本記事では、オウンドメディア運営をより効率的に進めていきたい方に向けて、おすすめのツールをお伝えしていきます。
それぞれの費用や選び方についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
WordPressなどのCMSについては、別記事で解説していますので、あわせてご参照ください。
★オウンドメディア CMS
オウンドメディアのツールは何が必要?
まず初めに、オウンドメディア運営において必要なツールの内容をお伝えしていきます。
本記事では、ツールの内容を下記の5つにまとめました。
- アクセス数の解析
- 検索順位
- 自社サイト分析
- 競合分析
- キーワード選定
それぞれどのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。
アクセス数の解析
アクセス数の解析ツールは、オウンドメディアの運営状況を把握するために必要です。
アクセス解析とは、ホームページに訪問したユーザーの行動・属性を分析すること。
施策の効果を検証したり、問題点を把握したりするために効果的です。
具体的には、下記のような項目を調べられます。
- ページ閲覧数
- 訪問者数
- 訪問者の使用デバイス
- 流入キーワード
- サイト内での行動
- 滞在時間
- 離脱率
例えば特定のページだけ離脱率が高ければ、問題点を見つけて改善するきっかけになるでしょう。
ほかにも、滞在時間が長いコンテンツを発見したら、ユーザー受けが良い部分を他の記事に転用できます。
アクセス解析はユーザーの行動を分析し、オウンドメディアの状態を改善する手助けとなります。
検索順位
検索順位のチェックツールは、SEO対策の成果が出ているか判断するために必要です。
Googleで上位表示されているほど、クリック率が高まり、ユーザーに閲覧してもらえる可能性が上がります。
一方で、アクセス数が激減していればアップデートの影響を考慮し、次の施策につなげられるでしょう。
検索順位チェックツールを活用すれば、現段階のオウンドメディアが検索エンジンにどれほど評価されているか可視化できます。
自社サイト分析
自社サイトの分析は、オウンドメディアの問題点を発見し、改善につなげるため必要です。
具体的には、下記のような項目を調べられます。
- 流入経路
- ページ内でクリック・タップされている場所
- ページの表示速度
例えばユーザーが読まずに飛ばしている箇所を発見し、興味・関心が低いと判断したら、ページ構成を改善するという使い方が可能です。
問題点から改善策までレポート表示してくれるツールもありますので、オウンドメディア運営のつまづきを減らすことができるでしょう。
競合分析
競合サイトの分析は、ユーザーのニーズを把握するために必要です。
分析によって差別化のポイントを探ったり、自社サイトに無い要素があれば、工夫したうえで取り入れたりできます。
具体的には、下記のような項目を調べられます。
- アクセス数
- 流入経路
- 流入キーワード
- 被リンク先
- カテゴリー分類
ライバルサイトの分析を行えば、自社では見落としていた意外なキーワードを発見できるかもしれません。
競合分析は自社サイトにおける独自性の確立にもつながり、顧客満足度の向上に寄与するでしょう。
キーワード選定
キーワード選定ツールは、コンテンツマーケティングの要となります。
ペルソナの心理が隠されているキーワードを探せるため、コンテンツを拡充させるために役立ちます。
自社のテーマとマッチしたキーワードで戦い、上位記事の内容が強すぎるところは避けるのが無難です。
キーワード選定ツールについては、記事制作との関連が強いため、下記の「関連キーワードをツールで探す」にて解説しています。
アクセス解析ツール|必須
この項目ではアクセス解析ツールとしてGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleを紹介していきますが、どちらも導入必須といえます。
それぞれの内容について見ていきましょう。
Google Analytics
Google Analyticsは、名称の通りGoogleが提供しているアクセス解析ツールであり、利用は無料です。
- 平均滞在時間
- PV数
- 訪問者数
- 訪問者の国や地域
- クリックやスクロールなど、ページ内での動き
達成目標を設定できるため、オウンドメディア運営の進捗状況を測りやすいです。
また、個人ブロガーや企業も導入しているため、インターネット上に情報が数多く掲載されており、疑問点を調べやすいのもメリット。
GoogleスプレッドシートやSearch Consoleと連携できるので、複合的な管理が可能です。
一方で、確認項目が多いため、初心者には扱いづらい面があり、学習や情報検索は必須といえます。
Google Search Console
Google Search Consoleも、Analyticsと同じくGoogleが提供しているツールであり、利用は無料です。
- 流入キーワード
- 平均掲載順位
- Webサイトの状態
- 被リンク
SEO対策の成果が出ているか確認できるほか、Webサイトのパフォーマンスもチェックできるため、導入は必須。
また、記事を更新した際にGoogleへインデックス登録をリクエストしたり、低品質な被リンクの否認手続きをしたりするなど、サイト管理ツールとしても優秀です。
Google Analyticsと連携させると、ユーザーの行動をより詳細に分析できるので、セットで活用すると良いでしょう。
検索順位チェックツール
この項目では、オウンドメディアの検索順位をチェックできるツールを解説していきます。
無料使用が可能なツールと、有料のツールをピックアップしましたので、ご自身のケースに合わせてご活用ください。
無料 | 有料 |
---|---|
SEOチェキ! | GRC |
ohotuku.jp | Rank Tracker |
SEOチェキ!
SEOチェキ!は、ロプロス氏が運営している無料Webツールです。
1つのURLに対して3つのキーワードで、GoogleとYahoo上の検索順位をチェックできます。
「サイトSEOチェック」や、「キーワード出現頻度チェック」といった別の機能もあり、ほかのツールを探さなくてよいのはメリット。
また、ブックマークレット機能があり、ブックマークしておくとワンクリックで閲覧サイトの情報をチェックできるため、競合分析も手軽に行なえます。
一方で、サイトSEOチェックと検索順位の利用回数は、合わせて1IPアドレスあたり1日200回までの制限があるため、大量のチェックには向いていません。
ohotuku.jp
ohotuku.jpは、SEO会社である株式会社ディーボが運営しているツールです。
Yahooは10位まで、Googleは100位までの検索順位をチェックできます。
検索にかかる時間は10秒から1分前後と記載されており、実際に試したところ10秒前後で表示されました。
検索順位をチェックした履歴が残るので、記録を忘れたとしても、どのURLを分析したか分かります。
「関連語・候補キーワード一覧抽出ツール」や「キーワード出現率オンライン調整ツール」など、別機能が多いため、Webツール初心者が色々と試せるのもメリットです。
ただ、無料ツールであるため3つのキーワードしか入力できず、必要な範囲が膨大になってくると対応できないでしょう。
前項のSEOチェキ!と同じく、検索順位チェックツールの使用感を知るために活用するのがおすすめです。
GRC
GRCは、有限会社シェルウェアが運営しているインストール型の検索順位チェックツールです。
サイト情報と検索キーワードを登録しておけば、起動するだけでチェックが始まるため、入力の手間が大幅に短縮できます。
料金プランは5種類あり、登録できるURL数やキーワード数が変動します。
プラン名 | ベーシック | スタンダード | エキスパート | プロ | アルティメット |
---|---|---|---|---|---|
年払い | 4,950円 | 9,900円 | 14,850円 | 19,800円 | 24,750円 |
URL数 | 5 | 50 | 500 | 5,000 | 無制限 |
キーワード数 | 500 | 5,000 | 50,000 | 500,000 | 無制限 |
基本的に動作環境はWindowsが推奨されますが、こちらのページの方法を利用すれば、Macでも使用可能です。
無料版もありますが、キーワード数と登録URL数が制限されているため、トライアルとして利用すると良いでしょう。
Rank Tracker
Rank Trackerは、イギリスの会社が運営している検索順位チェックツールです。
公式サイトは英語特有の言い回しではあるものの、日本語に対応しており、国内のユーザーも多いツール。
AmazonやAppleなどで導入されており、信頼性も高いです。
前項のGRCと同じく自動チェック機能があるほか、競合分析にも利用できます。
料金プランは3種類あり、無料版の利用期間には制限がありません。
プラン | 無料 | PROFESSIONAL | ENTERPRISE |
---|---|---|---|
年額料金 | 0 | 149ドル | 349ドル |
PROFESSIONALプランは149ドルであり、日本円だと年額20,348円です(2022年12月現在)。
自社サイトを分析するツール
この項目では、自社サイトを分析するツールとして、下記の3つを解説していきます。
- AIアナリスト
- Juicer
- PageSpeed Insights
AIアナリスト|人工知能が改善を提案
AIアナリストは、株式会社WACULが運営している分析ツールです。
人工知能が同社コンサルタントの知見を学習し、Webサイトの改善策を提案してくれます。
Google Analyticsとの連携で、初期設定が2分で完了するほか、グラフを用いた提案をしてくれるので、初心者にも分かりやすいツール。
料金はサイト規模によって変動するため、問い合わせが必要です。
Juicer|ペルソナを自動生成
Juicerは、ログリー株式会社が運営しているユーザー分析ツールです。
500万人のモニターデータから要素を抽出し、ペルソナを自動生成してくれるため、戦略設計のヒントになります。
楽天やSoftBankに導入されている実績があり、信頼性も高いです。
基本料金は無料であり、データ利用や広告配信連携がオプションとなっています。
オプション項目 | 月額料金 |
---|---|
データ活用費 | 20万円~ |
レポートダウンロード費 | 5万円~ |
セグメントデータ提供 | 1セグメント5万円 |
料金モデルによって総額が異なりますので、詳しくは下記のサイトから広告資料をご覧ください。
PageSpeed Insights|ページの表示速度
PageSpeed Insightsは、Googleが提供している無料ツールであり、ページの表示速度を調べられます。
オウンドメディア運営ではコンテンツの質が重視されますが、表示速度のチェックも見落とせません。
Googleは「Think with Google」にて、読み込みに3秒以上かかると、ユーザーが53%離脱すると記載しており、ページ表示速度の重要さを物語っています。
ホームページのパフォーマンス診断もしてくれるので、改善項目が調べやすいです。
競合分析ツール
この項目では、競合サイトを分析できるツールとして、下記の4つを解説していきます。
- Wayback Machine
- MOZ
- Similar Web
- ahrefs
Wayback Machine|過去の状態を閲覧
Wayback Machineは、非営利団体のInternet Achiveが運営しているツールです。
競合サイトの過去の状態を遡って閲覧できるため、リニューアル時期や内容が調査できます。
デザインやコンテンツの変遷を調べられるので、何を機に上位表示できるようになったか分析できるでしょう。
ただ、全てのアーカイブが残っているわけではないので注意が必要です。
MOZ|ドメインパワーを調査
MOZは、アメリカの同名企業が運営しているWebツールであり、無料の機能が7つ公開されています。
なかでもChromeの拡張機能であるMozBarは、競合サイトのドメインパワーを調べられる便利なツール。
ドメインパワーとは、検索エンジンからのドメインに対する評価。数値が高いほど上位表示で有利と言われます。
狙っていたキーワードが、なかなか上位表示されないのでリサーチしたところ、ドメインパワーの強いサイトで埋め尽くされていたという悲劇が防げます。
Similar Web|類似サイトや平均滞在時間を分析
Similar Webは、イスラエルの同名企業が運営するツールであり、競合サイトの詳細な分析が可能です。
- 合計訪問数
- 直帰率
- 平均滞在時間
- 類似サイト
競合サイトを入力すれば、類似サイトが表示されるため、リストアップから抜けていたライバルを発見できます。
ただ、データが蓄積されていないような新しいサイトや、個人の小さなブログでは、分析内容が表示されないケースもあります。
法人向けの料金は要相談となっていますが、無料版もありますので、使用感を試してみると良いでしょう。
ahrefs|オールインワンのSEOツール
ahrefsは、シンガポールの同名企業が運営しており、複数の機能がまとまったオールインワンSEOツールです。
競合分析ツールであるサイトエクスプローラーの機能では、下記の内容が調べられます。
- 流入キーワード
- 主要ページ
- 被リンク
- 広告の有無
有料の広告からどのページに誘導しているか分かるため、ライバルが注力している内容を分析できるでしょう。
キーワード選定やサイト監査の役割も果たすので、ツールを切り替えて使わずに済みます。
プラン別の価格は下記のとおりであり、年払いにすると2ヶ月分無料になります。
プラン | ライト | 標準 | 高度 | 企業 |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 12,500円 | 25,000円 | 50,000円 | 125,000円 |
対象 | 個人・中小企業 | SEO専門家 | ビジネスの拡大 | 大企業 |
無料のツールも公開されているため、手始めにいくつか利用してみると、使い勝手が判断できるでしょう。
オウンドメディアのツールにおける選び方・比較ポイント
ここまでオウンドメディア運営に活用できるツールを解説してきましたが、複数のサービスが販売されているため、どれを選べば良いか混乱してしまった方もいるでしょう。
そこでこの項目では、オウンドメディアのツールにおける選び方や比較ポイントを、下記の5つにまとめました。
- 目的の明確化
- 使いやすさ
- 費用
- サポート体制
- 動作環境
目的の明確化
オウンドメディア運営でツールを活用したいなら、使用する目的を明確にしましょう。
まだスタート当初なので最低限の機能で十分であるなら、焦ってあれもこれも導入する必要はありません。
オウンドメディアを運営するにあたって、どのようなデータが欲しいのか明確にし、必要十分なツールを導入しましょう。
使いやすさ
ツールの使いやすさを重視して選べば、Webサイト運営が未経験であっても、問題なく操作できるはずです。
使用感をチェックしたいときは、下記の項目を確認してみてください。
- 操作が複雑ではないか?簡単か?
- 表やグラフで表示されるか?
- 複数人で管理できるか?
- モバイル表示できるか?
無料版が用意されているツールであれば、使いやすさをしっかり確認してから導入できるでしょう。
費用
オウンドメディアは年単位の長期的な運営になるので、費用も重要なチェックポイントです。
初期費用だけでなく、維持費も計算したうえで、コストが予算を圧迫しないか確認しましょう。
サポート体制
不明点や緊急のトラブルが発生した際、ツールのサポート体制が充実しているかは重要なポイントです。
運営会社が外国企業であり、日本に支店がない場合、スムーズな問い合わせは難しい可能性もあります。
問い合わせや質問をしてみて、コミュニケーションが円滑に進むかチェックしておくと良いでしょう。
動作環境
社用パソコンの動作環境に適しているかチェックして選ばないと、契約しても活用できないという結果になりかねません。
導入したいツールがWindows対応か、Macでも使えるのか事前に確認しておきましょう。
オウンドメディアのツールまとめ
本記事ではオウンドメディアのツールについて、費用や選び方にも触れながら解説してきました。
オウンドメディアの運営で活用できるツールは多岐にわたりますが、無料で使えるGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleは導入必須です。
他にも、検索順位や競合サイトを分析できるツールが販売されていますが、無料使用が可能なツールもありますので、まずは試してみると良いでしょう。
使いやすさやサポート体制などもチェックしながら、自社に合ったツールをご検討ください。