Web上で情報を効率的に伝える手段として「まとめ記事」は非常に人気があります。
しかし、ただまとめ記事を書くだけではなく、SEOの視点から効果的なアクセス向上を実現するためにはしっかりとした作り方が必要です。
本記事では、SEOの観点からまとめ記事を効果的に執筆するための方法を解説します。
企業のマーケティング担当のみならず、初心者ライターやブログを運用している方は必見です。
SEOに強いまとめ記事の書き方
SEOの観点からまとめ記事を効果的に書くには、適切なキーワードの選定やリード文、見出しや内部リンクの活用などさまざまなテクニックを取り入れることが必要です。
ここでは「ネット集客」をテーマに5ステップで紹介していきます。まとめ記事の初心者やブログ記事を運営されてる方は、解説する手順を参考にしてください。
まとめ記事にするキーワードを決める
ネット集客に関する情報をまとめた記事を執筆する場合、正確なキーワードの選定は重要です。
まずは、Google Keyword PlannerやGoogle Trendsなどのキーワードリサーチツールを使用して、ネット集客に関連するキーワードの検索ボリュームや競争率を調査しましょう。
まとめ記事にするキーワードをタイトルや見出しに組み込むことで、アクセスを獲得しやすくなります。
ほかにも、ネット集客に成功している競合サイトのキーワード戦略を分析することも重要です。しっかり参考にして、自身の記事に活かしましょう。
個別記事の内容を決める
中小企業がネット集客を「まとめ記事」で行おうとする場合、キーワードからどんな記事を書くべきかを選択する必要があります。
例えば、以下のキーワードで個別記事を書く場合をそれぞれ見ていきましょう。
- ネット集客 方法
- ネット集客 会社
- ネット集客 個人
- ネット集客 sns
- 中小企業 ネット集客
各キーワードに対して、ノウハウやアプローチ方法を本文に含めることで、読者に役立つ情報を提供できるまとめ記事になります。
ネット集客 方法
効果的なネット集客方法の選定が重要である、という個別記事がよいでしょう。具体的なSEO対策、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなど、中小企業に適した手法を詳しく解説する記事です。
ネット集客 会社
ネット集客を専門とする会社やエージェンシーに依頼するのも有効な手段、という記事もおすすめです。蓄積されたノウハウや実績、コストなどの観点からネット集客会社を選ぶ際のポイントを指南する記事にしましょう。
ネット集客 個人
個人がネット集客を行うことも可能です。個人ブランディング、SNS活用、コンテンツ制作など、個人が自身のビジネスやスキルを宣伝するための手法にフォーカスした記事にしましょう。
ネット集客 sns
SNSはネットサービスの認知やネット集客を行うための有力なツールです。「Facebook」「Instagram」「Twitter」など主要なSNSプラットフォームを活用した集客方法やコツを紹介する記事を作成するとよいでしょう。
中小企業 ネット集客
テーマが少し広義になりやすいキーワードではありますが、中小企業がオンラインビジネスで成功するために必要な情報を網羅する記事もよいでしょう。戦略の立て方や重要なポイントについて具体的に解説し、中小企業がネット集客を通じて競争力を高める方法や事例を紹介する記事です。
個別記事をすべて執筆する
まずは個別記事をそれぞれ執筆しましょう。この時点ではタイトルは気にしなくてよいですが、PREP法に準じて執筆するとまとまりのある記事になるので、おすすめの作り方です。
PREP法(Point, Reason, Example, Point)は、論文やエッセイなどの文章構成手法であり、段落ごとに主張(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、再び主張(Point)という順序で情報を組み立てる方法のことです。
まとめ記事を仕上げる
個別記事がそれぞれ準備できたら、まとめ記事を仕上げましょう。その際には以下のポイントに注意してください。
各個別記事の主要なポイントや要点を抽出し、まとめ記事の冒頭で明確に示す
個別記事で紹介した情報やデータに対して引用やリンクを追加し、信頼性を高める
まとめ記事の結論部分で読者にソーシャルメディアでのシェアや具体的な行動を促すように呼びかける
画像、グラフ、チャートなどイメージのしやすい視覚的な要素を追加する
文章の誤りや不明瞭な表現を修正
まとめ記事と個別記事をつなぐ
完成したまとめ記事と個別記事はそれぞれ独立した状態です。これらを一つのコンテンツとして完成させるためにはつなぎ方が重要になります。
個別記事が独立したままだと、まとめ記事としての流れもよくありません。おすすめの方法は次の4つです。
- まとめ記事と個別記事の間で相互にリンクを設置する
- まとめ記事と個別記事を視覚的に結びつけるために相関性のあるサムネイル画像やバナーを使用する
- まとめ記事の冒頭や結論部分で個別記事の内容や背景を簡潔に紹介する
- ジャンル別にまとめる
これらの方法を組み合わせることで、読者に関連コンテンツを発見させやすくし、サイトの利便性を向上させることが可能になります。
ネット上には初心者向けにコピーするだけで使えるテンプレートも存在するので、有効活用しましょう。
まとめ記事のタイトルはどうすべき?
どのような記事でもタイトルは非常に重要です。まとめ記事も同様で、読者を引き寄せつつ個別記事に誘導できる魅力的なタイトルをつける必要があります。
ここでは3つのポイントを解説しますので、しっかり押さえておきましょう。
ターゲットが誰なのかをタイトルで明らかにする
読者が誰なのかを明確に示すことは大変重要です。ターゲットユーザーの属性や興味関心に基づいて、具体的なキーワードやフレーズを使用してタイトルを作成しましょう。
例えば、「初心者向けのSEO対策講座」とした場合、ペルソナが「SEO初心者で初めてWebサイトを作る人たち」であり、SEO対策に興味のある読者に向けたコンテンツだと明示できます。
「自分の悩みを解決してくれる記事である」と読者にアピールすることで、クリック率上昇も期待できるでしょう。
どんなタイトルがいいか、ペルソナやターゲットを指定して、ChatGPTに例文を生成してもらうのもおすすめです。
一番言いたいことをタイトルに入れる
まとめ記事のタイトルは、主要なメッセージや要点を簡潔に伝えることを意識しましょう。
読者に伝えたい情報や提供したい価値を一言で表現できればベストです。
例えば、「最短で効果的なダイエット方法まとめ」と一番伝えたいことをタイトルに盛り込み、読者の関心を引きつけましょう。
興味を引くタイトルを作成することで読者に関心を持ってもらい、クリックや閲覧が促進されます。
検索結果に並んだときの見た目を意識する
まとめ記事のタイトルは検索結果ページに表示されたときに目立ち、クリック率を向上させる役目もあります。
そのため、タイトルを具体的で魅力的な表現にし、キーワードを効果的に配置しましょう。
具体的には、「美肌ケアの秘訣まとめ|効果的なスキンケア方法を一挙紹介!」と設定した場合、検索結果ページで目に留まりやすくするため、キーワード「美肌ケア」を前面に押し出しています。
要点やメッセージをタイトルに取り入れ、検索結果でいかに目立つかを意識することが大切です。
まとめ記事の役割とは?
まとめ記事は個別記事の内部リンクを一つの記事に集めたページのことですが、具体的な役割を説明できる方は少ないかもしれません。
役割をしっかり理解することで、まとめ記事の作り方もわかってきます。ここでは2点にフォーカスして紹介していくので、ぜひチェックしてください。
記事同士をつないで情報を補完しあう
1つ目は、関連する個別記事をまとめる役割です。
複数の個別記事の要点や主題を一つのコンテンツにまとめることで、読者に情報を総合的に提供し、補完し合うことができます。
まとめ記事内で関連記事へのリンクや内部リンクを活用することで、読者は必要な情報にアクセスできるようになるでしょう。
読者が記事を見つけやすくなる
2つ目は、読者が必要とする情報を見つけやすくする役割です。
特定のトピックやキーワードに関連する個別記事を統合することで、読者はまとめ記事を通じて関連コンテンツに素早くアクセスできます。
さらに、まとめ記事のタイトルや見出しを適切に最適化することで、検索エンジン結果ページでの表示も改善が可能です。その結果、読者の閲覧率やクリック率向上も期待できるでしょう。
まとめ記事を作ることで得られる効果
まとめ記事を作成することは決して容易ではありません。ターゲットに届けるためのキーワード選定や個別記事の執筆など、さまざまな労力が必要です。
しかし、まとめ記事には大きなメリットがあります。具体的に紹介していくので、まとめ記事の書き方や作り方に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
検索意図を網羅できる
まとめ記事は複数の個別記事をまとめることで、多様な検索意図に対応することができます。
例えば、「旅行先のおすすめ観光地まとめ」というまとめ記事では、観光地の特徴やアクティビティ、アクセス情報といった読者の検索意図に応えることが可能です。
読者のニーズに適切に応えているコンテンツはSEOでの評価があがるので、上位掲載が期待でき、より多くの集客が見込めるでしょう。
滞在時間・回遊率があがる
まとめ記事では、関連記事へのリンクや情報の総合性が読者の興味を引き、滞在時間や回遊率を向上させる効果があります。
例えば、「最新のスマートフォンまとめ」という記事では、読者は個別記事を読み進めることで新しいスマホに関する情報の取得が可能です。
そのため、ユーザーが長い時間サイト内に滞在したり、関連記事に遷移したりするなどの回遊率が向上します。結果、質の高いサイトであるとSEOに評価され、掲載順位の上昇が見込まれるでしょう。
内部リンクでSEO強化ができる
個別記事との内部リンクを積極的に活用することで、まとめ記事のSEO対策も実行できます。
なぜなら、関連記事へのリンクを追加することで、検索エンジンのクローラーがサイト内のコンテンツを効果的にクロールしやすくなるためです。質の高いコンテンツであるとSEO評価が高まることで、上位掲載の可能性があがります。
古い記事でも注目され続ける
まとめ記事はたとえ古い記事でも注目され続けることがあります。
トレンドの変化に応じて古い記事がまとめ記事内で関連コンテンツとして再度紹介されれば、新たな読者の関心を引くことができるでしょう。
過去のブログ記事や個別記事の価値が見直され、注目を集めることは大いにあります。そのため、個別記事はしっかり丁寧に作成しましょう。
再訪問されやすい
情報のまとまりや読みやすさから、読者に再訪問されやすいコンテンツなのもまとめ記事の特徴です。
例えば、「年末セール情報まとめ」という記事は、読者がセール期間中に何度もアクセスして最新情報をチェックします。
その結果、セール品の購入を検討している読者の再訪問率が高まり、アクセスの定着や記事のSEO評価向上も可能です。
再訪問率が高いということは、読者が提供されたコンテンツに満足しているという証拠になります。検索エンジンはユーザーが満足するような高品質なコンテンツを提供するWebサイトを評価してくれるので、順位上昇の可能性がアップするでしょう。
まとめ記事を作るときの注意点
質の高い個別記事ができても、まとめ記事がしっかり機能していなければ意味がありません。
SEOの評価を気にする前に、基本的なまとめ記事作成時の注意点をチェックしておきましょう。
目次ページにならないように注意する
よくあるミスとして、まとめ記事が目次のまとめだけのWebサイトになってしまうことがあげられます。
情報を簡潔かつ明確にまとめることに注力しすぎたために、極端に文章が短くなったりただの箇条書きになったりすることが珍しくありません。
その結果、目次ページのようになり、まとめ記事とは呼べなくなってしまいます。読者は具体的な情報を求めているため、必要な要点やポイントを押さえた充実した内容を提供することが重要です。
単なる長文記事にしない
まとめ記事は情報の集約と要約を行うものですが、ただ単に長文を作るだけでは読み手にとっては負担となります。
情報がばらばらで整理されていないと、「結局、何が言いたい記事なの?」となりかねません。
そのためにも、簡潔でわかりやすい言葉を使い、要点を明確にまとめることを意識しましょう。読者が情報をスムーズにインプットできる記事であるか、第三者に読み直してもらうのもおすすめです。
以下の記事では、単なる長文記事にならないための、Webライティングのルールや注意点を解説しています。参考にしてみてください。
定期的にメンテナンスする
情報は常にアップデートされます。まとめ記事も例外ではないため、新しい情報やトレンドが出てきた場合には、定期的にまとめ記事を更新しましょう。
すでに新しいiPhoneがローンチされているにもかかわらず、数年前の機種の使い方を解説していてはコアなユーザーしか訪問せず、新規の読者は増えません。
また、古くなった情報が掲載されたままでは読者の信頼性が低下するだけでなく、検索エンジンの評価も下がる可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスは必ず行いましょう。
既存の個別記事からまとめ記事を書く方法は?
すでにいくつかの個別記事やブログ記事を持っている方は、ぜひまとめ記事を活用してください。
本記事でお伝えしている通り、読みにきた読者が関連記事を探しやすくなったり、内部リンク強化でSEO効果が高くなったりするなどの恩恵も受けることができます。
同じキーワードや検索意図の記事を探してみる
例えば、「海 ダイビング」というキーワードで既存記事を探したとします。もしくは、「ダイビングにおすすめの海を知りたい」という意図でもよいでしょう。
自分の書いた記事の中に共通するテーマ(ここではダイビングや海)を選ぶコツといったポイントが見つかりませんか。
このように共通するテーマや要点をまとめ、まとめ記事の構成を考えてみましょう。長文を避け、簡潔かつわかりやすい表現を心がけることで、読者に有益な情報を提供するまとめ記事ができあがります。
関連性が高い記事を探してみる
まとめ記事を作成する際、キーワードが完全に一致している必要はありません。関連性が高く、似たようなテーマや内容を持つ個別記事をまとめれば、それはまとめ記事の第一歩となります。
例えば、「ダイビングにおすすめの海10選」というまとめ記事をライティングする場合、ダイビングに関連するさまざまな要素を網羅する個別記事を内部リンクで繋ぎながらまとめてみましょう。
初心者向けの体験ダイビングの情報や必要な機材、日本の海なのか海外の海なのかなど、関連するトピックは多岐にわたります。
既存の個別記事に関連したテーマやキーワードがないか探してみましょう。
カテゴリーページとまとめ記事の違い
まとめ記事の内容や構成、役目を理解してくると「カテゴリーページとは何が違うの?」と疑問に感じる方も出てくるでしょう。
結論から言うと、カテゴリーページとまとめ記事は似たような機能を持っていますが、意味は全く違います。最後にカテゴリーページとの違いについてお伝えしましょう。
カテゴリーはナビゲーション
カテゴリーページはWebサイト内のコンテンツを分類し、目的の情報にスムーズにアクセスするためのナビゲーションの役割を担っています。
ユーザーがトップページからのリンクやメニューから直接アクセスし、特定のトピックや関連コンテンツにたどり着くための導線ともいえる存在です。
一方、まとめ記事はキュレーションの役割を果たしています。まとめ記事は個別の情報源や記事からの引用やリンクを活用し、関連コンテンツへの参照や追加情報をユーザーに提供することが目的です。
その結果、ユーザーはまとめ記事を通じて、複数の関連情報にアクセスし欲しい情報を取得することができます。
そのため、カテゴリーはナビゲーション、まとめ記事はキュレーションという役割の違いを意識することが重要です。
まとめ記事は単体で価値のあるコンテンツ
まとめ記事は単体で読者に価値のある情報を提供し、カテゴリーページはナビゲーションの一環として、ユーザーが目的のコンテンツにアクセスできるようガイドします。
まとめ記事自体が独立したコンテンツとしての価値を持ち、読者にとって一つの情報源として役立つでしょう。
しかし、カテゴリーページは個別のコンテンツを含んでいるわけではありません。あくまでカテゴリーに属するコンテンツへのリンクや概要を表示する役割にとどまります。
つまり、この2つには価値の優劣はなく、役割分担があるということです。
まとめ記事を活用してアクセスを集めよう
まとめ記事は、関連する個別記事を繋げて一つの情報源とすることで、読者にとっての利便性や付加価値を高めます。
他の個別記事と比較しても付加価値が高く独自のコンテンツとして成り立っているため、Webサイトへのアクセスを集めることが可能です。
また、まとめ記事はシェアやリンクの対象となりやすく、検索エンジンからのアクセスが増加しやすいのも特徴となっています。そのため、アフィリエイトといった収益化も夢ではありません。
本記事を参考に、ぜひ質の高いまとめ記事を作成しましょう。