時系列を活用した書き方|Webの文章を最後まで読ませるコツとテクニック

記事を書くとき、思いついたことからやみくもに書き始めていませんか?

もし「文章が分かりにくい」と言われたことがあるなら、それは思いついたまま、文章の流れを意識せずに書き始めていることが原因かもしれません。

読み手に誤解されず、最後まで読んでもらうためには文章の流れが大切です。

そこで役に立つのが「時系列法」。時系列法はライティングに慣れていない方でも使いやすく、相手に伝わりやすい書き方です。

また、Webライティング以外でもビジネス文書やメール、報告書などにも活用できるので、ぜひ使い方をマスターしてください。

目次

時系列で文章を書くとは?

「時系列」とは、時間の経過の順に古いモノから物事を配列すること。

出来事や伝えたいことを、「時間」を軸として順序立てて配置することで、過去から現在に至る流れを把握しやすくなります。

文章を書く場合でも同様です。

時間の流れどおりに配置された構成

話の流れが「過去」→「現在」→「未来」とつながる時間の流れのとおりに配置されている書き方を「時系列法」といいます。

時間軸に沿って書かれているので理解しやすく、読み手が記事の内容に混乱することなく、スラスラと読み続けやすくなるのです。

歴史に関する記事や、人物の成功話、あるいは悩みや問題を解決するに至った経緯を伝える場合などで時系列法がよく使われています。

子ども向けの絵本は時系列に沿った展開

例えば、「桃太郎」や「かぐや姫」など子供向けの絵本や童話は、過去から現在へと時間の流れに沿って、時系列で話が展開されていますね。

それは、起こった出来事が古い順につなげられているシンプルな構造のため、子どもでも話の流れに着いていきやすく、結末が理解しやすいため。

また、親から子へ読み聞かせたり、代々言葉で伝え続ける場合に、シンプルな構造の時系列で説明するほうが容易なことも理由の一つです。

時系列を活用した基本的な書き方

時系列の書き方の基本は非常にシンプルで、起こった出来事を古いことから順番に書くだけです。

ただし、正しい順番で書くためには、内容やトピックの時間経過をしっかり把握・確認して文章を構成しなければいけません。

そのうえで、誰にでも流れを理解できるように話をつないでいく必要があります。

では、読み手が時間の流れを把握しやすくなる基本的な書き方を、具体例を交えながら解説しましょう。

まずは→次に→最後に

物事を順番に整理しながら説明する方法で、時系列法のもっとも基本的なのが「まずは→次に→最後に」と話題をつなぐパターン。

読めば誰も誤解しようがない、明確な説明文を書くことができます。

料理のレシピ解説などでもよく使われる手法です。

例文

まずは(最初に)、鍋に水500mLを沸かす
次に、麺を入れてほぐしながら3分茹でる
最後に、スープの素を入れて完成

ただし、出来事を順番に並べていくだけなので、文章が日記のように単調になりがちです。

あまり多用すると、読者が飽きてしまうことがあるので注意が必要です。

以前は→現在は→今後は

過去の状況を説明したうえで、現状の解説、そして将来的な展望へと読者の関心を導いていくのが「以前は→現在は→今後は」を使う方法。

昔の状況から話を進めることで、読者は「これからどうなるんだろう?」「いまはどうなっているんだろう」と興味を持ち、結論まで読み進めやすくなります。

過去と現在を比較する内容の文章などでよく使われる手法です。

例文

以前は(昔は)、「がん=不治の病」とされ、治る見込みがなかった
現在は、治療法が確立した「がん」もあるほか、早期発見の技術も進化
今後は(将来は)、「がん」も通院で処方された薬を服用すれば治るようになると期待

1番目は→2番目は→3番目は

また起こった出来事や考える順番を時系列順に数字をつけて書くことでも、読みやすく、分かりやすい表現が可能。

余計な修飾語をつけず、シンプルに事実のみを伝えるときなどに便利です。

Webライティングだけでなく、プレゼン資料などでも相手が理解しやすい説明ができます。

例文

ブログの記事を書くときは、1番目にテーマ決め、2番目はキーワード選定、3番目に競合調査、4番目に構成案作成、最後にライティングの順序で進めるといいでしょう。

時系列を応用した書き方

時系列法の基本は、「過去→現在→未来」へと時間の流れに沿って書くことです。

しかし、あえて時間の流れを前後させることで、読者の好奇心をあおったり、信ぴょう性を高める応用的な使い方もできます。

ここからは、時系列を応用した書き方のノウハウを目的別に3つお伝えしていきます。

説得するとき:結論を伝えてから時系列で説明する

読み手を説得する文章を書く場合は、最初に「結論」を書くのが効果的です。

結論を最初に伝えた後に、結論に至った経緯を時系列で説明することで、問題点を強調でき、説得力のある文章になります。

例文

【結論】
将来、人類は宇宙に移住できるようになる
しかし、そのためには国を超え、民間も含めた協力体制が必要

【過去】
昔から、人類は宇宙に大きな畏敬の念を持っていた
20世紀になり、初めて月面着陸に成功

【現在】
いまでは宇宙旅行も始まるなど宇宙との距離が縮まり、人類の宇宙移住計画も進行

【未来】
その実現には、水や食料の確保、酸素の供給、放射線対策など課題も山積
全地球規模での官民一体となった協力が必要

行動を促すとき:経緯を時系列で述べてから行動を促す

商品を買ってもらう、サービスを体験してもらうなど、読み手に行動を促す場合にも時系列法が応用されています。

例えば最初に、「あなたと同じ悩みを解決できました」と結論を伝えます。

その後、おススメしようと思った経緯を時系列で解説する流れです。

CMやセールスレターのコピーなどで、よく見かけるのではないでしょうか?

例文

半年前まで月給12万円程度だった自分が、月収50万円稼げるようになった秘密を教えます

①40歳のわたし、自動車整備工場で働いていたころの月給は手取り約12万円
②ある日、YouTubeで「誰でも月収7桁稼げる副業」という動画を見て実践
③すると本当に半年後には50万円稼げるように!
④その秘密をぜひ体験してほしいので、興味がある方はご連絡ください

興味を惹きたいとき:あえて時系列をずらす

内容をドラマティックに盛り上げたいときには時系列をズラして書くのも有効です。

テレビドラマや映画などでも、生々しい場面など印象的なシーンから始まる作品は、あえて時系列をズラして視聴者や観客を飽きさせない構成になっています。

例えば時系列で語られる「かぐや姫」のストーリーは以下のとおり。

①おじいさんが竹を切るとかぐや姫が現れる
②おばあさんとおじいさんに育てられたかぐや姫は美しい娘に成長
③多くの若者から求婚の話が舞い込む
④一番不思議な宝物を持ってきた若者と結婚することに
⑤しかしみんな偽物の宝物
⑥ある日、かぐや姫はおじいさんに「私は月から来た」と告白

しかし、例えば、⑥の突然の告白から話を始め、③④⑤の求婚話や①②のかぐや姫とおじいさんたちとの出会いやエピソードを語り、最後に⑦の別れへ話を進めるとどうでしょう。

時系列どおりのシンプルさよりも、メリハリのあるドラマティックな展開になり、読み手の興味を惹きつけることができます。

時系列で文章を書くメリット

ここまで時系列を使ったライティングの基本と応用について解説してきました。

ライティング初心者にも優しい時系列法ですが、時系列を使って文章を書くメリットにはどういうものがあるのか、見ていきます。

理解しやすく誤読されにくい

先述のように、時系列のとおりに組み立てた文章は、子どもにも理解しやすく、分かりやすい構成になるのが最大のメリットです。

時間の流れに沿って順番に読み進めれば、自然と話の展開が把握できるので、内容も理解しやすくなります。

大きな話題の転換や結末で待っているドンデン返しもなく、起こった出来事が淡々と語られるので、誤解も混乱もありません。

シンプルな時系列は簡単に構成できる

時系列で書いた文章が理解しやすい理由のひとつは、構成が非常にシンプルなこと。

時代を超えて伝聞されてきた昔話や神話などの多くが時系列法で書かれていることから分かるように、シンプルなので理解しやすいのです。

ライターにとっては、古い順に書き進めればいいだけなので、情報や内容を整理しやすく、文章全体をまとめやすくなるのがメリット。

一方、読者にとっても、時間の流れのまま順番に内容を把握できるので、理解しやすい内容になります。

時系列の操作でさまざまな印象を創出できる

時系列を応用した書き方で紹介したように、あえて時間の流れを崩して書くことで、違った印象の文章に作り替えることができます。

同じ文章でも、誰を(何を)メインにするのか、何を伝えるのかによって、順番を入れ替えることでさまさまな印象の文章を作ることが可能。

例えば、「かぐや姫」でも、主人公をかぐや姫ではなく、求婚する若者たちや、おじいさんとおばあさんの暮らしに焦点を当てると、全く違った印象の物語に変わりますね。

時系列で文章を書くときのポイント

比較的、使いやすい時系列法とはいえ、書き始める前には何を書くかを事前にまとめておく必要があります。

それを怠ると、書き進めるうちに時系列がバラバラになり、話のつじつまが合わなくなってしまうからです。

そのためには、最初に書く内容や情報を時系列に沿って、箇条書きで書いておくようにしましょう。

また、文章内に人物が登場する場合は、それぞれが登場する順番や役割なども明確にしておくと分かりやすくなります。

そのうえで、文章の目的や読者ターゲットに応じて、時系列をズラして印象を操作したり、分かりやすさを優先して時系列どおりに書くなどの工夫をするといいでしょう。

時系列以外の文章の組み立て方

「時系列法」以外の文章の組み立て方も幾つか紹介しておきます。

どれも比較的使いやすくて、最後まで読んでもらいやすい手法です。

覚えておくと、ライティングに幅ができるので、ぜひ実践してみてください。

「大」「中」「小」で並べる

大きな規模のモノからだんだんと小さなモノへと話を展開する手法で、「ズームイン型」ともいわれます。

大きな話題を先に伝え、少しずつ身近な話題へと導くことで、全体像を把握しやすくなる効果があります。

例文

環境破壊は地球規模で進んでいる

日本でも夏の猛暑やゲリラ豪雨などが多く発生

近くの川も氾濫が危惧される

いますぐ防災グッズの見直しを!

逆に、小さな話題から大きな話題へと転換するのが「ズームアウト型」です。

身近な話題が全体にどういう影響を与えるかを理解しやすくなります。

例文

担当部署の会議が長く、毎回2時間も

他部署でも同様に会議が長いという意見

全社で日々、何十時間も会議が行われている実態が判明

会議効率化ツールの導入を!

「PREF法」で並べる

要点を分かりやすく伝え、説得力を高めたいときにおすすめなのが「PREP法」です。

最初に「結論」を伝える構成で、全体で次の4つの部分に分けて展開します。

P=Point(結論)
R=Reason(理由)
E=Example(例)
P=Point(結論)

冒頭で「結論」が書かれているため、最後まで読まれやすくなり、最後に再度「結論」で締めることで、読者の納得度が高まります。

例文

【結論】内容を順序だてて分かりやすく書くには「時系列法」
【理由】話の流れに沿って話が進むので、子どもにも理解しやすいため
【例】「桃太郎」や「かぐや姫」など童話の多くが時系列で書かれている
【結論】誰にでも分かりやすい文章には「時系列法」がおすすめ

PREP法はWebライティングでよく使われる手法です。以下の記事では、PREP法以外にもWebライティングで意識したい基本ルールを紹介しています。ぜひご覧ください。

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「リスト形式」で並べる

冗長で読みにくい文章は読者には大きなストレスです。

文章が長くなる場合は、最初に全体像だけを説明したうえで、細かい内容は項目ごとに「リスト形式(=箇条書き)」で書くことで、視認性が高まり、読みやすくなります。

例文

カレーを作るために必要な材料は、肉とたまねぎ、じゃがいもや人参のほか、スパイスとしては、クミン、コリアンダー、ターメリックです。

カレーに必要な材料は以下になります。

(具)
・肉
・玉ねぎ
・じゃがいも
・人参

(スパイス)
・クミン
・コリアンダー
・ターメリック

「読者が知りたい順」で並べる

読者は、できるだけ自分が知りたい情報から順番に読みたいと思うもの。

そこで効果を発揮するのが、時系列の順番を入れ替え、「現在→過去→未来」の流れで書く方法です。

最初に現状を伝えたあと、過去どうであったかを説明し、最後に今後の展望で締めくくります。

テレビのニュースなどでよく見かける手法ですね。

例文

【現在】今年は幾つかの花火大会で座席を有料化
【過去】ここ数年、観客が急増する一方、スポンサーが減少
【未来】今後は全国花火大会が有料化される可能性

最後まで読んでもらう文章に必要な要素

「時系列」などの文章構成以外にも、読み手に最後まで読んでもらうために、気をつけるべき重要な要素や工夫があります。

Web上の記事だけでなく、書類やDMの案内文などを書く際にも有効なので、覚えておくと役に立つでしょう。

興味を引くタイトルと導入部分

読み手が、その文章を最後まで読むかどうか判断するのは一瞬です。その一瞬で「読んでみよう」と思わせるポイントは「タイトル」です。

タイトルで興味を引かないと、どんな素晴らしい記事も読んでもらえません。

タイトルで読者の興味を惹きつけたら、今度は冒頭の「導入文」で「最後まで読み続けてみようかな」と思わせなければいけません。

このタイトル+導入文の作成には、十分時間をかけて練るようにしてください。

導入文の書き方は、文章を読み進めてもらうためには身につけたいスキルです。以下の記事で理解を深めておきましょう。

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分かりやすい構造

長編物語でない限り、文章は分かりやすさを最優先させなければいけません。

複雑な構成で、理解するのが困難な構造の記事は、著名なライターの文章でなければ、受け入れられずに、完全にスルーされます。

「時系列法」や「PREP法」などの分かりやすい構造で、小学生や中学生でも難なく理解できる文章を心掛けてください。

読者の共感を集める工夫

読者は記事に共感できる部分を求めます。

記事内で「あ、そうそう!」とか「わかる~!」とうなずける箇所があると、その記事にグッと親近感を持ち、最後まで読み進める確率が上がります。

そのためには、ターゲットとしている読者層が「何を、どう考えているのか?」「彼らのいまのトレンドは何か」「志向性はどうなのか?」などについて、日頃からアンテナを張っておくようにしましょう。

さらにコラムとブログの違いを意識して、客観的な表現を心がけることで読者の共感を得やすくなります。

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読者の驚きや新たな発見

何のために読者は記事を読むのか?その答えの一つが「自分では気づかなかった驚きや発見に出会う」ためです。

発見も驚きも共感もない文章を読む意味はありません。

「これどこかで読んだな」とか「いまさら…」と思われる情報では、読者は納得しません。

読んだ後、読者に「何を感じ、何を得て欲しいか」を常に考えながら書くようにしましょう。

読者に合わせた言葉遣い

コンテンツを作る場合、最初に読者ターゲットを設定します。

そのターゲットが興味がありそうな内容にするのは当然ですが、ターゲットに合った言葉遣いで文章を書くことも重要です。

設定した読者ターゲットが使うフレーズや言葉遣いを織り交ぜながら文章を組み立てることで、共感を得て、最後まで読み進めてもらう確率が高まります。

そのためには、日頃から読者ターゲットの志向性を調べておく必要があります。

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分かりやすい文章で「伝える力」を磨こう!

Web上の記事を始め、企業内の文書や報告書、提案書など、すべての文章は最後まで読んで欲しいと思い書いています。

さまざまな情報が次々と押し寄せる中で、読者の目に留まり、さらに最後まで読み進めてもらうためには、何をどう伝えるかが重要です。

その基本となるのが「分かりやすい文章」を書くということ。

誰でも読みやすく、理解しやすい内容で書かれている文章を書くには幾つかのコツとテクニックがあります。

その一つが、今回紹介した「時系列法」などの文章構成を活用することです。

幾つかの文章構成のパターンを習得し、使い分けることで、読み手に合った、分かりやすい文章が書けるようになります。

今後、文章を書く際には、常に構成パターンを意識して、「伝える力」を磨くようにしましょう。

記事スナイパーはオウンドメディア構築の経験も豊富。

ただ記事を大量生産するだけではなく、マーケティング分析とSEOの知見をかけ合わせ、ターゲットに「刺さる」オウンドメディアの構築をおこないます。

もちろん、記事執筆のご依頼もお受けしますので、1記事からでもご相談ください。

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