【インタビュー記事の書き方】読者が引き込まれる面白いコンテンツに仕上げるコツ

オウンドメディアを活用した企業のブランディングや商品・サービスの紹介、採用情報などを効果的に伝える手段として、インタビュー記事は非常に有効なコンテンツです。

しかし、インタビュー記事を書くためには、取材をする前の事前準備や専門的な知識、記事の書き方など、いくつか押さえておかなければいけないポイントやコツがあります。

そこで今回は、有効なコンテンツだと分かっていても、なかなか実施できないインタビュー記事について、その制作ノウハウや注意点などを詳しく解説します。

自社の情報をより魅力的に伝えるためにも、ぜひ参考にして、挑戦してみてください。

目次

インタビュー記事のメリットとは

独自の取材に基づいたインタビュー記事は、話し手の考えや感想などを読者にダイレクトに伝えることができるのが最大の特徴。

情報の信ぴょう性が高くなり、読み手の興味や共感を強く引きつける強力なコンテンツになります。

一次情報を取得できる

自社の商品を自社の社員が紹介したり、誰かに依頼して広告として紹介してもらう情報はバイアス(偏向)がかかりやすいものです。

しかし、サイト運営者側が実際に商品やサービスを利用した顧客へのインタビューから得た率直な意見は一次情報と呼ばれ、読者への訴求力が格段に高くなります。

SEOに大きな影響を及ぼす一次情報を発信するインタビュー記事は、まさにSEOライティングに最適なキラーコンテンツになりうるのです。

競合との差別化を図りやすい

ネット上に流れている情報は、ほかのサイトや既存の資料から集めた情報を再加工したものが多数。

一方、利用者や専門家から直接話を聞いたインタビュー記事は自社だけの完全オリジナル記事です。

競合他社が発信している類似コンテンツにはない独自記事として差別化が図れるのも、インタビュー記事が持つ大きなメリットの一つとなっています。

インタビュー記事の書き方:事前準備の流れ

通常の記事と違った、大きなメリットがあるインタビュー記事ですが、有効な記事に仕上げるためにはいくつかの押さえておくべきポイントがあります。

その中でも最も重要なのが、事前の準備。事前準備が不十分なまま場当たり的なインタビューをしても、必要な情報やエピソードを聞き出すことができません。

結局、情報が足りなくなり、補完するためにほかのサイトから情報を借りてくることになってしまい、インタビュー記事のメリットが十分に活かせなくなります。

では、どういう事前準備が必要かを具体的に見ていきましょう。

テーマ・コンセプトを決める

最初に必要なのが、インタビューで何を伝えたいのか、どういう記事にしたいのかなどのテーマやコンセプト、インタビューの目的を決めることです。

その記事によって読者にどうしてほしいのか?どう思って欲しいのか?を最初に明確にしなければ、結果的にできあがった記事は薄く浅い内容になってしまうでしょう。

一般的なインタビューでは、まずテーマやコンセプトを決めてから、その話に最も適した取材対象者を探すというステップになります。

しかし、時にはインタビュー相手が先に決まっているケースもあります。

その場合でも、取材前に、この相手なら何を聞こうか、どういう話を聞き出そうかを具体的に決めておく必要があります。

アポイントをとる

テーマやコンセプトが決まれば、次は誰に取材するかを決めなければいけません。

インタビューでは取材する聞き手(多くの場合ライター)を「インタビュアー」、取材される方を「インタビュイー」といいます。

まず会社の持つリソースや顧客、あるいはネット情報などから、インタビュイーとして最適な人を複数ピックアップし、優先度の高い(テーマに最も適した)人から順に連絡します。

その際、相手がインタビュー取材に対応できるかどうかを判断しやすいように、コンテンツの企画書を送りましょう。

企画書には主に以下の内容を盛り込みます。

  • メディア全体の概要
  • 今回の企画(取材)内容
  • 大まかな質問内容
  • 当日の写真撮影があるかないか?
  • どういう仕上がりにする予定なのか
  • 取材が可能な日時(複数)
  • 謝礼金

また、忘れてはいけないのが取材場所の確保です。

自社の社員への取材なら会社の会議室や打ち合わせスペースが使えますが、相手が一般の顧客や取引先など社外の方の場合、そう簡単ではありません。

先方の会議室などが利用できれば助かりますが、できない場合はレンタル会議室など静かに話を聞ける場所を確保する必要があります。

時には先方から、カフェのようなオープンな場所を指定される場合もあります。

にぎやかな場所でのインタビューでは、ボイスレコーダーに周囲の雑音が入ってしまい、後で聞き取りにくくなることがあるので、レコーダーを複数台用意するなどの対策が必要です。

取材対象のリサーチをする

取材のテーマや目的が決まり、アポイントも取れたら、次はインタビュイーの徹底的なリサーチです。

インタビューの事前準備の中でも最も重要なのがこのリサーチ。リサーチをどこまで深くできるかで、取材の成否が決まるといっても過言ではありません。

取材テーマに関する専門用語や最低限の知識を押さえておくことは当然ですが、インタビュイーがどういう人物で、どういう活動や仕事をしていて、どんな趣味を持っていて、何に関心があり、どういうバックグラウンドの人なのかなどを調べなければいけません。

このリサーチを怠ると話を深く掘り下げることができずに、浅くて面白くない記事になってしまいます。

リサーチにはネット情報や営業担当者、出版物などさまざまな情報源を活用しましょう。

リサーチに使える情報源例

  • ネット上にある基本情報
  • 会社が発表したプレスリリース
  • 新聞やニュースサイトに掲載された情報
  • インタビュイーが開設しているSNSやブログ
  • インタビュイー自身が書いた記事や書籍

質問項目を決める

インタビューのテーマやインタビュイーのリサーチをもとに、具体的な質問項目を決めるのが次の段階。

まず大まかでもいいので記事の構成を考えたうえで、相手がスムーズに自然な流れで話せるような順番で質問を組み立てましょう。

例えば、自社商品についての利用者の声を取材する場合を見てみます。

大まかな構成案

課題→購入理由→利用方法→利用した感想

質問項目例

課題

なぜその商品が必要と思ったのか?どういう悩みを解決したかったのか?

購入理由

なぜ自社商品を選んだのか?他社商品と比べて何が決め手だったのか?

利用方法

購入してどういう使い方をしているのか?その結果、どういう効果があったのか?悩みをどれぐらい軽減できたのか?

利用した感想

実際に使ってみて使い心地はどうだったのか?リピートしそうか?

実際に取材となると相手も緊張して、話が詰まったり、続かなかったりすることがよくあります。

そんなときのために、質問項目は少し多めに用意しておくと臨機応変に対応できるので安心です。

取材内容を共有する

アポイントをとるときの企画書に大まかな質問項目を書いて送りますが、取材決定後に改めて決めた質問項目や取材内容を、お互いに共有しておきます。

そうすることで、相手も当日はどういう話をすればいいのかを事前に準備・整理できるので、インタビューをスムーズに進めることができます。

記事スナイパーは、ターゲット選定からメディアの方向性決定、記事執筆まで、マーケティングに役立つ記事をワンストップで提供します。

記事作成に割けるリソースが少ない方、記事作成に挑戦したけれどうまくいかなかった方、お気軽にご相談ください。貴社のWeb担当者のような存在として、ビジネスの成長を全力でサポートします。

インタビュー記事の書き方:取材当日

事前準備ができれば、あとは取材当日、インタビュイーが気持ちよく話ができるように配慮してインタビューに臨みましょう。

取材当日に特に気をつけるポイントをいくつか紹介します。

取材当日に必要なもの

インタビューはその場限りで、やり直しができないので、くれぐれも忘れ物がないよう注意が必要です。

インタビュー必須アイテム

  • 名刺
  • 筆記具
  • ボイスレコーダー

必要に応じて用意するもの

  • ノートPC
  • カメラ

中でも重要なのがボイスレコーダーです。

取材場所によっては相手との距離が遠かったり、雑音が多かったりすることがあるので、複数台用意しておくといいでしょう。バッテリー切れの心配もなくなります。

座談会形式でのインタビューでは、あとで聞き返したときに誰の発言かが分からなくなるため、動画を撮っておくと、執筆時に助かります。

ただし、録音・録画するときは、事前に必ず相手の了解を得るのがマナーです。

事前準備の段階で企画書を送るときに、当日録音や録画をすることを伝えておくといいでしょう。

また、今は取材もオンラインで行うケースが増えてきました。使用するコミュニケーションツールの録音・録画機能の動作チェックを忘れてはいけません。

アイスブレイクを入れる

多くの場合、インタビュイーは緊張しているものです。インタビューが始まってすぐに本題を切り出すと、つい構えて、堅くなりがち。

軽い世間話などから始めて場を温め、緊張を解いてから徐々に本題に入ることを「アイスブレイク」といいます。

内容の濃い話を聞き出すためには、アイスブレイクを入れて、お互いの距離感を縮めてから本題のインタビューに入ることが大切です。

質問の順番に注意する

インタビューでは、「過去→現在→未来」の順で時系列に沿って話を進めるほうが、背景や根拠がわかりやすくなるため、記事にしたときに読み手も理解しやすくなります。

過去の話は、今につながる重要なきっかけであり、未来にも影響するので、読者にとっては気になる話題です。

例えば、

購入前(過去)はどういう状況だったのか?
それが今どう変わったのか?
これからどうなりそうか?

と一連の流れで話を聞くことで、話し手もだんだんと盛り上がり、原稿を書く時にも楽になります。

時系列に沿った書き方や、文章を最後まで読んでもらうコツを以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

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ぶつ切りのようにランダムな聞き方をすると、話す側も何をどういうふうに話せばいいのかが分からなくなり、会話が途切れ途切れに。

インタビュイーに気持ちよく話を続けてもらうためには、どういう順番で質問をするかが非常に重要です。

相槌を入れながら反応する

会話の途中で適度に相槌を入れて反応するのも、気持ちよく話をしてもらうために大切なポイント。

インタビュアーは話の合間に「なるほど」「分かります」「それはいいですね!」など、相手の話を妨げない程度に、相槌を打って反応を示します。

そうすることで、インタビュイーには「自分の話に興味を持ってくれている」ということが伝わり、安心していろいろな話をしてくれるようになります。

とはいえ、あまり大げさだったり頻繁にやりすぎると、逆に相手に嫌がられてしまうので、適度に相槌を打つようにしましょう。

ただ、オンラインでのインタビューでは相手の反応が分かりにくいため、少し大きめのリアクションをしたほうが相手に伝わりやすくなります。

回答の理由や具体例を深掘りする

こちらが聞いた質問に対する答えに対しては、「どうしてそう思ったのか」とか「どういうところでそう感じたのか」など、理由や具体例を深掘りして聞くようにします。

事実だけを淡々と語ってもらうだけなら、インタビューでなくアンケート調査でも可能です。

「この商品のここがよかったです」だけでは読者は納得してくれません。

「具体的にどこがどうよかったのか」「どう感じたからよかったと思ったのか」などの理由や具体例を示すことで、独自性のある記事に仕上げられるのです。

曖昧で抽象的な回答しか得られないときは、「5W1H」を活用した質問をしてみてください。

例えば、新サービスの開始について具体的な話を聞き出すために、

「なぜそのサービスに決めたのか?」
「いつごろ決めたのか?」
「どういう経緯で決まったのか?」
「誰が主体的に動いたのか?」

など、相手が答えやすいように質問するといいでしょう

本筋からそれた内容も記録する

取材テーマの本筋から離れてしまった話でも気を抜かず記録・録音しておくと、原稿を書く時に役立ちます。

相手の普段どおりの何気ない会話の中に、記事のヒントとなる言葉や、記事内の繋ぎの表現として使える話がたくさん含まれています。

また取材終了後の何気ない雑談も同様です。

取材が終わり、レコーダーのスイッチを切ったあとの、ホッとした会話にも注意を払い、使えそうなフレーズがあれば、別れた後に忘れないようにメモしておくと執筆時の参考になります。

理解できなかったことは素直に聞く

聞きたいテーマについての最低限の情報は、取材前の事前調査で調べておくのが鉄則です。
それでも取材をしていると、分からない言葉や理解できない話題が出てくることがあります。

その場合は知ったかぶりをせず、「分からないので教えていただけますか?」と正直に聞くようにしてください。

分かったふりをして後で調べようとしても、正しく補えるとは限りません。

聞くときは、「そこのところ、勉強不足で申し訳ないのですが、もう少し詳しく教えていただけますか?」とか「ちなみに、それはどういうことなのか、教えていただけますか?」と柔らかく、丁寧に質問しましょう。

「教えてください」と聞かれることは、興味を持たれているということなので、インタビュイーも丁寧に教えてくれるはずです。

メモに集中しすぎない

相手の話を聞き漏らすまいと思うあまり、メモを取ることばかりに集中してはいけません。
記録はレコーダーに任せて、話を聞くことに集中してください。

インタビュアーがメモばかりを気にしていると、インタビュイーも気分が乗らず、話が途切れがちになってしまいます。

話の中で気になったところやキーワードになりそうなフレーズだけをメモして、あとは相手の表情を見て、会話に専念しましょう。

インタビュー記事の書き方:取材後の流れ

無事にインタビューが終われば、いよいよ原稿作成です。

録音したデータやメモをもとに、最初に決めた記事のコンセプトや目的に沿った内容になるようにライティングをします。

インタビュー記事では、どういうステップで記事を書き始めるのか、順を追って解説します。

文字起こしをする

まずは録音データの文字起こしから。10分間の録音を文字に起こすためには、約1時間必要です。

取材後、できるだけ早くテープ起こしをすると、記憶が新しいため臨場感もあり、起こすスピードも速くなります。

あるいは、必要に応じて外注に依頼してもいいでしょう。

文字起こしには「素起こし」「ケバ取り」「整文」と3つのやり方があります。

記事の作り方や構成によって、最適な方法で文字起こしをしてください。

素起こし

録音された音声を一語も漏らさず、すべて文字に起こす方法です。
会話中の「えー」とか「あのー」など、記事には使わない場つなぎの音声もすべて文字化します。

インタビュアー本人が文字起こしをする場合は、そうした無意味な声は文字にしなくてもいいですが、第三者に依頼すると、すべての声を文字に起こすことになります。

ケバ取り

会話中に出てくる「えー」「あのー」のような意味のない言葉や、言い直し、いい間違い、口癖など、内容に関係のない言葉を「ケバ」といいます。

会話を文字に起こしてみると、想像以上にケバが多く、本筋の内容を読み取るのに苦労することもあります。

その余計な「ケバ」を取り除いてテープ起こしをするのが「ケバ取り」。

余計な言葉がないため読みやすく、内容も分かりやすくなるため、その後の執筆作業がはかどります。

整文

インタビュー中の会話では、主語や助詞が省略されたり、単語の順序が入れ替わったりしますが、そうした会話文を正しい文章に整えて文字起こしをするのが「整文」です。

話し言葉を書き言葉に直し、読みやすい文章に仕上げるため、あとは構成に従って順序を入れ替えたり、表現を変えるだけになります。

記事の構成を考える

文字起こしが終わって、インタビュー内容が文字になれば、インタビューが全体としてどういう話になったのかが、改めて見えてくるようになります。

とはいえ、まだ記事を書き始めてはいけません。執筆の前に、インタビューで得られた情報と最初に決めたコンセプトとをもとに、記事の構成を組み立てるのが先です。

インタビュー記事ではインタビュイーが話した内容を、そのままの順序で記事にしなければいけないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

話の本筋や意図、インタビュイーの人柄などが間違って伝わらないように注意しながら、話の順序や表現などを変更して構いません。

過去の出来事から現在に向けて徐々に話を盛り上げたり、最近の出来事からスタートして過去の話題へと遡ったり、と読者の興味を引くストーリーで、印象に残る構成を考えましょう。

話し言葉を理解しやすい文章で執筆する

いよいよ原稿を書く段階ですが、話し言葉を書き言葉に変えるためには幾つか注意しなければいけない点があります。

会話では主語や助詞が省かれることがよくあります。そのまま文章にしても意味が通じないため、必要に応じて補完してください。

また会話では句読点がないため、一つの話が長く続いてしまいますが、文章にするには、1文を適切な長さ(80文字前後)でまとめる必要もあります。

読みやすい文章にするには、句読点の打ち方が大切です。以下の記事で正しい活用ルールを解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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「ら抜き言葉」などの表現を修正したり、言い回しを変えることで、文章として読みやすくなるように調整も必要です。

ただし、インタビュイーが言いたいことや真意を曲げてしまう修正はしてはいけません。あくまでも、読みやすく理解しやすい文章にするための調整だと認識して執筆してください。

記事を読んでもらうには、読者を惹きつける導入文はマストです。インタビューの内容を想像させ、読者が続きを読みたくなるような文章を作成する必要があります。魅力的な導入文の書き方については、以下の記事を参考にしてください。

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校正・校閲する

記事が書き終われば、次は誤字脱字、表記の統一、事実関係のチェックなどの校正・校閲作業です。
取材中に出てきた数字や日付、データの引用元などの確認も重要です。

できればライター以外の第三者による校正が望ましいですが、難しいようなら、少なくとも執筆後、少し時間を空けてからチェックしましょう。

また記事全体を通して見たときに、インタビュイーの人柄や思いが正しく伝わっているかの確認も大切です。

インタビュイーの人柄などはインタビュアーにしか分からないので、客観的かつ冷静に読み返すようにしてください。

インタビュー記事の目的

ここまでインタビュー記事を作る流れを見てきました。一般の記事とは違う段取りやライティングの進め方が分かったのではないでしょうか。

では、何のために記事のスタイルをインタビュー形式にするのか、その目的を改めて確認しておきましょう。

どういう書き方をすればいいのか迷ったときには、一度その目的を再確認することで、ブレのない記事に仕上げるために役立つはずです。

お客様の声や事例の紹介

顧客や取引先などに、実際の活用方法や効果、満足か不満足かなどの率直な意見を紹介することで、信ぴょう性の高い記事を作ることができます。

その結果、新たな需要の掘り起こしや潜在需要を顕在化させる大きな効果が期待できるのがインタビュー記事の目的の一つです。

自社広告やお金を払って情報を伝えてもらう記事広告とは違い、利用者本人の声で導入事例などを伝えるため、読者にとっては貴重な情報となります。

採用活動やブランディングへの活用

企業の魅力を伝えるブランディングツールやコンテンツマーケティングとしてもインタビュー記事は有効です。

自社の経営者や社員に取材し、経営コンセプトや働く意義などについて話してもらうことで、会社に対する理解を深めてもらうことができるからです。既存の取引先との関係強化にもつながるでしょう。

また実際に社内で働いている社員たちが登場し、職場環境や人間関係、仕事のやりがいやキャリアパスなどを話すことで、求職者に対して大きくアピールできるため採用活動にも役立ちます。

商品・サービスの宣伝

新たな商品やサービスの開発担当者に取材したインタビュー記事には、大きな宣伝効果が期待できます。

開発者本人が語る商品化の経緯や苦労話、そこに込めた想い、商品化にこぎつけた感想などは、購入者の興味を強く引きつけます。

スペック情報では伝わらない、エモーショナルな情報は商品やサービスのブランディングにも効果を発揮することでしょう。

インタビュー記事の形式

インタビュー記事の書き方には、「対談形式」「モノローグ形式」「ルポルタージュ形式」の3つのパターンがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

記事の目的や内容、何をどう伝えたいかなどによって使い分けるようにしてください。

対談形式(Q&A)

3つの中で、もっとも一般的な「対談形式」は、インタビュアー(取材者)とインタビュイー(取材対象者)の一問一答(Q&A)で話を進める方法です。

例文

Q:最近、旅行に行きましたか?
A:夏休みにカリフォルニアに行ってきました!
Q:羨ましい!どうしてカリフォルニアなんですか?
A:スポーツも自然も都会も文化も全部そろっているからです。
Q:確かに!中でも特に印象的だったのは?
A:大谷選手も見られてよかったけど、それ以上にヨセミテとかの国立公園は絶対におすすめです!

実際の取材現場をそのまま文章にしたような臨場感を出せて、インタビュイーの人柄も表現することができるのが対談形式の一番の特徴です。

文章も堅苦しい文体ではなく、話し言葉に近い、少しカジュアルな表現で記事を作るのがポイント。

ただし、会話調で話を展開するため、無駄な言葉が入り文章が長くなりがちです。適度に文字量を削りながら、臨場感と親近感を保ち、情報を的確に伝えなければいけません。

メリット

  • 臨場感ある雰囲気を出すことができる
  • 一問一答なので要点が分かりやすい
  • 親近感のある内容にできる

デメリット

  • 記事が長くなる
  • 文章量のわりには盛り込める情報が少ない
  • 会話調の文章を読みやすく修正するのが難しい

モノローグ形式(一人称)

Q&Aのような会話のやり取りをなくし、インタビュイーが一人で語っているような記事に仕上げるのが「モノローグ形式」。

インタビュイーの人柄やキャラクターを前面に出して、その人の考えやメッセージなどを直接伝えたいときに効果的な書き方です。

多くの場合「です・ます調」で書かれます。

例文

「最近、カリフォルニアに行ってきたんです。スポーツも自然も都会も文化も全部そろっていて前から言ってみたいと思っていたので。
いろいろなところを見て回って、大谷選手を見ることもできたんですよ!
でも、一番印象的だったのは、ヨセミテとかの国立公園の美しさと雄大さですね」

著名人や専門家などのインタビュー記事におすすめですが、インタビュアー側のメッセージを伝えにくく、また話題の切り替えが難しい面があります。

さらに会話調で文章が冗長になったり、語尾が単調になるなど、記事のまとめ方にも工夫が必要です。

メリット

  • インタビュイーの人柄が伝わりやすい
  • 親近感のある内容にできる
  • インタビュイーのメッセージを強く打ち出せる

デメリット

  • 話題の切り替えが難しい
  • インタビュアー側の意見を入れにくい
  • 語尾が単調になりやすい

ルポルタージュ形式(三人称)

取材内容を第三者的な視点でまとめる方法を「ルポルタージュ形式」といいます。

インタビュイーの言葉をカギ括弧で引用しながら、インタビュアー側のメッセージを伝えることができる手法です。

通常「である調」で書かれることが多く、論理的で信ぴょう性のある記事にできますが、内容が堅くなり、インタビュイーの人柄が伝わりにくくなります。

例文

A氏は、以前から興味のあったカリフォルニアへ旅をした。
スポーツ、自然、都会、文化など見どころが多いのが、カリフォルニアを選んだ理由。
中でもA氏の印象に残ったところは国立公園だという。
「大谷選手も見ることができて、すごく感動しました。でもやっぱりヨセミテとかの雄大さは圧巻でした」
日本では見ることができないアメリカの大きさを実感できる旅だったようだ。

内容の信ぴょう性を担保するためには、インタビュイーの話を適切なタイミングで散りばめるのがポイント。

記事のテーマやメディア自体のコンセプト次第で、もっと柔らかい書き方も可能ですが、どちらにしてもライターの手腕が問われる形式です。

利用者の声を交えながら商品やサービスを紹介するときなどに適したスタイルになります。

メリット

  • 記事の内容をライター側がコントロールできる
  • 論理的で信ぴょう性のある記事ができる
  • 多くの情報を盛り込み、読み応えのある内容にできる

デメリット

  • 堅苦しい文章になりがち
  • インタビュイーの人柄が出しにくい
  • ライターの手腕次第で記事に差が出る

インタビュー記事が読まれるようになるポイント

インタビュー記事は競合との差別化ができ、キラーコンテンツとなる有益な手法です。

より多くの読者に読んでもらう記事にするためには、いくつかのコツやポイントがあるので紹介しましょう。

テーマやコンセプトに沿った構成を組む

事前準備の段階で決めた記事のテーマやコンセプトから外れない構成を考えて、記事を書くことが大切です。

実際にインタビューを始めると話が脱線したり、雑談が混じったり、思ったように話が進まなかったりと、想定外の展開になることがよくあります。

しかし記事を書く場合は、あくまでも最初のテーマやコンセプトに沿った構成にしなければいけません。

そのうえで、脱線話や雑談で見つけたエピソードやインタビュイーの人柄が見える話題を織り交ぜた記事を書くようにしましょう。

発言意図を汲みながら本人の言葉を活かす

インタビュー記事のメリットのひとつは、インタビュイーが話した言葉を活かして記事に盛り込むことで記事の信ぴょう性が高まること。

話した言葉をそのまま引用したり、インパクトのあるキーワードやフレーズをインタビュイーの発言として引用することで、読み手の関心を引くことができます。

特に記事内での重要なポイントや主張、メッセージなどをインタビュイーの言葉で伝えることができれば、信ぴょう性は一層高まります。

ただし、インタビュイーが発言した内容に、追加で説明を加える場合には、発言意図を汲みながら言葉を選んで追加するよう注意が必要。

無理やり記事のテーマに沿わせようとして、インタビュイーの発言意図を曲げて引用してはいけません。

取材内容からインパクトのあるフレーズを見つける

記事に落とし込むために重要でインパクトのあるフレーズやキーワードを見つけるために、常に記事のテーマやコンセプトを頭に入れて話を聞くようにしましょう。

記事コンセプトの核となるようなフレーズがあれば、タイトルや見出しに盛り込むことで、読者の目を引きつけることができるからです。

キーとなるようなフレーズが出てきたときに、さらに深く話を聞き出すことができれば、インパクトがあり読者の関心を引く記事を書く時に役立ちます。

具体的なエピソードを盛り込む

インタビュー記事であっても事実や結果だけが書かれていると面白い記事にはなりません。

インタビュイーの人柄が伝わるような具体的なエピソードを多く盛り込むことで、読み物としての面白さが加わり、読者はより一層の親近感を抱いて読み進めてくれます。

取材時に具体的な質問をして、インタビュイーが感じたこと、想ったことなどをできるだけ多く聞き出しておくことで、有益で面白みのある記事を書くことができます。

ストーリー性を意識する

読みやすいインタビュー記事にするには、ストーリー性を意識することも重要です。

盛り上がりのない平坦な流れでは、冗長なだけで面白みのない記事になってしまいます。

読者をワクワクさせる展開にするために基本となるのは「起・承・転・結」の流れ。
順番は記事のスタイル次第ですが、どれか一つが欠けても物足りない内容になり、読者は飽きてしまうことに。

事前準備や取材の段階から、どういう結論にするのか、そのための入口にはどういう話題を持ってくるのかなどを考えながら話を聞く必要があります。

昔話から時系列で話を展開する場合は、最後の結論に向けて徐々に話を盛り上げたり、結論を入口にする場合は、そこに至った経緯を起伏のある流れで展開するなど、メリハリのある構成を考えるといいでしょう。

インタビュー記事のSEO対策

インタビュー記事にSEOは不要だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
適切なSEOで、より多くの人の目に留まるようにする考えは、通常の記事と同じなので、忘れないように対策をしましょう。

適切なキーワードを設定する

通常記事と同様、インタビュー記事でも適切なキーワードを設定しなければいけません。

記事のテーマやコンセプトと狙っているキーワードをベースに、読み手のニーズに合った質問を用意することが大切です。

ただし、専門家などにインタビューすると、肝心のキーワードが会話の中では省かれてしまう場合がよくあります。

例えば、「株式運用」の話を専門家にインタビューする場合、会話の中では「株式運用」というキーワードは、あまり出てきません。


「それ」とか「その」などの代名詞に置き換えられるケースが多くなります。記事にする場合は、そのキーワードを補いながら書かなければいけません。

メタディスクリプションを充実させる

同様にメタディスクリプションの文章も、設定したキーワードを含めながら、なおかつオリジナルのインタビュー記事であることが分かる内容にします。

単に概要を書いただけの文章では、競合サイトの通常記事との差別化が見えてこないため、キーワード検索をしたユーザーにアピールできません。

何を誰にインタビューした記事で、読むと何が分かるのかをキーワードを含めながら、端的に分かりやすく書くことを意識してください。

インタビュー記事の作成に関するよくある質問

最後にインタビュー記事に関する、よくある質問にお答えしましょう。

インタビュー記事の書き出しはどうする?

書き出しをどうするかは、インタビュー記事の形式をどうするかによって変わってきます。

対談形式(Q&A)やモノローグ形式(一人称)で書く場合は、冒頭でインタビュー記事の概要やインタビュイーの紹介などから始めるのが常道です。

一方、ルポルタージュ形式(三人称)の場合は、昔話からスタートしたり、結論から入るなど記事の構成によって書き出しは違ってきます。

いずれにしても、インタビューの本題への導線なので、読み手がワクワクするようなインパクトのある導入を心がけるようにしてください。

1時間のインタビューで質問する数はどのくらい?

質問の数はテーマやインタビュイーにもよるので、一概にはいえません。

ただ1時間であまりたくさんのことを聞いても内容が薄くなってしまうだけなので、せいぜいテーマに直結する質問を10個ぐらい用意しておくといいでしょう。

ただし、場合によっては間が持たなかったり、思ったほどの答えが得られない場合もあるので、予備の質問を幾つか用意しておくと安心です。

逆に半分ぐらい質問しただけで時間が過ぎてしまう場合もあります。
話が長いインタビュイーの場合は、優先度が高い質問から先に聞いておくなど臨機応変な対応が必要です。

インタビュー記事のコツを掴んで魅力を伝えよう

オリジナルコンテンツとしては、非常に大きな破壊力を持っているインタビュー記事ですが、取り組むためにはいくつかのポイントとコツがあります。

通常の記事を書くよりも慣れが必要なので、最初は誰でも戸惑ったり、聞き取りが不十分で後追いの取材が必要になったりしますが、数を重ねることでコツが掴めるようになります。

競合との差別化を図り、多くの人に有益な情報を伝えるために、ぜひインタビュー記事のコツをマスターして、魅力的で唯一無二のインタビュー記事に挑戦してください。

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