で見つけてもらうための施策です。
正しいキーワードを選ぶことはWeb上での成功を左右し、ビジネスやWebサイトの目標達成に直結します。
まずはSEOにおけるキーワード選定の重要性に焦点を当て、その影響力をお伝えしていきます。
そもそもSEOとは
SEOはWebサイトやオンラインコンテンツを検索エンジンの検索結果ページでより上位に表示させる基本プロセスを指します。
具体的には検索エンジン(主にGoogle、Bing、Yahooなど)がWebページをランキングする際に考慮する多くの要因に対策を施すことを意味します。
SEOの主要な目標は、特定のキーワードやフレーズに関連するコンテンツを作成し、検索エンジンで高い順位に表示させることです。
高い検索エンジンランキングを維持することで、Webサイトやコンテンツへのアクセスを増やし、集客につなげることができます。
ユーザーを把握できる
ユーザーが検索エンジンで入力する特定のキーワードやフレーズは、そのユーザーの検索意図や関心事を示します。そのため、SEOでのキーワード選定はユーザーを把握するための重要な手段となります。
例えば、ユーザーが「健康な食事レシピ」と検索する場合、そのユーザーは健康に関する情報や食事のアイデアに興味があると判断できるでしょう。
キーワードを通じてユーザーが何を求め、どのようなコンテンツにアクセスしたいのかを理解することは、Webサイトの最適化にもつながります。
ユーザーの心理・行動がわかる
キーワードはユーザーの検索インテント(検索意図)を示す重要な情報源です。
例えば、キーワード「ヨガマットの選び方」を検索するユーザーは、ヨガに興味があると推測できます。
また、ユーザーが特定のキーワードで検索する背後には、彼らのニーズや問題が存在する可能性があります。キーワード「風邪の症状」を検索するユーザーは、健康上の問題を抱えている可能性が高いです。
そのため、キーワード選定は商品やサービスを届けたいペルソナやターゲット選定にも役立ちます。
SEO対策におけるキーワードの種類
キーワード戦略は単純に「特定の単語を使う」というだけでなく、戦略的かつ多面的なアプローチが求められます。
ここではSEO対策におけるキーワードの種類に焦点を当て、それぞれのキーワードの役割と適切な選定方法について詳しく解説していきます。
ビッグ
月間の検索ボリュームが10,000回以上ある高検索ボリュームのキーワードをビッグキーワードと呼びます。
ビッグキーワードは、関連する業界で競争が激しくなる可能性がありますが、それらをターゲットにすることで多くの検索トラフィックを獲得し、ビジネスの成功に貢献することができます。
ビッグキーワードの例だと、「ダイビングショップ」を運営している会社の場合「ダイビング」や「マリンスポーツ」がビッグキーワードになります。
ブログ初心者や初めてオウンドメディアを運営する方は、まずこのビッグキーワードを把握することから始めましょう。
ミドル
ミドルキーワードとは、通常、月間の検索ボリュームが1,000回以上10,000回未満程度で、通常は2つ以上の単語から構成されるキーワードのことを指します。
ミドルキーワードの特徴として、ビッグキーワードほど広範な関心を持つユーザーにはアピールしないものの、ロングテールキーワードほど検索ボリュームが限定的ではない点があげられます。
ミドルキーワードはより特定のニーズやトピックに関連するキーワードであり、Webサイトのトラフィックを増やすために重要な要素です。
例えば、ダイビング業界でのミドルキーワードの例としては「ダイビング 機材」があげられます。
Google検索で表示されるサジェスト機能でも、このミドルキーワードを知ることは可能です。
ロングテール
ロングテールキーワードは、通常、月間の検索ボリュームが1,000回未満で、通常は3つ以上の単語から構成されるキーワードのことを指します。ロングテールキーワードの特徴として、検索ボリュームが比較的少ないことがあげられます。
また、このタイプのキーワードは、通常、競合相手が少ないか競合がいてもあまり競争が激しくない傾向にあります。
例えば、ダイビング業界でのロングテールキーワードは「ダイビング おすすめ 海」があげられます。
SEOキーワード選定のやり方・手順
競争が激化し、検索エンジンアルゴリズムが複雑化する中で、効果的なキーワード戦略を構築することはますます重要です。ここからは、SEOキーワード選定の方法と手順を解説します。
事業で狙うメインキーワードを決定する
まずは、事業やWebサイトの目的に合致するメインキーワードを選定します。
選定する際には、自社のサービスや製品、ターゲットユーザーのニーズ、競合情報などを考慮しましょう。
例えば、自社が「デジタルマーケティングサービス」を提供する場合、このサービスに関連するキーワードをメインキーワードとして選定します。
メインキーワードを起点に候補を洗い出す
メインキーワードを決定したら、それを起点にして関連キーワードや候補キーワードを洗い出します。これらのキーワードはより具体的なユーザーの検索クエリ(検索語句)に対応するために重要な作業です。
例えば、メインキーワードが「デジタルマーケティングサービス」であれば、候補キーワードに「SEO対策」「SNS広告」「Webデザイン」などが含まれるかもしれません。
キーワードをカテゴリで整理する
洗い出したキーワードを関連性やカテゴリに基づいて整理します。キーワードのカテゴリ分けはコンテンツ戦略を策定する際に役立ちます。
例えば、デジタルマーケティングサービスのキーワードを「SEO関連」「広告関連」「Webデザイン関連」などの複数カテゴリに分類できます。
検索ボリューム・競合サイトをチェックする
キーワードを洗い出したら、それらのキーワードの検索ボリュームと競合度をチェックします。
GoogleのキーワードプランナーやほかのSEOツールを活用して、各キーワードの月間検索ボリュームや競合サイトの上位表示状況やタイトルを確認する方法がおすすめです。
結果として効果的なキーワードを特定しやすくなります。
SEOで対策するキーワードを決定する
最終的に、選定したキーワードの中からSEO対策を行うためのキーワードを決定します。
これらのキーワードは、Webサイトのコンテンツやメタデータ(データに関する付随情報)に組み込む対策の対象となります。
選定基準は検索ボリューム、競合度、自社の目的、ユーザーの需要などを総合的に考慮しましょう。
SEOのキーワード選定のポイント
キーワード選定がSEO戦略の中で果たす役割は非常に重要であり、ポイントを押さえることでWebサイトの上位表示やトラフィック増加を実現できます。
ここでは、SEOのキーワード選定のポイントに焦点を当て、成功するためのステップと戦略を解説します。
サイトの目的を明確にする
SEOキーワード選定の最初のステップは、サイトの目的を明確にすることです。
商品やサービスの認知、新規会員登録や資料のダウンロードといったサイトの目的は、ビジネスやコンテンツ戦略に直結します。
例えば、自社が「デジタルマーケティングサービス」を提供する場合、目的はそのサービスを宣伝したり顧客を獲得したりすることです。
サイトのテーマを統一する
キーワード選定において、サイトのテーマを統一することは重要です。サイト全体が一貫性のあるテーマを持つことで、検索エンジンやユーザーから信頼性が高まります。
選定したキーワードは、サイトのテーマに関連し、一貫性を保つために活用されるべきです。
例えば、Webサイトが「ヘルステックサービス」に関する情報を提供する場合、キーワードは「ヘルステック」「健康管理」「ウェアラブルデバイス」など、テーマに沿ったものであるべきです。
ターゲットを設定する
キーワード選定においてターゲットユーザーを明確に設定することは不可欠です。ターゲットユーザーの特性やニーズを理解し、彼らがどのような検索キーワードを使用する可能性が高いかを考慮します。
ターゲットを知ることで、彼らが使う言葉や検索クエリを把握しやすくなります。
例えば、ターゲットが「健康意識の高い30代女性」であれば、それに合致するキーワードを選定することが必須です。
ユーザーが使う言葉を選ぶ
キーワード選定においてユーザーが使う言葉を選ぶことは重要です。
理由としてはユーザーが実際に検索エンジンで入力するクエリやフレーズを理解することで、サイトが彼らのニーズに合致し、上位表示される可能性が高まるからです。
ユーザーの使用する言葉選びは、ユーザーインテントと密接に関連しており、SEO対策の成功の鍵です。
ユーザーが「健康な食事のレシピ」と検索する場合、このような具体的なフレーズをキーワードとして選定するとよいでしょう。
SEOキーワード選定・分析におすすめなツール
幸いなことに数多くのSEOツールが利用可能であり、効果的なキーワードの選定と競合分析を支援してくれます。
SEOキーワード選定と分析におすすめなツールを紹介しますので、使い方やメリットについてみていきましょう。
キーワード候補探し
どのようなキーワードがよいかを自動かつ無料で探せるツールを2つ紹介します。
ラッコキーワード
ラッコキーワードはSEO対策において新しいキーワードのアイデアを発見するのに役立つツールです。
このツールは、関連キーワードを提供し、新しいコンテンツのアイデアを探すのに役立ちます。
例えば、自社が「健康サプリメント」を販売している場合、ラッコキーワードを使用して「ビタミン不足の症状」や「健康食品の種類」などの関連キーワードを見つけることができます。
Googleキーワードプランナー
GoogleキーワードプランナーはGoogleが提供する無料のツールで、キーワードの検索ボリュームを確認し、関連キーワードを取得できます。
このツールはSEOキーワードの選定において非常に役立ちます。例えば、特定のキーワードに対する検索ボリュームを確認して、競合の激しさやキーワードの人気度を把握することができます。
また、提案される関連キーワードを活用して、新たなコンテンツのアイデアを得ることも可能です。
流入キーワードの抽出
ユーザーのトラフィック源もキーワード選定の重要な情報源です。流入キーワードの抽出には次のツールがおすすめなので、参考にしてください。
Google Search Console
Google Search Console(Googleサーチコンソール)は自社Webサイトのパフォーマンスを追跡し、検索エンジンからのトラフィックに関する情報を提供するツールです。
このツールを使用して、ユーザーが自社サイトにどのようなキーワードでアクセスしているかを把握できます。これにより、Webサイトのコンテンツを最適化し、トラフィックを増加させるための戦略的な対策が可能です。
例えば、特定のキーワードでのランキングやクリック数を確認し、それに基づいてコンテンツを改善する施策を打ち出すこともできます。
Ahrefs(有料)
Ahrefs(エイチレフス)は競合サイトの分析やバックリンク(他のWebサイトから設置されたリンク)の確認など、包括的なSEO対策を支援する有料ツールの一つです。
Ahrefsは競合サイトがどのキーワードでトラフィックを獲得しているかを把握することができます。
また、Ahrefsはキーワードの検索ボリュームや難易度を確認し、最適なキーワードを選定するだけでなく、競合がキーワードをどのように活用しているかといった発見にも貢献します。
検索ボリューム確認
検索クエリがどのくらいのボリュームなのかを把握するツールもあります。代表的な2つのツールを紹介します。
Googleキーワードプランナー
先述のとおり、Googleキーワードプランナーは検索ボリュームの確認に役立つツールです。
特定のキーワードに対する月間の検索回数を把握し、キーワードの人気度を理解するのに適しています。この情報は、選定したキーワードがどれだけのトラフィックを期待できるかを把握するために非常に重要です。
Ubersuggest
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)はキーワードの検索ボリュームや競合度などの情報を提供する無料ツールです。Googleのアルゴリズム変更に追従しており、正確なデータを提供します。
Ubersuggestを使用することで検索ボリュームを確認し、競合分析をすることも可能です。
その他
ユーザーの顕在・潜在ニーズをとらえることも、キーワード選定には重要です。
ここでは代表的な2つのツールを紹介します。
Googleトレンド
Googleトレンドは、特定のキーワードの検索トレンドや地域別の検索パターンを把握するのに役立ちます。
キーワードの人気度が季節や地域によって変動する場合、Googleトレンドを利用してその変動を把握し、コンテンツの方向性を考え直す機会にもなります。
Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋はユーザーが質問し、回答するプラットフォームです。
そのため、特定のキーワードに関連する質問や議論を調査し、ユーザーの意図を把握するのに有効です。
SEOのキーワード選定後の注意点
SEOのキーワード選定はWebサイトの成功に不可欠ですが、それだけで終わりではありません。選定したキーワードを効果的に活用し、上位表示を維持するためにはいくつかの重要な注意点があります。
最後にキーワード選定後に必要な注意点について解説します。
コンテンツ制作はロングテールから実施する
ロングテールキーワードからコンテンツ制作を始める際の一般的な手順は以下のとおりです。
競合度が低く、かつ自社のニーズに合ったキーワードを選びます。
選定したキーワードに基づいて有用な情報や製品に関するコンテンツを制作します。
コンテンツ内で選定したキーワードを自然に使用し、メタデータや見出しタグなども最適化します。
コンテンツが読みやすく、ユーザーにとって価値のある情報を提供するようアップデートします。
制作したコンテンツの効果をモニタリングし、トラフィックやコンバージョンの改善が見られた場合、同様のアプローチをほかのロングテールキーワードにも適用してスケーリング(範囲を拡大)します。
キーワード選定は継続的に実施する
検索エンジンのアルゴリズムは定期的に変更されます。結果として検索結果のランキング要因やキーワードの重要性に影響が及ぶことも多いです。
そのため、一度のキーワード選定だけでなく、定期的な見直しと最適化を繰り返すことがサイト運用には重要です。
持続的なトラフィックとコンバージョンの維持・向上を目指して定点的なチェックを行いましょう。
検索順位は定期的に確認する
定期的に検索順位をチェックすることで、自社のSEO戦略の効果を評価できます。
どのキーワードが上位にランク付けされ、どのキーワードが改善の余地があるかを把握し、戦略を最適化していきましょう。
また、競合他社の動向を把握することは重要です。競合が特定のキーワードで上位にランク付けされている場合、それに対抗する戦略も考えなければなりません。
正しいキーワード選定で結果の出るサイトを目指そう
SEOキーワードの調査と選定作業は一度の作業で仕上がることはありません。
本記事でお伝えしたプロセスで得られるのは、あくまで出発点です。実際のWebサイト運営においては、分析と効果測定を継続的に行い、「記事は目指すキーワードを対象にしているか」「キーワードの漏れはないか?」をブラッシュアップしていくことが必要です。
適切なキーワード選定を行い、インターネット上でのサイト価値をあげていきましょう。