体言止めの効果とは?文章の質を劇的に向上させるテクニックと注意点

体言止めは、魅力的な文章を作成するうえで欠かせない表現技法の1つです。

オウンドメディアやブログなどのコンテンツで文章にリズム感を持たせたり、読者の興味を引いたりする効果が期待できます。

本記事では、体言止めの基礎知識と、文章の質を向上させるテクニックを中心に徹底解説していきます。

文章表現のバリエーションを広げたい、ライティングスキルをアップしてSEO対策をしたいと考えているライターさんは、ぜひチェックしてみてください。

目次

体言止めとは

体言止めは、ライティングでよく用いられる手法です。

概要や特徴、具体的な使い方を紹介します。

名詞や代名詞で文章を終わらせるテクニック

通常、文章の語尾は「です」や「ます」、あるいは「だ」や「である」などでしめることが多いでしょう。

一方、体言止めは、あえて名詞や代名詞で文章を終わらせるテクニックです。

通常の文章と、体言止めを用いた文章を比較してみましょう。

【通常】あなたが見つけたネックレスは、私が探していたものです。

【体言止め】あなたが見つけたネックレス。それこそ私が探していたものです。

体言止めを使った文章では、前半部分が「ネックレス」という名詞で終結していることがわかりますね。

体言の意味

体言とは、名詞や代名詞の総称です。名詞は文章の主語として使うことができ、動詞の活用のようにほかの言葉に変わることはありません。

名詞・代名詞の種類は、以下のとおりです。

【名詞】

・普通名詞:一般的な物事を表す言語(花、マンション、ジュース など)

・固有名詞:固有ものに付けられた名称(富士山、日本、ピカチュウ など)

・数詞:数量や順番を表す言語(1つ、2個、3日目 など)

・形容名詞:抽象的な物事を表す言語(こと、もの、とき など)

【代名詞】

・形容名詞:抽象的な物事を表す言語(こと、もの、とき など)

・指示代名詞:物事・場所・方角などを指す言語(あれ、それ、これ、あちら、どちら など)

・人称代名詞:特定の人物を指す言語(私、あなた、彼、彼女、あなたたち など)

上記の言語が末尾に来ることを「体言止め」と呼びます。

体言止めの効果

体言止めを活用することで、文章のなかで伝えたいことを強調したり、リズムを生み出したりする効果が期待できます。

体言止めの効果について、以下3つを紹介します。

強調効果により文章に余韻が残る

体言止めは、特定の言葉を強調させ「なにを伝えたい文章なのか」を明確にする際に役立ちます。

通常の文章と、体言止めを用いた文章を比較してみましょう。

【通常】彼の後を追っていくと、レンガ色のマンションへたどり着きました。

【体言止め】彼の後を追ってたどり着いたのは、レンガ色のマンション。

体言止めを活用したことで「レンガ色のマンション」がポイントになり、読み手に情景を鮮明にイメージさせることが可能です。

また、普通の文章よりも余韻が残り、次の文章へと促す効果も期待できます。

強調記号を使用して文章を強調する方法もありますので、以下の記事を参考にして、読みやすい文章を目指しましょう。

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リズムがよくなりこなれた文章になる

文章で同じようなリズムが続くと、単調な印象を読者に与えてしまいます。

体言止めをアクセントとして用いることで、リズム感がありこなれた文章を作成することも可能です。

通常の文章と、体言止めを用いた文章を比べてみましょう。

【通常】
夏休みには祖父・祖母の家に遊びに行きます。毎年みんなで集まって、大きなスイカを食べています。海も近いのでビーチでも遊べます。そして、近隣では花火大会も開催されるので、屋台のりんご飴や焼きそばを食べながら鑑賞するのが楽しみです。

【体言止め】
夏休みには祖父・祖母の家に遊びに行きます。毎年みんなで集まって食べるのは、大きなスイカ。海も近いのでビーチでも遊べます。そして、近隣で開催される花火大会。屋台のりんご飴や焼きそばを食べながら鑑賞するのが楽しみです。

通常の文章では、リズムが単調で伝えたいこともぼんやりとしています。

一方、体言止めを使った文章では文末のバリエーションが増えたことでリズムが生まれ、読みやすさも向上しました。

断定のニュアンスを強められる

体言止めは、通常の「です、ます調」や「だ、である調」の文章よりも言い切った印象を与えます。

そのため「です・ます・だ・である」といった文末表現を抜くだけで、断定のニュアンスを強める効果が期待できるのです。

たとえば「よそはよそ」は体言止めを使った文章ですが、通常の「よそはよそです」とするよりも、冷たく有無を言わさないイメージになるでしょう。

このように、「AはBです」を「AはB」という体言止めの文章にすることで、断定のニュアンスを強めた表現が可能です。

体言止めが効果的な場面

体言止めは、短い文章で要点を伝えたいときなどに活躍します。

具体的に、体言止めが効果的に使える場面を見ていきましょう。

長すぎる文章を分割するとき

文章が長すぎると読みづらく、意味が伝わりにくい文章になってしまいます。

冗長表現や不要な語句を削除してもすっきりしないときは、体言止めを活用しましょう。

例文は以下のとおりです。

【元の文章】
昨晩カレーを作ったのですが、味付けが辛すぎたのか子どもたちが食べられず、急遽レトルトカレーで代用しました。

【体言止め】
昨晩作ったカレー。味付けが辛すぎたのか子どもたちが食べられず、急遽レトルトカレーで代用しました。

文章が長すぎるときは「、」や「~が」などがある箇所から2分割できないか検討してみましょう。

文末表現が単調なとき

体言止めによって文末表現を増やすことで、読者が飽きることなく読みやすい文章に仕上がります。

通常の文章と、体言止めを用いた文章を比べてみましょう。

【通常】
週末は、グルメ番組で特集されていたレストランに家族で行きました。私は看板商品のパスタとピザを注文しました。どちらも本場の味付けでした。

【体言止め】
週末に家族で行ったのは、グルメ番組で特集されていたレストラン。私は看板商品のパスタとピザを注文しました。どちらも本場の味付けでおいしかったです。

通常の文章では「~した」が3回続いており、違和感がある文章です。

一方、体言止めを取り入れた文章は、文末表現が豊かでスムーズに読める文章へと改善できています。

文字数の節約が必要なとき

新聞の見出しなど、文字数を節約して要点を伝えたいときも、体言止めが使われています。

新聞の見出し例は、以下のとおりです。

・小児がん治療 大きな一歩

・自民総裁に 岸田氏

・2019年 元日から新元号

上記の見出しでは「小児がん治療は大きく一歩前進した」などと書きたいところを「小児がん治療 大きな一歩」と体言止めでまとめることで、文字数を大幅に削っています。

記事タイトルを作成するとき

記事タイトルは、目安として30文字以下で、読者の興味を引くような要素を盛り込む必要があります。

体言止めは短く要点を伝えられるだけでなく、読者の興味を惹きつける表現にも最適です。

参考として、文章のプロが手掛けているであろう「日経経済新聞」サイトの記事タイトルを見てみましょう。

・ちょうちんや風車、福井の城下町に涼しげな映え 大野市

引用元:日本経済新聞

上記のタイトルで体言止めを使用しない場合「福井県大野市の城下町でちょうちんや風車を設置し涼しげな情景で写真映えをアピールした」となります。

文字数が多いうえに内容もぼんやりとしているので、やはり体言止めを取り入れたほうが効果的であることがわかりますね。

体言止めを用いた例文

記事作成でどのように体言止めを使うか、迷うこともあるでしょう。

以下の例文を参考に、実際のライティングにも取り入れてみてください。

・帰宅途中で目に留まったのは、真っ白な猫

・世界でも難しいとされる日本語

・1時間以上も待たされるのは、今日で3度目

・大切なのは、あきらめないこと

・置手紙を残してまっすぐ帰宅した彼

名詞・代名詞にもバリエーションがあるので、表現を少し変えたいときや、文章にリズム感がほしいときなどに活用するのがコツです。

体言止めを多用してはいけない理由

体言止めは、適切なタイミングで使うとさまざまなメリットがあります。一方で、多用してしまうとぶつ切りで雑な印象を与えてしまうなど、デメリットもあげられます。

多用すべきでない理由は、主に以下4つです。

リズムが崩れて読みにくい文章になる

体言止めは、文章を途切れさせることでリズムを生み出す技法です。そのため、多用するとかえってリズムが崩れ、読みづらい文章になってしまいます。

例文を見てみましょう。

【体言止めを取り入れた文章】
ケーキをふわふわに仕上げるために重要なメレンゲ。卵白と砂糖を混ぜ合わせることで作れますが、しっかりと泡立てないとスポンジがしぼむ原因になります。


【体言止めを多用した文章】
ケーキをふわふわに仕上げるために重要なメレンゲ。混ぜ合わせるのは卵白と砂糖。しっかりと泡立てないとスポンジがしぼむ原因になります。

1文に連続で体言止めを使うと、上記のようにぶつ切りな文章になってしまいます。体言止めは、ここぞというタイミングで使用しましょう。

正確な意味が伝わらないリスクがある

体言止めは余韻を持たせる手法ですが、含みを持たせることで人によって受け取り方が変わる可能性があります。

例文を見てみましょう。

【本来の文章】この薬は効果があると思います。(筆者の推測)

【体言止めを使った文章】効果的なのがこの薬

上記のように「根拠があって効果があると断定している」のか「筆者の推測で効果があると述べている」のかが曖昧になってしまいます。

文章の品格が下がる

体言止めを使いすぎると、箇条書きを見ているような印象を読者に与えてしまいます。

例文を見てみましょう。

【例文】
SEO対策には、まず読者の悩みを解決できる内容を盛り込むこと。そして、読者に読んでもらえる文章を作成するために必要なのはライティングスキル。Googleのロボットに評価してもらいやすい構造を取り入れることも重要。

上記のように、メモ書きに近い工夫のない文章と捉えられてしまう可能性があります。

使用は1段落に1回を目安にする

体言止めは、名詞の後ろに続く語句を省略する表現です。多用すると省略過多になってしまうため、多くても1段落1回の使用を目安にしましょう。

基本的には「強調したい語句がある」「リズム感がほしい」「文末表現を変えたい」など、使う目的がはっきりしているときに取り入れることをおすすめします。

体言止めが適さない場面

体言止めは、ジャンルやメディアごとのルールによっては使用できないこともあります。

体言止めが適さない主な場面について、以下4つに分けて解説します。

ビジネス文書

契約書や請求書といったビジネス文書では、基本的に敬語を使います。

また、情報の正確性も重視されるため、文章に含みを持たせる体言止めは適していません。

たとえば「経費を削減」という文章だけ書かれていると「削減に成功した」のか「削減を目標としている」のか、判断できないでしょう。

ビジネス文書では、誠実さ・正確さを重視した文章作成を意識しましょう。

相手へ敬意を示す必要がある場合

ビジネスシーンでは、なによりも相手に失礼のない言葉遣いが重要です。

体言止めは敬語を省いた表現になるため、敬意を示したい場面では避けるべきといえます。

ビジネスメールを例に見てみましょう。

【体言止めを使ったビジネスメール】

株式会社○○
鈴木太郎様

いつも大変お世話になっております。

○○会社の山田次郎。

以下スケジュールの共有。

1月度ミーティング:〇月〇日

引き続きよろしくお願いいたします。

上記の文章では、相手に不誠実な印象を与えてしまいます。

「○○会社の山田次郎でございます。」「以下スケジュールを共有いたします。」など、1文ずつ丁寧な表現を使用しましょう。

トンマナで禁止されている場合

メディアによっては、体言止めの使用が禁止されていることもあります。

ビジネス全般や経済系、医療系のジャンルにおいては堅い文章が求められることが多いため、トンマナには注意が必要です。

箇条書きならOK

ビジネス文書やビジネスシーンでは、基本的に体言止めはNGです。しかし、箇条書きで情報をまとめたほうがよいときは、体言止めを使います。

箇条書きなし・ありの文章を比較してみましょう。

【箇条書きなし】
いつも大変お世話になっております。会食のスケジュールですが、日時は〇月〇日 19時30分~で調整しております。場所は〇〇店、住所は〇〇です。よろしくお願いいたします。

【箇条書きあり】
いつも大変お世話になっております。会食のスケジュールですが、以下のとおり調整しております。

【日時】〇月〇日 19時30分~

【場所】〇〇店

【住所】〇〇

よろしくお願いいたします。

箇条書きなしでも理解はできますが、箇条書きありでは一目で必要な情報が伝わりますね。

体言止め以外の表現方法

体言止め以外にも、余韻を持たせたり、印象的な文章にする手法があります。

以下2つの表現方法を説明します。

省略法

省略法は、文章の一部をあえて省略することで、余韻を持たせたり、意図した印象を強くする手法です。

主語や助詞が省かれることが多く、広義では体言止めも含まれています。

省略法の例文は、以下のとおりです。

例文

・ついに北海道へ拡大(します)
・世界中のあらゆる不動産を(仲介します)

倒置法

倒置法は、通常の文章とはあえて逆の語順にすることで、印象を強める手法です。

普通の文章では単調であっても、倒置法を用いることで文学的・情緒的な表現ができます。

倒置法の例文は、以下のとおりです。

例文

【通常】私に傘を届けさせるために、わざと傘を置いていったようだ。

【倒置法】わざと傘を置いていったようだ、私に傘を届けさせるために。

この他にも文章表現の工夫にはさまざまな技法があります。文章表現の工夫を「修辞法(レトリック)」といい、以下の記事で詳しく紹介しています。10種類の修辞法について例文つきでわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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体言止めに関するよくある質問

体言止めについて、まだ疑問をお持ちの方もいるでしょう。

最後に、よくある質問と回答を以下2つ紹介します。

体言止めの反対は?

文章の終わりが用言(述語)になる「用言止め」が反対の文法としてあげられます。

用言は「動詞」と「形容詞」と「形容動詞」の総称です。

・動詞:物事の動作や状態を表す言語(流れる、走る、書く など)

・形容詞:物事の状態や性質を表し「~い」で終わる言語(美しい、高い、忙しい など)

・形容動詞:物事の性質や状態を表し「~だ」で終わる言語(穏やかだ、安全だ、きれいだ など)

体言止めと同様に、ビジネスシーンには適さない表現です。

体言止めを使ったときの句読点の打ち方は?

体言止めには、基本的に句読点は不要です。

ただし、体言止めのあとに文章が続く場合は、句読点を付けます。

例文は以下のとおりです。

【句読点は不要】レッスンの途中で目に留まったのは、真っ白な猫

【句読点が必要】レッスンの途中で目に留まったのは、真っ白な猫。どこから入ったのか誰もわからないようだ。

文章が読みやすくなる句読点の打ち方は、以下の記事で詳しく解説しています。読者に対するメッセージを明確にしたい方は参考にしてください。

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体言止めは劇薬!正しく使って文章の幅を広げよう

名詞や代名詞で文章を終わらせるテクニックで、文章に余韻を持たせたり、リズムを生み出したりする効果が期待できます。

ただし、体言止めを多用しすぎると、文章がぶつ切りになったり、単調で品格のない印象を与えてしまったりする恐れがあります。

ビジネス文書では、基本的に箇条書きを用いる場合のみ、体言止めが認められる傾向にあります。そのほか、メディアによってはトンマナで禁止されていることもあるため、使用する前によくチェックしておきましょう。

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