Webサイトの成功は単なる閲覧数だけでなく、新規ユーザーのトラフィックや読者の満足度も深く関わっています。内部リンクは成功の鍵となる要素の一つです。
この記事では内部リンク戦略に焦点を当て、Webサイト戦略に不可欠なチェックポイントを詳しく解説します。
そもそも内部リンクとは
内部リンクとはWebサイト内の異なるページやコンテンツ間をつなぐリンクのことです。
同じWebサイト内でページからページへ移動するために使用される内部リンクは、Webサイトのナビゲーションを改善し、訪問者が欲しい情報を見つけやすくするのに役立ちます。
例えば、ブログ記事内で過去の関連記事へのリンクや、ホームページのTOPから製品ページに飛ぶリンクも内部リンクの一種です。
このように、内部リンクはユーザーエクスペリエンスを向上させ、検索エンジンがWebサイト内のコンテンツを理解しやすくする役割を果たします。
内部リンクの可視化とは
ここでは内部リンクの可視化がなぜ必要なのか、その役割について見ていきます。
内部リンクの構造が一目で分かる
内部リンクの可視化によってWebサイト内の内部リンク構造が一目で把握できます。
通常は一ページずつ目視で確認する必要があり、非常に手間がかかります。
マインドマップツールやオフィスソフトを使用して内部リンク構造を調査することもできますが、ページ数が多い場合は実用的ではありません。
しかし、Show Article Mapというプラグインを活用すれば、内部リンク構造を視覚的に可視化できます。結果としてWebサイト内の内部リンク構造を把握する手間を大幅に削減できます。
サイト構造戦略には欠かせない
内部リンクの可視化はサイト構造戦略の不可欠な要素であり、Webサイトの成功に向けた重要な施策です。
内部リンクがしっかり整理され、何の情報がどこにあるかがわかれば読者はWebサイト内をスムーズに移動できます。
また、検索エンジンは内部リンクを通じてWebサイトの構造を理解してクロール(巡回)します。
このように、可視化によって適切に設計された内部リンクは、ユーザーエクスペリエンスやSEO評価にも寄与するのです。
内部リンクの可視化が重要な理由
続いては内部リンクの可視化がなぜ重要なのか、その理由を見ていきます。
内部リンクの修正・改善方針が視覚的に分かる
Webサイトのリンク構造が可視化されることで、どこを修正すべきかが判断しやすくなります。
具体的には孤立した記事やページが容易に特定でき、それらに関連する本文へのリンク追加がスムーズに行えます。
同様に、同じカテゴリに属する記事が孤立している場合も見逃さずに識別し、リンク不足を解消できます。さらに、読者にとって有益な関連記事へのリンクが不足している場合も素早く発見して適切に処理できます。
このように内部リンクの可視化によって、Webサイト全体のリンク構造に対する戦略を明確に立てることが容易になるのです。
リンクの破損やリダイレクトの問題を早期に発見できる
破損しているリンクはないか、古いURLからのリダイレクトが必要な場所はないかなどを素早く発見するためにも、内部リンクの可視化は重要な作業です。
Webサイトは時間とともに変化し、ページのURLやコンテンツが更新・変更されることがよくあります。内部リンクが正しく機能していないとせっかく訪問してくれたユーザーにはエラーページが表示され、離脱率が上がる原因になります。
正常にリンクが機能していないサイトはユーザーエクスペリエンスとSEOの評価の低下につながり、検索順位が下がる原因になります。そのため、リンクの破損やリダイレクト必要箇所の早期発見は、Webサイトの信頼性とパフォーマンスを維持するために不可欠です。
内部リンクの最適化がSEOに与える影響
Webサイト内の内部リンクの適切な構築と最適化は、GoogleやYahoo!のような検索エンジン最適化(SEO)戦略の中でも非常に重要です。
ここでは内部リンクの最適化がSEOに与える具体的な影響について解説します。
検索エンジンクローラーが巡回しやすくなる
内部リンクはWebサイト内部の異なるページを結びつける役割を果たします。
適切に配置された内部リンクは、検索エンジンクローラーがWebサイトを効率的に巡回し、すべてのコンテンツを発見しやすくします。
これにより、Webページがインデックスに追加され、検索結果に表示されやすくなります。
ユーザーの回遊率が上がる
適切な内部リンクを導入することで、ユーザーはWebサイト内のさまざまなページを訪れるようになります。
本文に関連するコンテンツへのリンクの存在によってユーザーはWebサイト内を巡回し、より多くのページを閲覧する可能性も上がるのです。
サイト内での回遊率の向上は、結果としてWebサイト全体の評価向上につながるため、SEO対策としても有効です。
ページ同士の関連度が上がる
内部リンクはページ同士の関連性を強調し、リンク先のページの評価を向上させることができます。
したがって内部リンクを設置する際には関連性の高いページを選ぶことが非常に重要です。
関連性の高いページ同士を結ぶことで、ユーザーが求める情報へのアクセスが容易になり、その結果、ユーザビリティが向上し、サイト全体の評価も向上します。
内部リンクを可視化したときにチェックすべきポイント
内部リンクはWebサイトの構造や検索エンジン最適化において有効ですが、前述のとおり効果的な運用のためには可視化が不可欠です。
そこで内部リンクを可視化する際にチェックすべきポイントについて紹介します。
適切な改善策を講じるためにも、ぜひ参考にしてください。
重要なページにリンクが集中しているか
まず、内部リンクがWebサイト内の主要なページに適切に配置されていることを確認します。
特にトップページや注目すべきページへのリンクが適切に配置されているか、重要なページにアクセスしやすいかを確認しましょう。
例えば、X(旧Twitter)のようなショートサイズな画面内でユーザーに返信やアフィリエイトリンクを提供する際、一目でわかる場所に内部リンクがなければアクセス数は増えません。
ほかにも参照ページや重要なページへの内部リンクが不足していると、それらのページが検索エンジンで評価されないおそれもあります。
Webサイトのトラフィックと可視性が減少するリスクへの改善策としても、内部リンクの設置場所は非常に重要です。
読者のゴールを意識したリンクになっているか
続いて、内部リンクが読者のニーズやゴールに合致しているか確認します。ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、読者が求める情報や行動を促すリンクが適切に設定されているかは必ず分析してください。
読者のニーズを考慮しない内部リンクは、ユーザーエクスペリエンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
読者が求める情報にアクセスしにくいWebサイトは離脱率が上がり、結果として検索結果のランクダウンを招きかねません。
孤立したページがないか
ほかのページからのリンクがないページが存在しないかも重要なポイントです。
孤立したページは検索エンジンからのクローリングが難しく、Webサイト全体の可視性に悪影響を及ぼす可能性があります。なぜなら、孤立したページはほかのページからのリンクがないため、検索エンジンクローラーがアクセスしにくいためです。
結果としてそのページは検索結果に表示されにくくなり、ユーザーの流入数減少につながります。
ブログ全体にシナジーは出ているか
Webサイト内のブログ記事同士やブログ記事とほかのページとの間で相互リンクが適切に機能しているかを確認します。
内部リンクはコンテンツ(記事)同士を結びつけ、最終的にサイト全体の相乗効果を増幅させ、SEO対策においても有利になるといわれています。
これにより、Webサイト全体の情報価値が向上し、読者の滞在時間や関与が増加する可能性があります。逆にブログ記事同士やほかのページとの相互リンクが不足していると、ブログコンテンツの全体的な価値が低下します。
また、やみくもに内部リンクを設置することはSEO対策としては逆効果になるので注意してください。
内部リンクを最適化するコツ
内部リンクはWebサイトのSEO対策において極めて重要な役割を果たしますが、内部リンクをどのように最適化するかは多くのWebサイト運営者にとって課題となっています。
ここでは初心者にもわかりやすい内部リンクを最適化するコツを紹介します。
関連性の高いページにリンクする
内部リンクは関連性の高いページ同士を結びつける役割を果たします。
関連性のあるコンテンツ同士をリンクすることで、ユーザーは興味深い情報に簡単にアクセスできるので、新規流入数やリピート数増加が期待できます。
また、検索エンジンも関連性の高いページを理解しやすくなるので、ランキング向上にも寄与します。
アンカーテキストはリンク先の内容が分かるようにする
内部リンクを設置する際はアンカーテキスト(リンクの内容を表すテキスト)にも注意が必要です。
アンカーテキストにリンク先の内容が明確に表現されていると、興味を持ったユーザーがスムーズに移動しやすくなります。
一方で、「〇〇についてはこちら」といった一般的な文言でリンクを貼るのは避けた方が賢明です。このような表現ではリンク先の内容が伝わりにくく、結果としてユーザーがほかのサイトを探しに行ってしまうかもしれません。
適切なアンカーテキストはユーザーエクスペリエンスに影響を与えるだけでなく、クローラーのリンク理解にも寄与するので、リンク先の内容が明確にわかるタイトルにしましょう。
画像リンクにはalt属性を記述する
バナーのような画像をリンクとして使用する場合はalt属性(画像に設定するテキスト情報)を適切に記述しましょう。
Googleのクローラーはテキスト情報でないと、画像の意図を正確に理解できません。
alt属性を設定することでバナーの内容を正確に認識させることができるので、忘れずに実施してください。
ページのURLを統一する
Webサイト内のページURLは、シンプルで理解しやすい構造にすることが重要です。
適切なURL構造を保つことでユーザーエクスペリエンスが向上し、検索エンジンがWebサイトをクロールしやすくなります。
不自然な内部リンクを入れない
内部リンクを過剰に配置したり、不自然な配置を行うと、ユーザーエクスペリエンスが損なわれる可能性があります。
また、Googleは次のようにガイドラインに明記しています。
PageRankやGoogle検索結果でのサイトのランキングを意図的に操作するためのリンクは、リンクプログラムの一環とみなされ、GoogleのWebマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反することがあります。この違反には、自分のサイトへのリンクを操作する行為や、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。
Google Web検索のスパムに関するポリシー
このように意図的かつ不自然な内部リンクの使用は、Googleのガイドラインに違反する可能性があります。
Googleが望むのは「自然な内部リンク」であり、不自然な内部リンクの過剰な使用は回避すべきです。
あくまでも内部リンクは自然で読みやすい形で配置し、Webサイト全体のコンテンツと調和させましょう。
内部リンクの可視化にはツールが便利
内部リンクの可視化はWebサイトの構造を理解し、SEO対策を強化するために非常に便利な方法です。しかし、大規模なWebサイトや複雑な構造の場合、手作業での可視化は困難です。そこでおすすめのツールを紹介するので、ぜひ有効活用してください。
ShowArticleMap
Webサイト内の記事やページを可視化するための便利なツールです。NAEさん(@naenotenet)という個人の方が運営されているサイト「naenote.net」で開発されたプラグインですので、プラグインのダウンロードは「naenote.net」サイトから入手できます。
ShowArticleMapのプラグインを使うことでWebサイトの内部リンクがどのように結びついているかを直感的に理解でき、Webサイトの改善や最適化に役立ちます。
手間を省きながらWebサイトの内部リンク構造を把握するためにもShowArticleMapはおすすめです。
Screaming Frog SEO Spider
Webサイト全体をクロールしてさまざまなSEO関連データを収集するツールです。
このツールは、URL、タイトル、メタ説明、内部リンク、外部リンクなどの情報を収集してくれるので、さまざまな解析に有効です。
Screaming Frogのツールは公式サイトからダウンロードし、無料で使用できます。基本的な手順としては、サイト全体をクロールして、各ページに関するSEO情報を整理する流れです。
サイトのURLを「Enter URL to spider」に入力して「Start」ボタンをクリックするとクロールが開始されます。
「Export」よりデータをCSVやExcel、Googleスプレッドシートとしてエクスポート可能なので、ぜひ使用してみてください。
内部リンクの最適化で競合サイトとの差別化を図ろう
内部リンクは適切に活用することでSEO対策に効果的です。
しかし、内部リンクの全体像を把握することは容易ではありませんし、個々の記事にアプローチするのは時間と手間がかかります。その点、本記事で紹介したツールを活用すれば、改善ポイントを特定し、重要な箇所を重点的に調整できます。
ユーザーにとって有益な情報を提供することを心がければ、内部リンクの適切な設置が自然と行われ、SEO効果も期待できます。
ツールを有効活用しながら内部リンクを適切に設定し、競合サイトと差をつけましょう。