文章校正のコツってある?知らないと品質と作業効率がガタ落ちするポイント20選

企業がホームページ上で発信する情報にミスや誤字脱字があると、そのサイトだけでなく企業全体の信用失墜につながります。

またミスの多いコンテンツはSEOの観点からもマイナス評価を受け、事業の業績に大きく響いてしまいます。

サイト情報だけでなく、会社間でやり取りするメール、広告などの文面でもそれは同じ。外部に発信する文章を書いた後は、校正をしたうえで発信することが重要です。

しかし「校正」はただ漫然と読み返せばいいというものではありません。精度の高い校正には、重要なチェックポイントやコツがあります。

企業の信頼と業績に直結する正確な情報発信には欠かせない「校正」。これから詳しく解説しますので、質の高い情報発信の参考にしてください。

目次

そもそも文章校正とは?

「校正」は文章上の誤りを見つける作業のことで、文章の品質を向上させ、読み手に正確な情報を伝えるための非常に重要な作業です。

「校正」に似た作業の「校閲「推敲」との違いなども併せて、校正の作業内容を見てみましょう。

校正の作業内容

校正は主に誤字脱字や文法上の間違いなどを見つけて、修正を依頼するのが主な作業です。

本来は校正者が見つけた間違いをライターなどの制作側が修正する流れですが、ライター自身が校正をする場合は自分で修正することになります。

校正でチェックするポイントは多岐にわたります。
固有名詞に間違いがないか、電話番号や価格などの数値情報は正しいか、慣用句は正確に使われているかなどなど。

確認する内容が多いため、一つの記事を何度も読み直さなければいけません。
毎回、チェックする項目を絞って読み直すことで、精度を高めるのです。

また、校正は文章が出来上がったときだけでなく、その後、修正を依頼した箇所が正しく直っているかどうかの確認も行い、正しくなるまで校正→修正→校正を繰り返します。

校閲や推敲との違い

「校正」と似た作業に「校閲」と「推敲」がありますが、作業内容は異なります。

しかし、いずれも「間違いのない情報を分かりやすく伝えるため」という目的は同じです。

それぞれの主な作業内容とチェック内容は以下になります。

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作業主な作業内容主なチェック内容
校正文章のルールや文法などを一語一語チェック誤字脱字・送り仮名・漢字の誤り・表記ゆれなど
校閲内容の矛盾や事実誤認などを少し広い視野でチェック記載事実の確認・不適切な表現・内容の矛盾など
推敲文章をより読みやすく、分かりやすくできないかをチェック文章全体の構成や流れ、表現方法など

本来、別々の担当者が行うほうが正確なチェックができるのですが、時間的・経済的な理由から執筆者自身がすべての作業を行っているケースも。

しかし、そのやり方は非常に危険です。自分で書いた文章を自分で校正するのは至難のワザです。

「推敲」はそもそも執筆者本人が行うものなので、少なくとも「執筆・推敲」と「校正・校閲」の担当者を分けなければ、正確性は保てません。

文章校正を効率よくこなすコツ

一つの記事や文章をさまざまな視点からチェックをしなければいけない校正。細かいところまで神経を使う作業です。しかし、長い時間をかけるわけにはいきません。

当然ですが、締め切りまでの時間的な制約があります。

その限られた短い時間内に、効率よく正確な校正を行うための7つのコツを紹介しましょう。

プリントアウトする

多くの場合、文字は画面上で見るよりも紙に印刷したほうが読みやすくなり、誤りを見つけやすくなります。

モニター画面は明るいうえ、認識できないほど速い点滅を繰り返していて、長く見ていると目と脳が疲れてしまい、集中力が続きません。

また、画面をスクロールする作業も集中力を削ぐ原因になり、ミスの見落としにつながります。

また、二つの画面を使って、一つには情報元となるサイト、一方には原稿を表示させてチェックするのも危険です。

それぞれの距離が遠すぎて、正確にチェックができないからです。校正する場合は、必ず紙に印刷して読むようにしましょう。

またスマートフォンでも見られる記事の場合は、実際にスマートフォンの画面でどう見えるかを確認しながら校正することも有効です。

時間を空けて再度校正する

執筆者本人が校正をしなければいけない場合は、できるだけ時間を空けて校正します。

またほかの人の文章を校正する場合でも、一度読んだ後、少し時間を置いてから再度校正することで精度を上げることができます。

一度目に気づかなかった誤字や不自然な表現も、時間を空け、気持ちを切り替えて読み直してみることで見つけやすくなるからです。

音読する

文章を声に出して読んでみることも、効果的な校正方法。文章を音読することで、目に入らなかったミスも浮き彫りになり、書き間違いや不自然な表現や間違いにも気づきやすくなります。

目で文字を追って読んでいると、気づかないうちに、つい一文字を飛ばしてしまったり、流して読んでしまうことがありませんか?

しかし、音読するためには、一文字ずつ正確に読まなければいけないため、ミスを見つけやすくなる効果があるのです。

また、音読することで、読みにくい文章や冗長な文章、リズムが悪い文章にも気づけるという利点もあります。

自分がミスしやすい傾向を知る

文章を書く時には、その人の「クセ」が出がちです。

長文になってしまう、句読点が多くなる、主語と述語が捻じれる、など。よく間違える漢字の用法や送り仮名の間違いもクセのひとつ。

自分で原稿を読み返す場合や、同じ人の原稿を読む機会がある場合には、自分や執筆者のクセや間違いの傾向を把握しておくことも校正漏れ対策に役立ちます。

誤字脱字がある前提でチェックする

「弘法も筆の誤り」
「猿も木から落ちる」
「河童の川流れ」

など、「名人でも失敗する」という意味の慣用句はたくさんあります。

校正する場合は、これらの慣用句が示す通り、必ず間違いがあるという前提で読まなければいけません。

「この人が書いた文章ならミスはないだろう」という意識で読むと、ミスを見落とすことに。

誤字脱字、漢字の変換ミスは思わぬところで発生します。削除したはずの文字が残っていたとか、余計な文字も一緒に消していたなど、誰にでも起こるうっかりミスを見逃さないために、誤字脱字は必ずあると認識して校正しましょう。

一文字ずつ確認する

人の脳は賢いため、文章内の一文字ぐらいが入れ替わったり、抜け落ちていても、脳が勝手に意味を考え、間違いを補完して読んでくれます。

とてもありがたい脳の機能ですが、校正するときには邪魔になることも。

文章を読む場合は、文節や単語単位のような文字列ではなく、「文字単位」で読むことで、脳が補完してしまうことを防ぐことができます。

項目を分けて複数回チェックする

多岐にわたる項目をチェックしなければいけない校正。
一度ですべてを確認しようとすると、校正漏れの原因になります。

何をチェックするのか項目を絞って、複数回読み直すことで校正の精度を上げることができます。

例えば、

  • 1回目は誤字脱字だけをチェック
  • 2回目は価格情報だけをチェック
  • 3回目はスペックだけをチェック

のように項目を分けて校正するようにしましょう

文章校正で実施したいチェックポイント

効率的な校正方法とそのコツを7つ紹介しましたが、ここからは、具体的にチェックする項目やポイントを事例を挙げながら解説します。

チェックすべきポイントは数多くあるため、慣れるまでは根気強く確認することが大切です。

面倒に思うかもしれませんが、会社や情報の信用を損なわないためにも、手を抜かず、丁寧に校正してください。

数字・固有名詞の間違い

校正するうえでの最重要チェックポイントともいえるのが「数字」と「固有名詞」の確認。
主に以下のような項目です。

  • 人名
  • 企業名・店名
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 住所
  • 地名
  • 商品名
  • 価格
  • スペック

これらを間違えてしまうと、会社の取り引きに大きな影響を与えるほか、場合によっては訴訟問題などのトラブルに発展しかねません。

文法上の間違いや変換間違いなどは、自社だけの問題ですが、数字や固有名詞の間違いは、相手があることなので、問題が大きくなります。

数字や固有名詞が出てきたときは、元のデータを確認しながら二度、三度とチェックするようにしてください。

例えば記事内に会社名と住所、電話番号が書かれていたなら、実際にその番号に電話をして、会社名と住所とを確認するのが確実です。

記事作成をしていると、算用数字と漢数字の使い分けで迷うシーンがかるかもしれません。

以下の記事では、正しい使い分けや数字の表記ルールについて詳しく解説していますので、参考にしてください。

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誤字脱字

校正中に最も多く遭遇するミスが「誤字脱字」です。

誤字脱字が起こる原因は主に「変換ミス」と「タイプミス」。
どちらも、時間に追われる中で文章を書いているときに起こりがちです。

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正解誤り
意外な特技以外な特技
口座を開設講座を開設
明日は医者へあす歯医者へ
返信をお待ちしています変身をお待ちしています
今夜 こにゃ

タイプミスは、使っている文章作成ソフトで表示される「予測変換候補」から間違えて選んでしまったときなどに起こりがちです。

どんなに素晴らしい内容の記事でも、ひとつの誤字や脱字があるだけで、記事全体の品質がガタ落ちになってしまいます。

サイトに掲載後や、印刷した後に発覚すると、修正のための時間と費用など実害が出るため、注意して確認するようにしましょう。

表記ゆれ

同じ言葉を、違う書き方で表記してしまうことを「表記ゆれ」といいます。

・問い合わせ/問合せ/問合わせ
・Web/WEB/web
・行う/行なう/おこなう
・ひとつ/一つ/1つ


また、英数字の全角と半角が混じっていることも表記ゆれのひとつ。

これらは内容の間違いではないため、軽視されがちですが、発信者の意識が低いと判断されるなど、読み手に悪い印象を持たれてしまいます。

また表記ゆれが多いサイトはSEO的にも悪い影響を与えるため、Webマーケティングの観点からもなくしたいミス。

表記ゆれをなくすためには「表記ルール」を作成して、制作担当者と校正者間で共有することが有効です。

文法上の間違い

日本語の文法はとても複雑です。

助詞や助動詞、副詞など数多くの品詞があり、それぞれの役割と使い方、配置する場所などにルールがあったり、配置場所によって意味やニュアンスが異なったり。

その中でも、文章中に頻繁に出てくるうえに、使い方を間違いやすい「てにをは」と「~たり」を例に挙げて、文法の難しさを説明します。

「てにをは」は言葉を結ぶ助詞の総称。「て」「に」「を」「は」だけでなく「が」や「へ」なども含めて「てにをは」と呼びます。

以下のケース、よくどちらにするか迷うことがありませんか?

  1. ラーメン『が』食べたい
  2. ラーメン『を』食べたい

どちらも正しいようで、どちらを使うかは、その人の好みのように思われます。

しかしこの場合、文法では①が正解。「〜したい」という願望を表す場合は、「が」を使うのが正しい文法なのです。

ただし、②の文章のうしろに「〜と思う」などの願望を表す動詞がつながる場合は、②が正解となります。

〇ランチはラーメン『が』食べたい!
〇ランチにはラーメン『を』食べたいと思います。

また「〜たり」という接続助詞も、よく文法的に間違った使われ方をします。
本来、「〜たり、〜たり」のように繰り返す場合に使うのが正しい用法です。

例文

泣いたり、笑ったり
行ったり、来たり


しかし、多くの場合うしろの「〜たり」が抜け落ちることがあります。

例文

×:ドライブに行ったり、散歩をして過ごす
〇:ドライブに行ったり、散歩をしたり~

例文

×:掃除をしたり、洗濯をして過ごす
〇:掃除をしたり、洗濯をしたり~

これは文章を少しでも短くするために省略されて起こることが多いのですが、文法としては間違い。

多くの人が見落としがちな、こうした文法上の細かい留意点について正しく表記することで、文章の高評価につながります。

話し言葉の使用

文章で情報を発信することが特別なことでなくなるにつれて、話し言葉と書き言葉との境界があいまいになってきました。

そのため、ライターもつい話し言葉をそのまま文章にしてしまうケースがあります。

「ら抜き言葉」や文頭での「なので/だから」、文中の「でも/だって」などの接続が代表例です。

若い世代をターゲットにしたカジュアルな内容の記事や個人ブログの場合、話し言葉で書くことが許されることもあります。

しかし、一般の企業サイトやメディア、会社間のコミュニケーションで使う文章には、話し言葉は使われません。

公式サイトやメール文面にこうした話し言葉が使われると、相手に対して大変失礼になるうえ、企業の品格を疑われることになるので、注意が必要です。

であるorですます調の不一致

文末表現を統一させて、読みやすい文章にすることも校正の重要なチェックポイント。

特にミスが多いのが「〜だ/〜である」で締める「常体」と「〜です/〜ます」の「敬体」の混在です。

ほとんどのメディアでは「ですます調」にするか「である調」にするかが決まっているので、規定に則して校正します。

文末に関しては、同じ語尾が連続して3回以上続いていないかもチェックポイントのひとつ。

「~します。~します。~します。」のように連続すると、単調でリズム感のない文章になってしまいます。

同じ語尾の連続は最大2回までが、読みやすい文章の基本です。

主語述語のねじれ

比較的長めの文章を書いていると、知らないうちに主語と述語が合わない(ねじれる)場合があります。

ライティングの初歩的なミスであり、ねじれたまま発信してしまうと、素人が書いた幼稚な情報と判断されてしまいます。

「主語」と「述語」は文章の骨格なので、それ以外の修飾語を取り払っても意味が通じなければいけません。

例文

私は山に登ることが趣味です。

この場合、主語「私」と述語「趣味です」では意味がつながりません。

正しくするなら、「私は山に登ることが大好きです」と言い方を変えるか、「私の趣味は山に登ることです」と並びを変える必要があります。

校正は文字単位で見ることが重要ですが、それだけではなく、文章全体の構造を見ることも大切です。

慣用句の誤用

慣用句の間違いも初歩的で、メディア自体の品質を落としてしまう結果になります。

間違いやすい慣用句は、だいたい決まっており、そもそも間違えて覚えているために発生します。

ただし、ライターも校正者も同じように間違えて覚えているケースもあるので、慣用句が出てきた場合は、一度、疑って確認をするようにしましょう。

間違いやすい慣用句例

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正解誤り
白羽の矢を立てる白羽の矢を当てる
熱に浮かされる熱にうなされる
雪辱を果たす雪辱を晴らす
的を射た的を得た
火ぶたが切られる火ぶたが切って落とされる

句読点の使い方

文中で使う「、」を読点、「。」を句点といい、二つ合わせて「句読点」といい、それぞれ、どこに打つのかルールがあります。

句点を打つルール

・文の最後
(例文)明日も晴れるでしょう。

・文中の括弧(「 」や( ))内には打たない
(例文)「明日は晴れるでしょう」と彼が言った

・文末に括弧がある場合は、括弧の外に打つ
(例文)彼は言った「明日も晴れるだろう」。

・著者名やクレジット表記の( )の場合は、括弧の前に打つ
(例文)メロスは激怒した。(太宰治「走れメロス」)

・!や?で終わる文の最後には打たない
(例文)これは感動モノだ!

読点を打つルール

・長い主題・主語のあと
(例文)桜が散ったあとの公園は、なんだか寂しい。

・接続詞・逆接の助詞のあと
(例文)しかし、私は納得できない。

・原因・理由・条件などを表す節の後あと
(例文)人類が自然を破壊した結果、多くの動物が絶滅した。

・文・節・句・語などを並列的に並べるとき、それぞれの間
(例文)人民の、人民による、人民のための政治

・仮名が続いて読みにくいとき、分割するところ
(例文)確かに彼には、いやなところもあった。

句読点をルールに沿って正しく打つことで論理と文意が明確になり、誤読されにくくなります。

校正するときは、句読点の位置が正しいかどうか細かいチェックが必要です。

句読点の正しい打ち方を理解していると、劇的に文章が読みやすくなります。以下の記事では、正しい打ち方について詳しく解説してます。

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同音異義語や似ている熟語

日本語には同じ発音で意味が違う同音異義語が数多くあります。

そのため、PCで読み方を打ち込むと、同音異義語が幾つか表示され、そこから正しい言葉を選ぶことに。

そのときに間違った言葉を選んだり、そもそも誤った認識で選んでしまうことで間違いが起こります。

数多くある同音異義語ですが、業界や記事のテーマによって、出現する同音異義語はある程度、特定されます。

校正漏れを防ぐためには、よく出てくる同音異義語をそれぞれの意味と一緒にリストにして、チェック時に確認するようにしましょう。

間違いやすい同音異義語例

ホショウ:保障/保証/補償
カンシン:関心/感心
ツイキュウ:追究/追及/追求
キコウ:寄稿/機構/気候
アライ:粗い/荒い
オサメル:修める/収める/納める/治める
カイテイ:改訂/改定

冗長表現や長すぎる文章

無駄に長く、回りくどい文章は「冗長表現」といわれ、読み手に大きなストレスとなります。
その結果、Webサイトなら離脱者が増え、メールなどの仕事上のコミュニケーションでは何が言いたいかがボヤけてしまい、仕事に悪影響を及ぼしかねません。

一つの文章で伝えることは一つに絞り、文字数は80文字以内に収めたいもの。
そのためには、余計な言葉はできるだけ削って、分かりやすい文章にする必要があります。

「~ということ」とか「~など」のような不要な表現や、同じ単語の繰り返しがないかなどを校正で見つけ、できるだけ端的に分かりやすい文章にすることが求められます。

文章の読みやすさ

読みやすい文章には、適切な読点の位置や端的で分かりやすいというほかに、「修飾語」の適切な使い方も重要です。

例えば二つの修飾語が出てきたときは、長い修飾語を前に、短い修飾語を後ろに置くのが一般的です。

例文

キレイな女性が作った作品

この場合、「『キレイな女性』が作った作品」なのか、「キレイな『女性が作った作品』」なのかが分かりません。

この場合、長いほうの修飾語「女性が作った」を前にして、「女性が作ったキレイな作品」とすることで伝えたい意図が明確になります。

また、同じ修飾語で複数の言葉を修飾する場合は、それぞれに同じ修飾語をつけなければ誤解されます。

例文

甘いケーキとお茶

この場合、甘いのは「ケーキ」だけなのか?お茶も甘いのかが判然としませんね。

「甘いケーキと甘いお茶」のように両方に同じ修飾語をつけることで、誤解を防ぐことができます。

校正中に、修飾語+複数の語が出てきたときは、修飾する言葉と修飾される言葉がキチンと対応しているかどうかを確認しなければいけません。

トンマナや専門用語

「トンマナ」は「トーン(tone)&マナー(manner)を略した言葉で、「トンマナを合わせる」とは、文章全体の調子に一貫性を持たせるという意味。

メディアを制作する場合は、事前にコンテンツのトンマナを揃えておきます。そうすることで、例えば一つのコンテンツを複数のライターが書く時にも、表現を統一でき、ブランディングにも役立ちます。

多くの場合、メディアのトンマナはターゲットとする読者層に合わせて決められます。

読者がコンテンツのテーマに詳しい場合は、専門用語を使った表現が可能ですが、初心者向けのコンテンツでは専門用語を控える必要があります。

校正においても、メディアのターゲット層とそれに合わせたトンマナを理解したうえで、正しい表現で文章が貫かれているのかを常に意識して読む必要があります。

導入文の書き方で困っていませんか?読者の目にとまり記事を読まれるキッカケになる導入文を書く方法について、以下の記事で解説しています。

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文章校正が重要な理由

良質なコンテンツを作ることは、企業のブランディングに直結する重要な施策のひとつです。

間違いのない文章が、すぐに企業の売上アップにつながるわけではありませんが、正しい情報を発信し続けることで、自社の製品やサービスに対する潜在顧客を増やす効果があります。

メディアの信頼性が揺らぐ

企業が発信している情報が間違っていたり、誤字脱字が目立っていたらどう思うでしょう?

たった一つでも、ミスや間違いがあるだけで、そのメディアだけでなく、発信している企業全体の信頼性が揺らぎませんか?

逆に、細かな表現や情報にまで気が配られているメディアだとどうでしょう?

その企業やメディアが全面的に信頼されるようになります。企業の信頼性はWebマーケティングにおいて最も重要な要素です。

いまは、情報の正確性が強く求められる時代です。一つのミスが会社の存続にまで影響することもあるため、発信する文章の校正には細かく気を配る必要があります。

文章が読みやすくなり記事の満足度が上がる

また誤字脱字がなく、端的で分かりやすく整理された文章は読みやすいため、読み手の満足度も高くなります。

結果、そのコンテンツだけでなく、メディア全体、さらには企業全体への評価が高まることで、ファンを獲得することにつながります。

校正に役立つツール

ここまで校正の重要性と、校正のコツやチェックポイントについて解説してきました。

しかし、文章を書くのも人なら、校正するのも人です。
ライターだけでなく、校正担当者もチェック漏れをする可能性があります。

そこで役に立つのが校正用のツールを活用することです。

いまはChatGPTのようなAIをはじめ、さまざまな校正ツールがあります。その中から幾つかおすすめのツールを紹介しましょう。

ただし、いまのところ校正を100%の精度でこなしてくれるツールはありません。
あくまでも校正のサポートとして活用すれば、人の目では気づかなかったミスを見つけてくれることがあります。

ワードの校正ツール

ワードには文章の校正をサポートする機能が搭載されていて、使い方もとても簡単。

校正・校閲のレベルをカスタマイズできるので、厳しくチェックしたい場合も簡単に設定を変更できます。

ただし精度面ではムラがあり、校正できるのは誤字脱字ぐらいで、それ以上の校正は期待できないのが残念なところ。

とはいえ、普段からライティングにワードを利用している方は、まずはこの機能を試してみるといいでしょう。

文章校正ツールso-zou.jp(無料ツール)

サイト上に10,000文字までの文章を貼りつけて、「検査」ボタンをクリックするだけで間違った表現や不適切な表現をオンラインでチェックしてくれる無料校正サイト。

「てにをは」の間違いや「ら抜き言葉」、「二重否定」「冗長表現」なども指摘してくれるので、無料のサポートツールとしては利用価値の高いサイトです。

文賢(有料ツール)

有料の校正ツールで有名なのがこの「文賢(ぶんけん)」。

誤字脱字、表現の間違いを指摘してくれるほか、読みやすい文章への改善点なども教えてくれます。

さらに、コンテンツ別に表記ルールを登録できることもあり、企業や教育機関などでも広く使われています。

導入前後のサポートが充実しているのも、人気が高い要因の一つです。

間違えやすい日本語実例集(書籍)

大手出版社「講談社」の校閲部が発行した日本語の間違い例をまとめた書籍で、見落としやすく、間違いやすい表現を実例を挙げながら解説してくれます。

読み物として面白い内容になっており、校正ツールとして辞書的に使用するのには向いていませんが、間違いやすい表現を知るための参考書として読んでみるといいでしょう。

標準 校正必携(書籍)

日本エディタースクール発行。
これまで多くの編集者や校正者が利用してきたロングセラーで、日本語表記に関する内閣告示などの基本資料も収録。

日本語の正しい表記のほか、常用漢字表や新・旧字体一覧、現代仮名遣いや送り仮名のつけ方なども網羅されているので、校正時に手元にあればとても便利な一冊です。

読み間違いが多い漢字111選(Webサイト)

誰もが一度は見たことのある漢字の中で、読み間違いが多い漢字111種類を紹介したサイト。

自分の認識に間違いがないかをチェックして、知識をバージョンアップするのには役に立ちます。

校正の精度を上げて信頼される文章を書こう

校正は単に文章の間違いをなくすだけの作業ではありません。

「てにをは」を間違えていても、慣用句を間違えていても、社外の誰かに迷惑をかけたり、損害を与えるものではありません。

しかし、その一文字を間違えたまま情報を発信することは、メディア全体、あるいは企業全体の信頼を失墜させることにつながります。

アリの一穴が堤防を破壊するように、一文字の見落としが企業の存続にも影響します。

紹介してきた校正のコツやチェックポイントを参考に、校正の精度を上げ、間違いのない信頼される情報発信に役立ててください。

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