インターネットで情報を探す際、ほとんどのユーザーは検索エンジンを頼りにします。
そして、検索結果の上位に表示されるWebページには多くのアクセスが集まります。そのため、上位表示とアクセス数の密接な関係性を理解すれば、誰でも自社のホームページやオウンドメディアなどの可視性を高められるのです。
そこで本記事では効果的なSEO戦略について解説していきます。企業のWeb担当者や個人でブログ運営をされている方は、ぜひ参考にしてください。
検索上位とアクセス数の相関関係
検索エンジンの掲載結果に表示されるWebサイトは、上位にランクされたものほど多くのアクセスを集めます。これは自然現象ではなく、しっかりとした理由が存在しています。
まずは、検索結果とアクセス数の間にどのような相関関係が存在しているのか見ていきましょう。
アクセス数が検索上位の条件ではない
GoogleやYahoo! といった検索エンジンのアルゴリズムは、多くの要因を考慮しています。そのため、アクセス数だけがランキングに影響するわけではありません。したがって、PVやアクセス数を増やそうと奇をてらったタイトルをつけても、掲載順位がそれだけで上がるわけではありません。
検索上位を獲得できた結果アクセス数が増える
検索エンジンの上位表示されるWebサイトは、ユーザーがすぐ見つけられる目立つ場所にあります。結果としてユーザーが検索しているキーワードで上位にランクされると、クリックされる可能性は高まります。しかし、その後のアクセス数の増加はコンテンツの品質や競合状況、トレンドなどにも影響されるので、持続的なマーケティング戦略は必須です。
アクセス数の増加が評価の時間短縮になることもある
多くの方がWebサイトにアクセスし、そのコンテンツの品質が高く、かつユーザーの検索ニーズに合ったものであれば、Googleによって評価される時間が短縮されることがあります。しかし、前述のとおりアクセス数を増やすだけでは、検索順位がランクアップするわけではありません。あくまで検索エンジンに評価してもらう質の高いコンテンツであることが重要です。
検索結果によるアクセス数の違い
国や地域によって違いはありますが、一般的に検索エンジンの結果ページで1ページ目に表示される検索順位10位以内の記事が、検索ユーザーの20%にクリックされることがわかっています。具体的な検索結果の順位を見てみると、1位になると約14%、2位になると約7%のアクセス数となっています。つまり、検索順位が上がるにつれてクリック率が高まるということです。しかしながら、上位にランクされることが必ずしも多くのアクセス数を意味するわけではなく、クオリティの高いコンテンツと効果的なSEO戦略がサイト運営には重要です。
位置 | 日本CTR(クリック率) |
1 | 13.94% |
2 | 7.52% |
3 | 4.68% |
4 | 3.91% |
5 | 2.98% |
6 | 2.42% |
7 | 2.06% |
8 | 1.78% |
9 | 1.46% |
10 | 1.32% |
11 | 1.03% |
12 | 1.00% |
13 | 1.07% |
14 | 1.34% |
15 | 1.65% |
16 | 2.19% |
17 | 2.54% |
18 | 2.83% |
19 | 2.91% |
20 | 2.85% |
引用:2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO
検索上位を獲得するための内部対策
Webサイトの内部対策はSEO戦略の一つです。具体的にはWebサイト自体の構造やコンテンツ、およびそのほかの要因を最適化するプロセスを指します。
ここでは、検索上位を獲得するための施策として、内部対策の重要性と具体的な対応方法を紹介します。
タイトルタグや見出しタグを設定する
タイトルタグにターゲットの検索キーワードを含めることで、検索結果でのランキング向上が期待できます。実際、タイトルタグを設定するだけでも、Webページの順位が大きく変わることがあります。そのため、コンテンツ作成や記事のリライトを行う際にはタイトルタグと見出しタグの設定を徹底しましょう。
メタディスクリプションを設定する
メタディスクリプションとは、Webページの内容を100字前後で簡潔に説明するためのタグです。タイトルタグと同様に、メタディスクリプションも検索エンジン結果に表示され、ユーザーに対して情報提供を行います。Googleもメタディスクリプションの設定をおすすめしているため、ぜひ行ってください。
内部リンクの最適化を図る
内部リンクの最適化は、WebサイトのユーザーエクスペリエンスとSEO向上に重要な施策です。トピッククラスター(記事の戦略的グルーピング)を構築して関連コンテンツをリンクすることで、ユーザーがより詳しい情報を見つけやすくなり、検索エンジンにも専門性が伝わります。
同時に、登録や購入といった獲得への導線にもなるため、会社が目的としたユーザーアクションも促進します。結果としてこれらのアプローチは、WebサイトのPVやアクセス増加に寄与し、売上拡大につながるのです。
検索上位を獲得するための外部対策
検索エンジンでの高いランキングの達成や維持のためには、内部対策だけでなく外部対策も欠かせません。続いて効果的な外部対策戦略と、その重要性について解説していきます。
被リンクを獲得する
被リンクの存在は検索エンジンによるWebページの評価において極めて重要です。
被リンクとは、ほかのWebサイトから自分のWebページへ直接リンクされている状態のことです。例えば、ほかのサイトが自分のコンテンツを参考にして該当コンテンツへのURLを貼っている場合、それが被リンクとなります。なお、被リンクは多いほど検索エンジンはそのWebページの信頼性が高いとみなし、検索結果のランクアップに寄与します。
ただしSNSからの被リンクは通常影響しません。
なぜなら、SNSからのリンクには「nofollow属性」と呼ばれる属性が設定されており、この属性によって検索エンジンにリンク先のページを評価しないように指示されているためです。
サイテーションを獲得する
サイテーションはSEO戦略に非常に効果的です。
サイテーションとは、ほかのWebサイトやプラットフォームで自分のWebコンテンツが言及されていることを指します。例えば、あるブログ記事が同じトピックの情報サイトで好意的に紹介されたり、SNS上で共有されたりする場合、これらはサイテーションとしてカウントされます。
つまり、より信頼のおけるWebサイトとしてGoogleに評価されやすくなるので、検索順位も上がりやすくなるのです。しかしながら、ネガティブな言及が多ければ、その分サイトの信頼性が落ちるため、評価が下がるおそれもあります。
このようにサイテーションには一定のリスクが伴うことも覚えておきましょう。
検索上位を狙うときの注意点
検索エンジンのアルゴリズムは複雑で競争が激しいため、慎重な戦略と注意が必要です。
ここからは検索結果の上位を狙う際に押さえておくべき注意点をお伝えします。ターゲットのコンバージョンやクリック率を上げるためにも、しっかりチェックしてください。
質の高いコンテンツを作る
ユーザーに寄り添った質の高いコンテンツは重要なSEO戦略の一つです。
Googleの評価は複雑なアルゴリズムにより決まっており、詳細は明かされていません。
しかし、Webサイトに対するユーザーの行動(ページのクリック率や滞在率、直帰率、離脱率など)が要素の一つとして考慮されています。
そのため、読者の抱える悩みや問題、ニーズに応えるメリットあるサイト構築、またE-A-T(Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)を含むこともGoogleの評価を上げ、サイト流入数増加のためには重要な要素です。
モバイルフレンドリーにする
モバイルフレンドリーなWebサイトを構築することは、ページエクスペリエンスの最適化に非常に役立ちます。モバイルフレンドリーとは、スマートフォンなどのモバイル端末で快適に閲覧できるWebサイトを指します。これは、Google検索で上位表示させる武器です。
2015年以降、PCとモバイルデバイスからの検索数が逆転し、今ではモバイルからの検索数の方が多くなっています。
そのため、多くのWeb広告もモバイル表示で破損しないよう最適化を実施しています。このようにWebサイトをモバイルフレンドリーにすることはもはや必須の対策。
自社のサイトやページがモバイルフレンドリーかどうかは、Googleが無料で提供している「モバイルフレンドリーテスト」を利用することで確認できます。
ページの表示速度を上げる
高速なページ読み込みはユーザーエクスペリエンスを向上させ、検索エンジンのランキングにもプラスの影響を与えます。具体的にはイメージやファイルの圧縮を使用してページサイズを軽減するのがおすすめです。これによりページの読み込み速度が向上します。
ほかにも、HTMLやCSS、JavaScriptのコードを最適化し、不要な要素を削除してページの速度を上げる方法もあります。
公開直後は上位表示されにくい
Googleは新しいコンテンツをランキングする前に、そのコンテンツの品質や信頼性を評価する必要があるため上位表示には時間がかかります。比較的上位表示されやすいキーワードもありますが、競合と被らないことはなかなか難しいでしょう。
そのため公開直後はGoogle Search Consoleを使用し、クローラーがWebサイトをどのように巡回しているかを分析し、改善策を打ち出す必要があります。
アクセス数を増やす上位表示できるコンテンツ作りのコツ
アクセス数を増やすコツは、検索エンジンの上位に表示されるコンテンツを制作することです。ここでは上位表示できるコンテンツを制作する際の重要ポイントを紹介します。
上位表示の記事を増やし全体のアクセス数を底上げする
Webサイトのアクセス数を増やす秘訣の一つは、クリック率の高い記事を増やすことです。また、単一のキーワードに固執せず、複数のキーワードで記事を書くことも効果的。
複数のキーワードに合致する記事はより多くの読者が目にする確率が高まるため、コンテンツの質だけでなく量にもこだわりましょう。
競合が少ない複合キーワードを選ぶ
競合が激しい単一キーワードよりも、複合キーワードを選んで上位表示を狙う方が成功の可能性が上がります。そのため、競合他社よりも自社が優位に立てる専門分野で上位表示を狙いましょう。競合優位性を築く手段になるだけでなく、競合が少ない分野で強力な存在感を持つことはオンラインビジネスの成長にも寄与します。
検索者のニーズを満たすコンテンツを作る
検索者のニーズを理解し、それに応じたコンテンツを提供することがSEO戦略成功の近道です。そのためにも、ヤフー知恵袋やサジェスト(検索窓に表示される提案)を調査し、ユーザーの抱える悩みや疑問を把握しましょう。ユーザーニーズに応えられるコンテンツはユーザーからの評価やリピート率が上がり、結果的にSEO対策にもつながります。
ユーザーファーストのアプローチは、検索エンジンランキングの向上だけでなく、ビジネスの長期的な繁栄にもつながります。可能であれば、潜在ニーズだけでなく顕在ニーズまで網羅できるようなコンテンツを作成すると、より一層読者からの評価は上がるでしょう。
検索上位なのにアクセス数が少ない原因
広告の運用や分析を行っていると、「検索結果上位に表示されてはいるのに、集客が思ったほど増えない」という悩みをよく耳にします。
いったいそれはなぜでしょうか?
最後に、掲載結果は上位にもかかわらず、アクセス数が増えない原因について考察していきます。
キーワードに需要がない
ホームページが上位表示されていても、検索ボリュームが極端に少ない場合があります。
これは、アクセス数が少ない原因としてよく見られる事象です。
例えば、特定のワード「奄美大島で売ってる歌謡曲のカセットテープ」で上位表示を目指すSEO対策を行ったとしましょう。しかし、このキーワードでの検索数が月にわずか30回しかない場合、訪問者数は限られてしまいます。1日に1回しか閲覧がない計算になるので、検索で1位に表示されても当然アクセス数は増えないでしょう。
タイトルやメタディスクリプションに魅力がない
タイトルはコンテンツの第一印象を与える要素です。魅力的で関心を引くタイトルは、ユーザーの注意を引きつけ、クリック率を向上させます。逆に、単調で興味を持たせないタイトルは、検索結果で上位表示されていてもクリックされにくいです。
例えば、先の事例である「奄美大島で売ってる歌謡曲のカセットテープ」よりも「カセットテープ愛好家必見!歌謡曲のお宝は奄美大島に眠ってた」の方が魅力的です。同様にメタディスクリプションも重要です。コンテンツが読者のニーズに合致するかどうかを判断するためにも、メタディスクリプションは手を抜かずに作成しましょう。
検索上位とアクセス数に関するよくある質問
最後によく寄せられる検索上位とアクセス数についての質問を見ていきます。
Googleでアクセス数を調べるには?
GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleなどのツールを使用して、Webサイトのアクセス数やトラフィックに関するデータを追跡できます。
Googleアナリティクスは詳細な情報を提供し、Google Search Consoleは検索エンジンでのパフォーマンスに焦点を当てています。もちろん、Google以外のウェブトラフィック解析ツールもあるので、目的に合ったものを選んで活用してください。
検索エンジンの仕組みってどうなっている?
Googleの検索エンジンは、Web上の情報を集めるために「クローラー」と呼ばれるロボットがWebページ上のリンクを辿り、情報を収集します。
クローラーが収集したWeb上の情報をもとにWebサイトはインデックスに登録され、初めてそのサイトがGoogleの検索結果に表示されるようになります。
このランク付けは、サイトのコンテンツの品質や検索ユーザーのニーズを満たすかどうかなど、Googleの評価基準に基づいて決定されます。
つまり、ランク付けが「ユーザーが検索したときの検索結果の順位」というわけです。
キーワード選定のコツってある?
キーワード選定はSEO対策の基本であり重要施策です。例えば、ペルソナが「料理初心者の主婦」で、検索意図が「簡単なレシピを探している」場合、キーワードとして「簡単な家庭料理のレシピ」を選び、そのキーワードに関連する料理レシピのコンテンツを提供することが効果的です。
ペルソナ設定と検索意図を明確にすることは、結果としてユーザーに有益な情報を提供し、クリック率を向上させます。そのためにもキーワードツールを活用し、検索ボリュームや競争度を確認しながら適切なキーワードを選びましょう。
アクセス数を増やすのに役立つツールってある?
アクセス数を増やすためにはGoogleアナリティクス、ヒートマップツール、といった分析ツールが役立ちます。公式サイトからダウンロードし、無料で使えるものも多いのでぜひチェックしてみてください。アクセス数の増加はWebサイトの成功に不可欠であり、ツールと方法を活用することでオンラインプレゼンスを強化することができます。
ユーザーの利便性×良質なコンテンツで検索上位を狙おう
ターゲットとなるユーザーのニーズを的確に把握し、適切に応えることがWebサイトやブログ成功への近道です。そして、検索エンジンはそのような価値あるコンテンツを評価し、上位表示に反映させてくれます。
ユーザーの利益と良質なコンテンツの提供を心がけ、検索上位を狙う施策を推進しましょう。ビジネス成功への鍵は、常にユーザーの利益を最優先に考えることです。