校正と校閲に違いは?文章のクオリティが爆上がりするコツと手順を解説!

事実誤認や誤字だらけのコンテンツはSEO的にも非常に弱く、メディアだけでなく、発信している企業自体の信頼も損ないます。

そうしたミスをなくし、質の高い記事に仕上げ、企業の業績に大きく貢献するのが「校正・校閲」という作業です。

一見、似ている「校正」と「校閲」について、その違いや役割、重要性などについて詳しく解説します。

目次

校正と校閲の違いとは?

まずは、次の文章の間違いを探してみてください。

「1872年(明治6年)、日本に始めて鉄道が開業。場所は新橋から横浜(現高島町駅)までの全長約3Km。」

この文章を「校正者」と「校閲者」の視点から見ると、それぞれの違いと役割も見えてきます。

校正と校閲はチェックする視点が異なる

「校正の視点」から見えるミス

・始めて→初めて
・3Km→3km

この間違いは、見つけられたのではないでしょうか?

「校閲の視点」から見えるミス

・明治6年→明治5年
・現高島町駅→現桜木町駅
・3Km→30km

この間違いは、資料を読んで、事実を確認しないと見つけられません。

このように校正と校閲は、見る視点が異なるのです。

校正:文章の表記上のミスを見つける
校閲:内容のミス(誤り)を見つける

校正の役割

通常、執筆→校了→出版(公開)までの間に、何度か校正を繰り返します。

最初の校正で、誤字脱字、文表現の統一など文章の表記上のミスがあれば、校正記号などを使って、修正を指示。

2回目以降は、前回修正指示をした箇所が正しく直っているか、修正後の原稿と見比べる「突き合わせ」作業になります。

校正→修正→校正を繰り返すことで、最終的にミスがなく、表現が統一された記事に仕上げていくのが「校正」の役割です。

校閲の役割

一方、「校閲」の主な役割は次の3点です。

・書かれた情報の事実確認
・不適切な表現がないか確認
・内容に矛盾点はないか確認


中でも重要なのが事実確認(ファクトチェック)です。

校閲の基本は「書いてあることはすべて疑って読む」ことです。

日本最初の鉄道は本当に『1872年』開業?
『1872年』は本当に『明治6年』?


上記のように疑い、確信が持てるまで資料を確認します。

また、不適切表現や矛盾点を見つけて、記事の信頼性アップにつなげます。

校正者のチェックポイント

校正担当者が誤字脱字や表記の誤り、表現が不統一な箇所を見つけるために、具体的にどういう点に注意をしてチェックしているかをご紹介します。

誤字脱字

まず文章全体を読んで、誤字脱字がないかをチェックします。

人間の脳は優秀なので、文章内の文字が並び替えられていても、正しい文章に変換して読てめしまいます。

そのため、漫然と字面を追うだけでは、文章の間違いに気づけません。慎重に一語一語に注意を払いながら、全文を読みます。

次に一単語、一文節ずつの小さな塊でチェックを行います。全体を読みながら、細かい単語までチェックするとミスを見逃してしまうので、作業を分けて行います。

表記ゆれ

記事内で、同じ意味を持つ単語や表現が、異なる表記で使用されていることを「表記ゆれ」といいます。

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半角と全角の書き方や送り仮名の使い方などの表記ゆれは、間違いではないので軽視されがちですが、読者からは「手抜き記事」と見られかねません。

「表記ゆれ」には、独自の「表記マニュアル」を作成して、改善していくのが効果的です。または、市販の「用字用語辞典」などに準ずるのもよいでしょう。

同音異義語

発音が同じで、意味が違う漢字(同音異義語)が日本語にはたくさんあります。

・保証/保障/補償
・的確/適格/適確
・体勢/体制/態勢
・制作/製作
・改定/改訂
・特徴/特長

このミスを防ぐには、過去に出てきた同音異義語とそれぞれの意味をリストアップしたチェックリストの運用が有効です。

最初は、毎回チェックリストで確認が必要ですが、だんだんノウハウが蓄積され、間違いやすい語句を覚えるようになります。

文法・文章のねじれ

文章内の主語と述語が噛み合っていない「ねじれ」のチェックには、校正者の読解力が必要です。

「彼はデータを分析し、効果的な販売につなげるのが仕事です。」

上記の文章に、何か違和感を感じませんか?変だなと思ったら、主語と述語以外を抜いても意味が通じるかを確認します。

上の文章だと、「彼は…仕事です」となり、主語と述語の関係が合っていません。

「彼の仕事は、データを分析し、効果的な販売につなげることです」

こうすれば主語と述語の関係が正しくなります。

1文の長さ

一つの文章の長さは「40〜60文字以内」が最適とされています。冗長な文章は、読者にはたいへんなストレスです。

長文を短く修正するには、無駄な言葉を省き、文節で区切ります。

例文1

ダイエットのために、一日にバナナだけしか食べないような方法では、かなりの確率でリバウンドをしてしまい、体重は以前よりも増えてしまうことになり、おまけに体調を崩し、さらに将来的に体重が減りにくい体質になります。

例文2

ダイエットのために、一日にバナナだけしか食べないとリバウンドしてしまいます。その結果、体重が以前よりも増えてしまう結果に。おまけに体調を崩し、体重が減りにくい体質になってしまいます。

例文1の長文を文節ごとに区切り、無駄な語句を削ったれりやつの文章は、読みやすく、理解しやすくなりました。

校閲者のチェックポイント

校閲者の最も重要な役割は、情報にウソや間違いがないかのチェックを行います。

ノウハウの積み重ねが必要なので、社内で人材を確保することが難しく、外部に依頼する企業がほとんどです。

ここでは、校閲がどういうチェックが必要かを解説しましょう。

ファクトチェック

まずは、書いてある情報が客観的に検証された事実かどうかを確認するファクトチェックです。

例文1

富士山は日本で一番美しい山である

例文2

富士山は日本で一番高い山である

例文1は「個人的な感想」であり、「客観的な事実」ではありません。一方、例文2は客観的な数値で証明されている事実です。

事実確認は、引用元だけでなく、企業や公的機関の公式情報、あるいは印刷物などで二重、三重にチェックする必要があります。

固有名詞の誤り

人の名前や企業名、地名、施設名などは決して間違えてはいけない情報です。場合によっては訴訟問題にもなります。

×:キャノン〇:キヤノン
×:シャチハタ〇:シヤチハタ
×:安部晋三〇:安倍晋三
×:墨田川〇:隅田川

固有名詞が文中に出てきたときは、必ず公式な情報源での確認が必要です。

たとえ知っている名称であっても、その知識自体が勘違いである可能性があります。必ず一度は公式情報で確認して、自分の知識を再確認しましょう。

数字や単位

数字が絡む情報も細心の注意が必要です。特に広告などの価格情報は慎重にチェックしましょう。

「1台125,000円のテレビが、今だけ特価12,000円!」

上記のように「0」が一つ抜けていたら大問題です。

桁数が多い場合は、「1,000円」を「せんえん」と読むのではなく、「イチ・ゼロ・ゼロ・ゼロ・エン」と一文字ずつに分けて読むようにします。

また、スペックには「kg」や「g」、「m」や「cm」などの単位が混在しているので、必ずメーカーの公式情報での確認が必要です。

数字の表記ルールは校正でも重要な要素になります。以下の記事で数字を表す漢字の扱い方について詳しく解説していますので、参考にしてください。

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内容の矛盾

長い記事になると、途中から記事が伝えたい主張や話の筋が違ってくることがよくあります。

内容の矛盾箇所を見つけるには、記事の目的や主張、話の筋や流れをしっかり理解しながら、読み込む必要があります。

内容の矛盾を見逃してしまうと、メディアの主張が崩れ、存在価値さえ失ってしまうことになりかねません。

何度も読み返して、記事の要点を正しく理解するための読解力が求められる作業です。

差別的な表現

差別表現は社会的な問題に発展し、長期間にわたって企業に多大な悪影響を及ぼします。

性別、人種、職業、病気、体の特徴などの表現があるときは、特に細かい注意が必要です。

以前は色鉛筆などでよく使われていた「肌色」も、いまは使われません。

他にも以下のように、これまでは差別と意識していなかった言葉も要注意です。

・障害を持つ→障害のある
・子供→子ども
・父兄会→保護者会

常に最新の差別的表現をチェックし、関係者全員と共有するようにしましょう。

校正・校閲が重要になる理由

校正・校閲は、単なる「間違い探し」ではありません。コンテンツの品質を保ち、読者やユーザーからの信頼を得ることに貢献する重要な役割を担っています。

そうした重要な校正・校閲の本来の役割と重要性を改めて確認してみましょう。

正しい情報を読者に届ける

オウンドメディアやブログなどで、事実と違う情報を発信するとどうなるでしょうか。

その記事や商品だけでなく、企業全体の信頼を大きく損なってしまいます。

また、誤字脱字だらけで、読みにくい長文が多い記事はどうでしょうか。

誰もその記事を読む気にならず、SEO的にもサイトの評価が下がり、結果的に企業の業績を損なうことにつながります。

正しい情報を分かりやすく読者に伝える校正・校閲は、企業の業績向上につながる重要な役割と認識しましょう。

コンテンツの品質を底上げできる

校正・校閲がしっかりしている記事は、ミスがなく、読みやすい文章に整えられています。

読者は、記事の中のたったひとつの間違いにも敏感です。どれほど内容が素晴らしくても、誤字ひとつで離脱しかねません。

すべての文章に対して細かな気配りをすることが、コンテンツ全体の品質向上につながり、読者の興味をつなぎ止めておくことになります。

徹底した校正・校閲による高品質で信頼性の高いコンテンツは、マーケティングツールとしても強力な武器となるのです。

校正・校閲が甘いとトラブルが起きる可能性がある

校正・校閲が不十分で、誤った情報が発信された結果、直接的な実害をもたらした事例も多くあります。

印刷物の場合は刷り直し、正誤表、訂正シールなどでの対応で、大きな損失につながります。

Webコンテンツの場合は、印刷物よりは簡単に、素早く対処が可能です。しかし、情報の拡散速度が速いため、ミスを完全に払しょくすることは非常に困難です。

また、いわゆる「デジタルタトゥー」として、永遠にネット上に残り続けることになります。

原稿を公開するときの注意点

記事を公開したあとにミスが発覚すれば、手間と時間をかけて対応しなければいけません。
企業にとっては、金銭的にも社会的にも大きなダメージとなります。

そのダメージを防ぐためには、公開する前の対策が肝心です。

執筆・校正・校閲は工程をわける

ライター自身が、執筆後の校正から校閲までひとりでこなすことは、技術的にも時間的にも非常に困難です。

それぞれの工程を区別し、各担当者がそれぞれの役割を果たせる体制を構築できれば、精度の高い仕事につながります。

ライター:情報を収集して記事を書く
校正者:表記上の不具合がないかをチェックする
校閲者:記事内容にウソや事実誤認がないかをチェックする

一人の場合は時間を置いて別々にやる

会社の規模や予算などを考えると、それぞれに担当者を割り当てられないのが実情というところも多くあります。その場合は、ライターが校正・校閲も行うことになります。

一人ですべてを行う場合は、ライティングが終わってから、時間をあけて校正を行うようにしましょう。

執筆後、すぐに校正をして、そのままの流れで校閲をしても、客観的な視点では見られないため、精度が落ちてしまいます。

校正・校閲の精度をあげる方法

重要かつ難しい作業である校正・校閲ですが、その精度をあげるためには、幾つかの方法(コツ)があります。

できるだけ少ない労力で、高い成果を出すためにも、ぜひ参考にして校正・校閲工程に組み込んでみてください。

プリントアウトする

校正・校閲する場合、パソコンの画面上で行うことが多いのではないでしょうか。

印刷物の場合だと、前回の赤字は紙に出力し、モニター上の修正原稿と見比べることがよくあります。

しかし、画面上の文章は集中して読むには向いておらず、さらにスクロールしながら見比べなければならないため集中力が続きません。

プリントアウトをした紙面で校正・校閲を行うようにすれば、格段に精度がアップします。

時間を置く

執筆・校正・校閲の作業を、ひとりでこなさなければいけない場合は、できるだけ時間を置いてから行います。

記事を書いているときは、自分では正しいと信じて書いているため、執筆後、すぐに読み返してみても、間違いを見つけることが困難です。

自分の原稿を客観的に校正・校閲するためには、最低でも1日以上、時間を置いてから読むようにしましょう。

二重チェックする

校正・校閲の担当者がいない場合は、ライター本人だけでなく、他の第三者に読んでもらうことも有効です。

書いた本人は違和感のない文章だと信じていても、他人が読めば、表現のゆれやねじれ、読みにくい文章に気が付いてくれることはよくあります。

また、ライターが気付かないうちに、内容が専門的過ぎる記事になってしまうのも、よくあるケースです。

そんなときも、第三者に読んでもらうことで、軌道修正が可能になります。

チェック項目を絞る

校正をしながら、校閲もこなそうとすると、どちらの精度も落ちてしまいます。そうならないために、チェックする項目を絞るのも精度を上げる手段のひとつ。

一度目は表現や誤字脱字のチェックをする校正のみ、二度目は事実確認をする校閲のみというように、作業項目を分けます。

時間が許すなら、さらに項目を絞って今回は「誤字脱字」、次は「表記ゆれ」、その次は「事実確認」、続いて「数値確認」と細分化すると、さらに精度がアップします。

ツールを活用する

補助的に校正支援ツールを使うのもいいでしょう。誤字脱字や文章内の表記統一のほか、表記ルールに則った校正や、差別的な表現もチェックするツールもあります。

ツールを活用すれば業務を効率化でき、ライターはライティングに集中できるのがメリットです。

ただし、校正支援ツールは、あくまでも「支援」するためのツールなので、それだけに頼るのは危険です。

人間の目とツールとのダブルチェックで精度を高めるようにしましょう。

校正と校閲の違いに関するよくある質問

「校正」と「校閲」の違いや役割、重要性について解説してきました。

最後に、校正・校閲に関するよくある質問をピックアップしてご紹介します。

校正とリライトの違いは?

「校正」は誤字・脱字や表記ゆれなど、表記上の間違いを正すのが主な役割です。

一方「リライト」は、文章をもっと分かりやすく書き直したり、記事の構成を変更して書き直す作業になります。

例えば、すでに公開されている記事を、SEO対策の一環として見直し、より質の高い記事へとブラッシュアップするのがリライトです。

なお、校正で見つかったミスを修正することもリライトの一つの作業に含まれます。

編集者と校正者の違いは?

文章自体の表記ミスを洗い出す「校正者」と違い、「編集者」はもう少し俯瞰的に記事をチェックします。

例えば、その記事が、想定した読者層に合った内容になっているか?あるいは、コンテンツの企画意図に合った記事になっているのか?などを確認するのが編集者の仕事です。

また編集者はコンテンツ全体の責任を追う立場なので、書かれている内容が正しいかどうか?、読みやすい構成になっているか?といった、校正・校閲的な役割も果たします。

まとめ

「校正・校閲」は企業の業績向上に貢献する重要な役割です。

時間やコストの関係から、社内に専門の担当者を置くことが困難になりました。だからといって、コンテンツの品質を落としてよい理由にはなりません。

軽い気持ちで取り組むと、結果的に大きな損害につながります。質の高いコンテンツ作り、信頼できるサイト運営を行いましょう。

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