SEOを意識したライティングを行う場合、ライターはさまざまな点に気を配る必要があります。
単に文章を執筆するだけでなく、共起語の使用や、読者の検索意図の把握、競合記事にない独自性の追加など、多くのポイントを考慮することで、検索エンジンから「良質」と判断される記事が作成できるのです。
ただし、それらの項目をライターの感覚だけで網羅するのは、きわめて難しいのが実状です。そんなときに活用したいのが「記事作成ツール」。記事作成ツールを使いこなすことで、品質の高い記事が、効率的に執筆できるようになります。
本記事では、ライティングの作業効率が劇的に上がる記事作成ツールを、種類ごとに紹介します。ライティングに携わる方はしっかり押さえておいてください。
記事作成ツールとは
そもそも記事作成ツールとはどのようなものを指しているのでしょうか。
まずは記事作成ツールがどのようなもので、それがどうしてライターにとって大切なのか、その意義や使い勝手について解説します。
記事作成をアシストしてくれる
記事作成ツールを一言で表すと、執筆作業をアシストしてくれるツールといえるでしょう。
ライティングという作業はシンプルなようでいて、実はさまざまな点に気を配る必要があります。
思いついたアイデアをストレスなく執筆できるよう、作業環境自体を整える必要もあります。また、Webマーケティングでは、SEO効果の高い内容へ記事の質を高めていくことも必要です。
このようなライターの作業効率を上げ、ライティング内容の品質向上をアシストするのが、記事作成ツールの役割です。
使用するツールは作成フローによって異なる
記事作成ツールは、それぞれ機能や利用用途が異なります。そのため、記事の作成フローに応じて、ライターは適切なツールを使い分ける必要があります。
記事を作成する前、執筆している途中、書き終えた後、それぞれの段階で正しいツールを活用することで、結果的に高品質な記事が完成します。
そのためライターは、どのようなツールが存在し、どのようなタイミングで、どのように活用するのか、を理解しておく必要があるのです。
記事作成に便利なツールの種類
それでは記事作成ツールの種類を見ていきましょう。
いずれのツールもスムーズな執筆や、SEO対策に大いに役立つものばかりです。どのような種類があって、それぞれどのような役割を持っているのか、という点に注目してご覧ください。
キーワード選定ツール
キーワード選定ツールは、記事のキーワードを考える際に役立つツールです。SEO効果を高めるためには、適切なキーワードの選択が欠かせません。
キーワードがどれほど検索されているか(検索ボリューム)、競合記事ではどのようなキーワードが用いられているか、特定のキーワードに関連するキーワードはなにか、といったことをキーワード選定ツールでは調査することができます。
検索意図把握ツール
検索意図把握ツールは、ユーザーがどのような意図で検索を行っているかを把握するためのツールです。
記事のキーワードが決まったとしても、それを検索するユーザーがどのような狙いで検索をしているかによって、記事の方向性は変わってきます。
例えば、「おいしい パンケーキ」というキーワードがあったとして、「おいしいパンケーキのレシピを知りたい」ユーザーと、「おいしいパンケーキ屋を知りたい」ユーザーでは、求める情報が大きく異なります。
検索意図把握ツールを活用することで、ユーザーの検索意図を正しく把握でき、テーマや方向性に誤りのない記事作成が可能になります。
文章作成ツール
文章作成ツールは、文字通り文章を入力したり、装飾したり、保存したりするためのツールです。
Webライターには欠かせないもので、文章作成ツールの使い勝手や習熟度によって、ライティングの効率も大きく変わってきます。そのため、自身に合った文章作成ツールを使用することがなにより重要です。
ただしクライアントから仕事を請け負う場合、使用する文章作成ツールを指定されることもあります。
文章校正ツール
文章校正ツールは、文法の誤りや誤字・脱字などをチェックし、校正作業を効率的にサポートします。
校正は記事を仕上げる際の重要な作業ですが、全てを手動で確認するのは時間がかかります。また、ライター自身が行うと、自分の間違いを見逃すこともあります。
人の手による最終チェックは必要ですが、文章校正ツールの使用でその手間を大幅に軽減できます。
コピペチェックツール
コピペチェックツールは、文章が他の記事からのコピーでないかを確認するツールです。
SEOでは、記事のコピーは避けるべきです。コピーコンテンツとみなされると、検索エンジンの評価が低くなり、記事が削除されるリスクやペナルティを受ける可能性があります。
意図せずとも、情報元と文章が似ていればコピーコンテンツと判断されることもあります。コピペチェックツールを使い、文章がオリジナルであることを確認しましょう。
キーワード選定を効率化できるツール
ここではおすすめのキーワード選定ツールを紹介します。
キーワードの選定はSEOにおいてもっとも重要な要素で、キーワード選定ツールも無料のものから有料ツールまでさまざまな種類が公開されています。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Google広告のキーワード選定ツールです。
新規キーワードの発見や月間検索ボリュームの確認、競合ページの強さのチェックなど、多彩な機能を無料で使用できます。
広告の予測データも取得可能なので、Google広告運用者には必須のツールです。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、ラッコ株式会社が提供する無料のキーワードツールです。特定キーワードのサジェストを詳しく確認できます。
キーワードを入力するだけで、関連するサジェストが表示され、記事のテーマ選定に役立ちます。操作はシンプルで、初心者でも簡単に利用できます。
Googleだけでなく、AmazonやYouTubeのサジェストも確認可能です。さらに詳しい機能を利用したい方は、有料プランをご検討ください。
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
Ubersuggest(ウーバーサジェスト) はNeil Patel社が提供するキーワード選定ツールで、日本語のキーワードも無料で調査可能です。
日本以外の検索結果も取得できるため、海外向けのコンテンツ作成にも適しています。
また、キーワードの提案機能があり、記事のテーマ選びにも役立ちます。
ahrefs(エイチレフス)
ahrefs(エイチレフス)は、キーワード選定、競合サイトの流入ワード調査、被リンクの把握、検索順位のチェックなど、多岐にわたるSEO分析が可能なツールです。
自身のメディアを強化したい方や、質の高い記事を書くための情報収集を求める方には、競合サイトの情報も含めて詳細に調査できるため、非常に役立ちます。
有料ツールですが、本格的なSEO強化を目指す方や、無料ツールだけでは物足りない方にはおすすめです。
検索意図を把握できるツール
ここではおすすめの検索意図把握ツールを紹介します。
検索意図の把握は記事の方向性を決めるうえで非常に重要です。特にコラム記事のような集客目的の記事の場合、どれだけ読者の意向に沿ったものを提供するかが、重要となります。
読者のニーズに応えた記事を作成するために、検索意図把握ツールを活用し、適切な内容を執筆しましょう。
Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋は、参加者同士がそれぞれの知識を交換するナレッジコミュニティ。質問の投稿や、質問への回答ができるほか、キーワードで検索すれば、それにかかわる質疑応答のやり取りを閲覧することもできます。
ユーザー同士が交わす質疑応答を見れば、SNSと同じように、リアルな声を垣間見ることができます。キーワードに関して、人々がどのような疑問を感じているか、どういった情報を欲しているかがおのずと見えてくるはずです。
記事の方向性やタイトル、導入文の言い回しなどを考える際にも大いに役立つでしょう。
教えて!goo
教えて!gooは、NTTドコモが運営する日本最大級の無料Q&Aコミュニティサイト。疑問、質問、悩み相談などを自由に投稿でき、また誰かの投稿に回答することも可能です。
もちろん、他人同士の質問・回答のやり取りも閲覧できるため、記事を執筆する際は、一般ユーザーの感じる疑問点や考え方などをじっくり観察することができます。
カテゴリだけでも約700種類にもおよぶため、比較的マイナーなテーマであってもユーザーのリアルな声を調査することが可能です。
見出し(hタグ)抽出
見出し(hタグ)抽出はラッコ株式会社の提供する「ラッコツールズ」のひとつで、キーワードを入力すると、そのキーワードの上位10位までの記事の見出しタグを、一括抽出することができるツールです。
見出し全体だけでなく「h2のみ」「h1〜h3」などのように、具体的な見出しの種類まで指定することができる優れものです。
抽出結果はさまざまな目的に利用できますが、ユーザーの検索意図を把握するためにも有効です。上位表示されている記事の構成を見れば、ユーザーがどのような情報を求めているかが、鮮明にわかるでしょう。
文章作成を効率化できるツール
文章作成ツールはライターが仕事するうえで基本ともいえるツールです。
ここでは定評のある2種類の文章作成ツールを紹介し、そのメリットや、機能について解説します。
いずれも快適に文章作成が行えますが、それぞれの特性を生かしてシーンごとに使い分けるのもよいでしょう。
Googleドキュメント
Googleドキュメントは、Webブラウザで使用する文章作成ツール。基本的にオンラインでないと使用できませんが、「Googleオフラインドキュメント」という拡張機能をインストールしておけば、オフライン環境でも使用可能です。
個人で文書作成を行うのはもちろん、複数人でひとつのドキュメントを編集することもでき、プロジェクトで記事を完成させるような場合も使い勝手がよいのが特徴です。
Microsoft Wordと比較してもさほど機能的に劣る部分もなく、快適に使用できます。また、作成した文章をWord形式に変換したり、逆にWordファイルをGoogleドキュメントに取り込んだりして編集することもできます。
Microsoft Word
WordはMicrosoft社が開発・販売している文章作成ツール。文章作成をスムーズに行うためのあらゆる機能が搭載されており、文字の装飾やレイアウトも美しく仕上げることができます。
簡易的な文章執筆から、ボリュームの大きな資料作成まで、さまざまな文書作成に活用することが可能です。
「ビジネス」「カード」「チラシ」など文書テンプレートも豊富に用意されており、高品質ドキュメント制作が行えるほか、「変更履歴の記録」など、校閲に便利な機能も備わっています。
また、Wordでは見出しの作成が可能で、見出しに応じて目次も作成される機能があるため、記事作成などにも大いに活用することができます。
記事スナイパーでは、導入文の書き方について解説したコラム記事も発信しています。文章作成にも役立つ内容となっていますので、ぜひ読んでみてください。
文章校正に役立つツール
ここからはおすすめの文章校正ツールを紹介します。
ライターが自分の書いた文章をチェックしても、ライター自身の認識が間違っていた場合、どこが不適切かを見出すことができません。
そんなときに文章校正ツールを活用すれば、スピーディーかつ正確に、文章の誤りを発見することができ、たいへん便利です。
Enno
Ennoは、日本語の文章内のエラーをチェックすることのできるツールで、対象の文書をペーストするだけで手軽に利用できるのが特徴です。
誤字脱字・誤変換・タイポ(誤植)・文字化けなど、チェックできるエラーの種類も幅広く、フォーマルな文書を中心に、あらゆる日本語文章のエラーを見抜くことができます。
ユーザー登録なども不要なので、まずは一度、自身の執筆した記事で試してみてはいかがでしょうか。
so-zou.jp
so-zou.jpは執筆済みの文章の誤りを、手軽な操作でチェックできる文章校正ツールです。使い方はとても簡単で、入力欄に文章を貼り付け、あとは「検査」ボタンをクリックするだけ。
たいへん手軽に使えるツールですが、チェックする対象は誤変換や機種依存文字のほか、ら抜き言葉や冗長表現など多岐にわたります。
簡易的なチェックなので、最終的な校正は人が行う必要がありますが、記事に大きなミスがないかなど確認したい際はおすすめのツールです。
ATOKクラウドチェッカー
ATOKクラウドチェッカーは、「一太郎」、「日本語入力システムATOK」などの開発を行っている株式会社JustSystemによる、簡単操作で文章の不具合を発見できる、文章校正ツールです。
ログインこそ必要ですが、必要な操作はほかの校正ツール同様、文章を貼付してクリックするだけ。簡単操作で、誤字・脱字・表記揺れなどをしっかり調査することができます。
また文章の性質に合わせて、ビジネス文チェックや公用文チェックなど、校正基準を設定できるのも特徴です。
文賢
文賢は、ウェブライダー社が提供するクラウド型文章校正ツール。校正のレベルも非常に高く、読み上げ機能など、作業がはかどる機能が充実しています。企業からの採用実績も多く、非常にハイレベルな校正フィードバックを得ることができます。
メインとなる機能は「文章表現へのアドバイス・校閲支援・推敲支援」の3種類。精度の高い文章チェックが行えるため、文賢を通して記事を仕上げれば、納品先のチェックの負担も軽減することができるでしょう。
おすすめのコピペチェックツール
ここでは、おすすめのコピペチェックツールを解説します。
SEOにおいては厳禁とされるコピーコンテンツですが、テーマが同じ記事だと、意図せずに他サイトと文章自体も似通ってしまうことがあります。
そのような状況を防ぐためにもコピペチェックツールを活用しましょう。
CopyContentDetector
CopyContentDetectorはメディアエクイティ株式会社が提供するコピペチェックツール。
Web版のほか、Wordpressのプラグインもあります。会員登録不要で、25〜4,000字であれば無料でコピペチェックが可能。回数制限もありませんので、4,000字以上の記事であっても、複数回に分け操作すれば、記事全体のコピペチェックも可能です。
コピペチェックの結果は、他サイトと似ている点を判定する類似度判定、他サイトと同一の文章になっていないか判定する一致率判定、すでに登録済みの文章と似通っていないか判定するテキスト間判定、などいくつかの尺度でチェックされ、【コピーの疑い】【要注意】【良好】の3段階で示されます。
文章の連続登録もできるほか、調査時間も短いので、効率的にコピペチェックが行えるでしょう。
コピペリン
コピペリンは株式会社サクラボが提供するコピペチェックツールです。年間ライセンス料6,000円(税別)で、検索回数無制限、バージョンアップやサポートも無料で受けることができます。
利用するにあたって、特別な設定などは必要ありません。指定の文章が他サイトのコピペでないか、あるいは複数のWebサイトからの流用になっていないか(曖昧連続一致)などを、文字一致率とともに確認することができます。
エクセル、CSVやURLを指定しての読み込みも可能。また、複数記事をまとめて読み込むことができるので、余計な作業時間もかかりません。費用はかかりますが、日常的にコピペチェックを行う方はぜひチェックしておきたいコピペチェックツールです。
おすすめの文字数カウントツール
ここでは文章の文字数を判定する、文字数カウントツールを紹介します。
記事の執筆を依頼される場合、目安の文字数や最低文字数など、文字数の条件を指定されることも多いと思います。また、商品説明などで、一行に何文字が表示されるのかなど、文字数を調査するような機会もあります。
そういった際に重宝するのが、文字数カウントツールです。
文字数カウント(ラッコツールズ)
ラッコツールズの文字数カウントは、手軽に文章の文字数を判定できるツール。いくつかの条件から文字数カウントが行え、空白を含めない基本の文字数のほか、空白も数えるオリジナルの文字数も調べることができます。
そのほか、行数や段落数、400字詰め原稿用紙何枚分に相当するか、といったカウント結果も確認することができ、たいへん便利です。
文字数制限のある記事の執筆や、文字数について調整を行いたい場合に重宝します。
numMoji
numMojiは、文字数をカウントしながら執筆を行えるツール。文章を書きながら、現在の文字数をリアルタイムで把握することができます。文字数が限られている記事を執筆するときはもちろん、文字数を目安にしながら記事全体のバランスを取りたいときなどにも、たいへん便利です。
空白をカウントしない設定にするなど、条件に応じた文字カウントも可能。また、指定した部分だけの文字数をチェックすることもできます。
サイトデザインもシンプルで、登録制限などもないため、文字数に注意しながら執筆をしたい方はぜひ活用したい文字数カウントツールです。
文章作成のアイディア出しに役立つツール
ここでは文章作成時のアイディア出しを多方面からサポートしてくれるツールについて解説します。
AIの進化はめざましく、活用次第ではライティングにおいても大いに役立てることが可能です。執筆に詰まった際などに利用すれば、思わぬアイデアを得られるかもしれません。
これまで時間をかけて行っていた作業をAIに代行してもらうことも可能なので、ぜひチェックしておいてください。
Catchy
Catchyは株式会社デジタルレシピが提供するライティングアシスタントAI。自然言語処理AI「GPT-3」を搭載しており、あらゆる種類の文章・コンテンツを生成することができます。
文章の雰囲気も「丁寧・カジュアル・大胆」から選べるなど、柔軟な対応が可能。キャッチコピーの生成や既存の文章のリライト、要約なども可能です。
文章によっては違和感を感じる部分もあり、誤情報を含む可能性もあるため、そのまま記事化するようなことは避けるべきですが、アイデア出しとして活用すれば、思わぬヒントが得られるかもしれません。
Bard
Bardは、2023年2月にGoogle社によって発表されたAIチャットツールです。ユーザーの質問に対して対話型で回答してくれるため、情報を集めたい場合などにたいへん重宝します。情報源はGoogle検索をベースとしているため、最新の知識を確認することが可能です。
検索機能の補助としてだけでなく、翻訳や要約などの文章の自動生成も行えます。検索エンジンと併せて活用し、情報収集やアイディア出しに活用することが可能です。
Notion AI
さまざまなビジネス情報を一元管理できるメモアプリ「Notion」。そこに新たに搭載されたAIアシスタントが、Notion AIです。文章の作成や翻訳、校正など、さまざまな作業をアシストしてくれるため、ライティングにおいても大いに活用することができるでしょう。
得られる文章もとても自然で、ビジネスのあらゆる場面でかなり重宝します。普段からNotionを利用している方は、ぜひライティングにもNotion AIを活かしてみてください。
ChatGPT
ChatGPTはアメリカOpenAI社により開発されたAIチャットサービスです。ユーザーの質問に対し、自然な文章で回答を表示してくれるため、活用方法次第では、ライティングにも役立てることができます。
検索エンジンでは調査しづらい内容の確認や、文章の要約、外国語の翻訳、簡単なプログラミングなどさまざまな種類の回答を得ることができます。また、検索意図の調査や読者層の把握など、記事を執筆する際の事前情報などをChatGPTを通して調べることも可能です。
基本的な使用のみなら、料金がかかることもありません。
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本記事では、ライティング効率を向上させるチェックツールを解説してきました。
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