コンテンツ内に設置したリンク先の説明文として使われるアンカーテキストですが、実はSEO対策において重要な役割を持っています。
ただし、多く設置すればいいというわけではないので、リンクを設置するときの注意点や効果的なアンカーテキストの書き方を解説していきます。
アンカーテキストとは?
そもそも、アンカーテキストとは何をさす言葉なのでしょうか?ここでは、アンカーテキストの具体的な特徴や役割についてご紹介します。
ページ内のリンクに表示する文章
アンカーテキストは、記事の本文中に設置した内部リンクを説明する文章のことをいいます。
例えば、WebライターのSEO記事講座への参加を目的とするコンテンツの場合、リンクへの誘導文は「SEO記事の書き方を学びたいなら、SEO記事講座への参加がおすすめ!」とします。このとき、「SEO記事講座への参加」がアンカーテキストです。
アンカーテキストの部分に内部リンクを設定し、アンカーテキストをクリックするだけで該当のページに飛べるようになっています。
このように、リンクの遷移先がどのようなページなのかを大まかに説明する文章がアンカーテキストです。
内部リンクはSEO対策でも重要
内部リンクのアンカーテキストは、SEO対策でも重要な役割を担っています。
各Webサイトの評価をする検索エンジンのクローラーは、コンテンツの内容や品質のほかにも、内部リンクのアンカーテキストもチェックしています。
アンカーテキストを見て、「内部リンク先のページでは主に○○について紹介している」と判断し、それも加味した評価を行うのです。
そのため、アンカーテキストの文章はもちろん、そのコンテンツに適した内部リンクが貼られているのかどうかも評価の対象になります。
アンカーテキストの役割
SEO的役割も持つアンカーテキストは、主にどのようなことに役立てられるのでしょうか?
ユーザーに遷移先のページ内容を伝える
アンカーテキストは、内部リンクの遷移先にどのような情報があるのかをユーザーに知らせる役割を持っています。
例えば、「下処理したたけのこを使ったレシピ」をテーマにした記事を書いたとします。
たけのこの下処理方法をまとめたページの内部リンクに、「たけのこの下処理の方法はこちらから」というアンカーテキストを設定すれば、ユーザーはひと目でリンク先に書かれている内容を把握できるのです。
ユーザーに遷移先の内容を知らせることで、効率的にユーザーがサイト内を閲覧でき、ユーザーからの信頼も高まります。
各記事ごとに設置する目次も、それぞれの見出しがアンカーテキストと同様の効果を発揮します。
SEOにおける目次の効果について、下記の記事で解説しています。
検索エンジンにリンク先の内容を理解されやすくする
検索エンジンがSEOの評価のために自社サイトをクロールしたとき、アンカーテキストがあれば内容から内部リンク先の情報を把握できます。
内部リンク先の内容も含めて検索エンジンは検索結果の表示を決めるので、アンカーテキストを適切に設定することで、SEOにも有利に働くのです。
アンカーテキストの効果的な書き方
SEO対策でも重要な役割を持つアンカーテキストですが、より高い効果を得るためにはどのような書き方をすればいいのでしょうか?
ここでは、アンカーテキストの効果的な書き方について解説していきます。
リンク先の内容をテキストで説明する
まずは、リンク先にどのような情報が書かれているのかを確認しておきましょう。
リンクから遷移したページ内の「特に重点を置いている情報」を見極めて、なるべく短文に収まるよう凝縮させます。
「このリンク先ではこんな情報がわかります」ということが、きちんとユーザーに伝わるように、言葉を選びましょう。
リンク先コンテンツの対策キーワードを入れる
リンク先コンテンツの内容だけではなく、対策キーワードも盛り込んでアンカーテキストを設定すると、より高いSEO効果が期待できます。
対策キーワードは、ページタイトルに使われていることが多いので、リンク先のページタイトルを参考にするのもよいでしょう。ページタイトルをそのままアンカーテキストに使う場合もあります。
ただし、対策キーワードを盛り込みすぎてはいけません。検索エンジンにスパム判定されてしまい、逆に検索結果の順位から外されてしまうケースもあるので注意しましょう。
画像リンクの場合はalt属性に記述する
画像に内部リンクを設定する場合は、alt属性タグにアンカーテキストを入力しましょう。
画像にアンカーテキストを設定しておくことで、Webサイト内で何らかのトラブルが起こり、画像が表示されなくなった場合にも設定しておいたテキストから内部リンクに飛べます。
Word PressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を使う場合は画像挿入する際に代替テキストの入力フォームが表示されるので、そこに設定しましょう。
HTMLタグで設定する場合には以下を参考にしてください。
<img src=“画像URL” alt=“アンカーテキスト”/>
画像にアンカーテキストを設定しておくことで、トラブル時の備えになるうえに、音声読み上げブラウザでも目が見えない方が画像をイメージしやすくなります。
クリックしたくなる文言にする
アンカーテキストは、思わずユーザーがクリックしたくなるようなキャッチーな文言がおすすめです。
ユーザーが内部リンクに興味を持てば、サイトのCV(コンバージョン)率の上昇や滞在時間の延長にもつながります。
アンカーテキストはリンク先の情報を簡潔にまとめて文章にすることも大切ですが、簡潔にすることにこだわって、素っ気ない文言になってしまうとユーザーが興味を持たずリンクへの誘導が失敗してしまいます。
内部リンクの意味がなくなってしまうので、簡潔にわかりやすく、ユーザーの好奇心や興味をそそるようなフレーズも盛り込んでみましょう。
リンクだとわかる見た目にする
アンカーテキストに内部リンクを設定したら、そのテキストがリンクだとユーザーがわかるように工夫しましょう。
アンカーテキストの部分だけ、はっきり色を変えるとユーザーがひと目でリンクだとわかります。
ほかにも斜体にしたり太字にしたりと、ほかの文章とは違う特徴をつけることで、内部リンクの存在に気づいてもらいやすくなります。
アンカーテキストに関する注意点
SEO対策において、アンカーテキストは重要な役割を担っていますが、以下5つのような注意点があります。
過剰にリンクを設置しない
内部リンクは、自社サイト内のほかのページに誘導しやすいうえに、設置しておくことでSEOの評価が高くなる可能性もあります。
だからといって、大量にリンクを設置しないように注意しましょう。過剰なリンクの設置はペナルティの対象になります。
内部リンクは、リンク先と設置している記事の内容に高い関連性がなくてはいけませんが、過剰に内部リンクを設置することで関連性の低いリンク先まで含まれる場合があります。
関連性の低いリンク先が含まれるとユーザーの満足度の低下にもつながるので、検索エンジンから検索結果の順位を圏外にされたり、インデックスから削除されたりというペナルティがWebサイト全体に課されるのです。
SEO対策として内部リンクを設置したのに、逆に悪影響になってしまっては本末転倒なので気をつけましょう。
キーワードを詰め込みすぎない
アンカーテキストに盛り込むキーワードは、1~3つを目安にしましょう。
キーワードを盛り込みすぎて、アンカーテキストが長文になったり、読みにくくなったりするとユーザーの満足度低下にもつながります。
最悪の場合、ペナルティを課されるパターンもあるので注意が必要です。
アンカーテキストに入れるキーワードは、読者であるユーザーに意味が伝わることや簡潔にまとめることを意識して厳選しましょう。
リンク先の内容と異なるキーワードを避ける
アンカーテキストには、必ずリンク先の内容と関係のあるキーワードを使いましょう。
関係のないキーワードを使ってアンカーテキストを作成してしまうと、ユーザーの混乱や検索エンジンの評価が下がるなどの原因になります。
「猫のブラッシング方法」というアンカーテキストにも関わらず、リンク先が「魚の焼き方」という内容だったら、ちぐはぐになってしまいます。
ユーザーからの信頼度低下や、SEOの評価が下がるなどのリスクもあるので、公開前に内部リンクの内容が記事のテーマに合っているかを確認しておきましょう。
隠しリンクや不自然なリンクを避ける
フォントサイズを0にしたり、白のテキストを使ったりして隠しリンクや不自然なリンクを作るのはやめましょう。
ユーザーから見えなくても、検索エンジンはクロールできるので、「SEO対策だけに集中したい」という方が隠しリンクを使う場合もあります。
しかし、SEO対策上の偽装行為とみなされてペナルティを受けるリスクがあるので、ユーザーが気づきやすいリンクを設置しましょう。
低品質なサイトへのリンクはnofollowを使う
低品質なサイトへの外部リンクを設置する場合、nofollow属性の使用がおすすめです。
検索エンジンは得た情報をもとに、リンク先にリンクを載せているサイトの評価を振り分けます。
ページの品質が悪いリンク先に自社サイトが得るはずのいい評価を振り分けてもメリットはありません。
このような事態を回避できるのが、nofollow属性です。これを使用すると、クローラーは「このWebサイトにはリンクはなかった」と判断するので、低品質なサイトへの評価の振り分けがなくなります。
nofollow属性を使って、損のないSEO対策をしましょう。
アンカーテキストを最適化するポイント
検索エンジンのSEO評価を高めるためにも、アンカーテキストの最適化を図りましょう。アンカーテキストを最適化するためには、以下のポイントが重要になります。
外部サイトのアンカーテキストは任意にする
外部サイトのアンカーテキストは、可能な範囲でコントロールしましょう。基本的に任意の状態を保っておくことが大切です。
外部サイトのアンカーテキストを無理にコントロールしようとすると、逆にSEOの評価が低くなるリスクがあるので、注意が必要です。
ただし、ページタイトルがアンカーテキストとしてそのまま使われる場合が多いので、それを見越して戦略的にページタイトルを設定しておきましょう。
コントロールできる外部リンクは「完全一致」を使う
外部リンクのなかには、アンカーテキストがコントロールできるものもあります。
その場合は、リンク先の対策キーワードとまったく同じキーワードをアンカーテキストにする完全一致を使いましょう。
これによって検索結果の順位の向上が狙いやすくなりますが、乱用は禁物です。完全一致は1~2%以内に抑えておかないと、「作為的に順位を変えようとしている」と判断され、ペナルティの対象になる可能性があります。
内部リンクのアンカーテキストはUXに配慮する
内部リンクのアンカーテキストは、UX(ユーザー体験)を考慮して検討しましょう。
ユーザーにとっての見やすさやわかりやすさを追求することで、高いSEO評価が期待できます。
そのために、まず大切なポイントが、ユーザーがリンク先の内容を想像しやすいキーワードを入れることです。
直感的に「このリンク先にはこんな情報が書かれている」と察しやすい言葉選びを心がけましょう。
アンカーテキストが出現するタイミングも重要です。なんの脈絡もなく突然アンカーテキストが出てきても、違和感からリンクを押すことに躊躇するユーザーがほとんどです。
前後の文章の流れが自然とアンカーテキストに結びつくように考えてみてください。
自サイトの低品質なアンカーテキストの見つけ方
アンカーテキストは、ユーザーの満足度やSEO対策としても重要な存在なので、テキストの品質にはこだわりたいところです。
しかし、「すでに設定済みのアンカーテキストの品質が気になる」という方もいるのではないでしょうか?
そこで、自サイトの低品質なアンカーテキストの見つけ方をご紹介します。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、Webサイトの無料解析ツールです。ユーザー行動などの分析ができるので、コンテンツマーケティングやSEO対策に役立ちます。
Googleアナリティクスで自サイトの低品質なアンカーテキストを見つけるためには、リンク先ページの直帰率をチェックします。
リンク先の直帰率が高く、アンカーテキストからリンク先にアクセスしたユーザーの直帰率も高ければ、アンカーテキストの内容とリンク先の内容に相違があるなどの原因が考えられます。
ヒートマップ
ヒートマップは、Webページでユーザーの取った行動が色分けして表示されるツールです。
黄色・赤色のような暖色だと、ユーザーが高頻度でクリックしていることになります。逆に青色などの寒色だとあまりクリックされていないということがわかります。
アンカーテキスト部分が赤ければ、多くのユーザーが興味を持ってクリックしているということなので、品質に問題はありません。
もし寒色になっていたら、文言を修正すれば、アンカーテキストの品質が改善できます。
アンカーテキストで内部対策を強化しよう
リンク先の内容を説明するアンカーテキストは、SEOで重要な役割を持ちます。SEOで期待どおりの成果を得るためには、テキストの文言にもこだわる必要があります。
リンク先の内容を簡潔にわかりやすくまとめ、対策キーワードも盛り込みつつ、ユーザーの興味を引くようなフレーズも重要です。
アンカーテキストの作成には考慮するべきポイントが多く、自身が考えたアンカーテキストの品質が気になる方も少なくありません。
Googleアナリティクスやヒートマップを活用すれば、気軽にチェックできるので、試してみてくださいね。